売れようと思わなくなったら、ラクになった【ライター/北条かや】

売れようと思わなくなったら、ラクになった




皆さん、あけましておめでとうございます。北条かやです。2018年の抱負を考えていたのですが、特に思い当たらず……「やっぱり、着実に働いていくしかないんだろうなぁ」と思ったりしています。無職だった期間を経て、少しは仕事復帰ができた今、色んなことに諦めがついてきた気がするんですよね。

28歳になる年にデビュー、とにかく好かれたいと思っていた

私はデビューが遅く、1作目の『キャバ嬢の社会学』(星海社、2014年)が出たのはやっと28歳になる年でした。ありがたいことに、同作はいろいろなところで話題にしていただくことができ、メディアに出る機会も増えたと思います。

ただ、話題にしていただければ当然、「あんな奴のどこがいいんだ」と思う方も出てくるものです。そういう意見を目にするたび、私は「誤解を解きたい」「私を好きになってもらいたい」と、強く願うようになりました。

子どもの頃から、「嫌われたくない」と人に媚びる性格でしたから、それがネットの世界に置き換わっても一緒だったのかもしれません。とにかくみんなから愛されたい、嫌われたらおしまいだと思っていました。

自分に否定的な意見を「変えてほしい」

自分に否定的な人がいたら、意見を変えてもらいたいと思い、エゴサーチがやめられなくなりました。「北条かや」「北条」「かや」、テレビに出たらその番組の関連ツイートは全てチエックする。異常なほどに、周りの声を気にするようになりました。

振り返れば、私がやっていた「エゴサーチ」というのは、まさに「エゴ」でしかなかったと思います。好かれたい、好かれたい、好かれたい。それだけで文章を書いていました。

そんな姿勢だったせいか、デビューから2年後、30歳になる年に炎上、多くの人に嫌われてしまったときは、パニックになって自ら命を断とうとしてしまいました。馬鹿なことをしでかしたので、仕事も信用もゼロになりました。

アンチに負けない!なんて無理

炎上すると「アンチ」と呼ばれる人たちが増えるもので、仕事を邪魔されたり、誹謗中傷されたり、色んな嫌なことがあります。今もあります。

「アンチ」に負けずに頑張っている人もいらっしゃると思いますが、私にはそれができません。

だからもう、諦めよう。と思えたのは、やっと、31歳になった先月のことでした。炎上して2年。もうこれ以上、自分の好感度が上がることはないだろう、妙に静かで明るい気分になったんですよね。もう売れなくてもいい。静かに、細々と仕事を続けられたら十分だ。そしたら、ものすごく気分がラクになりました。




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RUN-WAY編集部

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