日本のスタートアップを世界へと送り出す! 諦めなければ、自分の好きな仕事で世界を変えられる!【Plug and Play JapanCOO/矢澤麻里子さん】

矢澤麻里子




今回のインタビューは、Plug and Play JapanのCOOとして活躍している矢澤麻里子さん。常に「自分が本当にやりたいことは何だろう」と考えながらステップアップしてきた矢澤さんに、これまでのキャリアや、成功の秘訣についてお聞きしました。

 

大企業と一緒に日本と海外のスタートアップを支援

Plug and Play Japan では、アクセラレーションプログラムを運営していて、我々のパートナーである大企業さんと一緒にスタートアップの事例作りや実証実験のお手伝いをし、そして大企業さんの新規事業や次の事業の柱を作るお手伝いなどをしています。

 

スタートアップを支援する会社は他にもありますが、我々はパートナーの大企業とスタートアップのN対N型の支援を目指しており、一つの大企業と一つのスタートアップの連携支援ではなく、複数の大企業と複数のスタートアップのコラボレーションに取り組んでいます。また、日本展開に興味のある海外のスタートアップと日本のスタートアップを一緒に育てることで、グローバルレベルでのアクセラレーションが起きやすいようにしているのが大きな特徴です。

海外のスタートアップを日本に呼び込むだけでなく11カ国26カ所にあるブランチを使って、日本のスタートアップを世界に送り出すお手伝いもしています。

 

中学生の時、校内でジャニーズ情報を売っていた!?

矢澤麻里子

ビジネスには早くから興味がありましたね。もともと、父が家で事業をしていたので、父が楽しく働く姿を身近で見ていたことも原体験になっていると思います。

 

パソコンに最初に触れたのは中学1年生の時です。その頃はWindows95でダイヤルアップ接続で、まだ電話線でインターネットにつないでいた時代でしたが、インターネットを通じて世界とつながることの面白さを実感しました。コーディングしたりホームページを作ったりもしましたし、ジャニーズの情報をプリントアウトして中学校に持っていて、友だちに300円で売ったり(笑)2人くらい買ってくれました。(笑)

 

中3の終わりぐらいからは、本当はダメなんですけど友人二人と蕎麦屋でバイトをしていましたし、大学生の時には朝はガソリンスタンド、日中は学校に行って、夕方は家庭教師かコンビニ、そして夜は漫画喫茶とか1日に3つのバイトを掛け持ちしたり。30種類のアルバイトは経験したと思います。バイトをしながら、働くってなんだろう……と考えていましたね。

 

 

半年で英語力をグンと伸ばし、アメリカの大学へ

大学に入って1年の冬に、初めての海外旅行でロンドンに行きました。海外ってこんなにすごいんだって気づいて、そこから何とかして海外にいけないかと考えあぐねました。語学学校とかも検討したのですが早く働きたい思いも強く、大学を3年でやめ、留学エージェントも使わず無理やりニューヨークの大学に編入しました。アメリカの大学に行くために、半年ぐらいで英語力を大学に受かるレベルまでに引き上げたんです。

 

ニューヨークとはいえ、ニューヨークシティではなくて田舎だったので、ひたすら人生について問うた時間でしたね。一人で考える機会が多く、この頃から自分は何がしたいのか、誰の役に立つのか、生きる意味などを強く考え始めるようになりました。起業にも興味を持ちながらも、早く卒業して働きたいという思いがあったので、授業も詰めみながら頑張っていました。

 

そこで、大学卒業後はニューヨークシティに移って、語学に関する事業をたちあげました。少しずつ回るようにはなっていたんですけど、資金や計画性のなさ、そして自分の能力のなさも実感して、ちゃんと就職しないとダメだと痛感し、日本に戻りました。

 

人の幸せが自分の幸せ! 頑張っている人を応援したい

矢澤麻里子

帰国後はBI/ERPのベンダー会社でエンジニア・コンサルタントとして働いたあと、リスクマネジメント系の会社に転職しました。日本国内外の法人信用調査や個人の与信管理モデル構築などのリスクマネジメントも経験しました。エンジニアとしては仕事で基幹システムなど構築したり、趣味でアプリ作ったりもしていました。その間、どの世界でも、どんな形で働いても楽しかったんですけど、本当にやりたいことは何だろうと考えは常につきまとっていたんです。

 

実は大学時代に、自分のしたいことってなんだろうって考えていたときに、「人の幸せが自分の幸せだ」と思ったんです。その時は安易に音楽って人を幸せにできるよねって思って、夏休みの間に帰国して友人とクラブイベントのオーガナイザーとかもやったんですけど、そのクラブの場ではみんな一瞬楽しんでくれても、それが本当にその人にとって幸せなのかというとそうじゃないなって。

 

そんな経験もあって、社会人経験も重ねてきた時に、自分が幸せにしたいと思う人は、頑張って世の中を良くしたいと思っている人とか、人を幸せにしたいと思っている人たちだと気付いたんです。しかも一瞬の幸せではなく本質的な幸せをつくれるようになりたい、と。じゃぁなぜ起業家か、というと、資本主義の世の中で起業家は消費者・ユーザーをハッピーにしないと彼らは買ってくれないですよね。なので起業家は消費者に買ってもらえるように全力でサービス・事業を磨きます。その結果として、消費者もその起業家のサービスにお金を払って幸せになるし、そういう幸せな消費者が増えれば、その先の社会が幸せになりますし、消費活動が活発になると日本経済も良くなる、と考えたんです。ちょっと極論ですが、「消費者をハッピーにさせるために頑張っている人を応援したい」という気持ちが転じて、起業家がもっと増えれば社会全体のハッピー総量は増えるのでは、という気持ちがあったんです。

 

同時に、自分が起業するよりも、私がこれまでに培ってきたノウハウを生かして頑張っている人を支援する方が、日本の社会として効率的だし、それができるのはベンチャーキャピタルだと思ったんです。それで再び渡米し、アメリカのベンチャーキャピタルに行きました。

 

「できるできないでなく、やるかやらないかで世界を変える」

アメリカで経験を積んだのち、帰国してサムライインキュベートに入りました。「できるできないでなく、やるかやらないかで世界を変える」というサムライのミッション・ビジョンがそのまま、自分のヴィジョンと重なったんです。やると決めてアメリカの大学への編入やクラブのオーガナイズ、ベンチャーキャピタルへの入社などを実現してきた私の人生そのものだなって。

 

そして4年半キャピタリストとして働いて貴重な経験をたくさんさせていただいていく中で、日本でもっとイノベーションを起きやすくするためには、グローバルレベルでスターアップ側と大企業とのギャップを埋めていくことが必要だと実感しました。スタートアップ側は、貴重な時間を使ってやったことが大企業にないがしろにされたと感じるケースが多かったり、逆にスタートアップ側が大企業のことを知らなさすぎて戦略を持って動けなかったりすることが多いんですよね。

 

もっと進めたくても進められない、そんなはがゆい思いをしているスタートアップをたくさん見て来たので、大企業がもっと前のめりになってスタートアップを支援してくれたら、日本全体が良くなると思って、いまの会社にジョインしました。

 

やり切れていないことも、これから全部、やり切る!

今は、どうすれば課題を解決しながら次につなげていくことができるのか、本当にイノベーションを実現するにはどうすればいいのかということを、毎日ひたすら考え抜いている感じですが、すごくやりがいを感じています。

 

とはいえ自分ではまだ全部をやり切れていないので、これからそれをやり切って行きたいですね。いろんな人の協力があって今があるので、賛同してくれている方々の思いを叶えるためにももっと頑張らないといけないと思っています。

 

そして、海外の面白い技術をもっと日本のスタートアップに知ってもらったり、海外に行ってもらうことで海外のスタートアップと出会って面白い気づきを得てもらったりしながら、両者の距離を縮めて行きたいなと思います。

 

諦めなければ、絶対に夢は叶う そして世界は変えられる!

矢澤麻里子

 

夢というと大げさかもしれませんが、やりたいことや実現したいことは絶対に叶えられます。自分が叶えたいと思った人生は絶対に送ることができます。自分も含めて人ってどうしても逃げちゃうところってあるんですが、夢を実現するためには言い訳をしないこと。そして何かのせいにして逃げないことが大切だと思います。夢を諦めなければ、本当に世界は変えられるので。

 

私は、世界を幸せにしたい人たちを増やすことは起業だと思っているので、日本を起業大国にしたいと思っています。そして、自分なりに幸せを数値化する指標を作って、世界の幸せの総量を全体として上げたいですね。(笑)

 

  • プロフィール

矢澤麻里子

Plug and Play Japan  Chief Operating Officer。大学を卒業後、BI・ERPソフトウェアのベンダにてコンサルタント及びエンジニアとして従事。日本国内外企業の信用調査・リスクマネジメント・消費者金融与信管理モデルの構築など、幅広い経験を経て渡米。シリコンバレーVCにてファンドレイズ、デューデリジェンスに携わる。サムライインキュベートを経て、Plug and Play Japanへ。趣味は新しい国に行くこと。好きな国はニューヨークとイスラエル。「イスラエルはすごく合理的で起業家大国なんです。空気も天気も素晴らしいし、人や政治・文化・技術・すべてが面白い国です」

 

Plug and Play Japan

http://japan.plugandplaytechcenter.com




RUN-WAY編集部

RUN-WAYは、「自分らしくHappyに働きたい」と願う、全ての女性をサポートするためのメディアです。
  働く女性の困ったを解決し、理想のキャリアに一歩近づくための情報をお届けします。