【短期集中連載・第4回】自分で自分の仕事をデザインするためには?【文筆家/岡田育】

岡田育




新卒入社した出版社を辞めて、二つ目に勤めた会社は2年半ほどで一旦解散。その頃にはエッセイの仕事が増え、テレビ番組に出演するようにもなり、合間に結婚したりもして、やっと新生活が落ち着いたかと思いきや、アメリカへ引っ越すことになりました。「ああ、私はもう、日本で会社勤めをする人生には戻らないのか……」と思いながら、船便の手配をしたり、留学手続きをしたりしていたのが、3年ほど前のことです。

 

私は今も求職活動を続けています。といっても、日本語の響きから想像されるものとはずいぶん違うかもしれません。まず、まったく英語の話せない35歳がいきなりアメリカで現地企業に転職するのは難しいので、大学へ入って勉強し直すことにしました。専攻をグラフィックデザインにしたのは、手に職をつければ比較的容易に言葉の壁を超えていける分野だという、極めて個人的な手応えがあったからです。

 

アメリカも或る意味では学歴社会、競争の激しい専門技術職に就くためには関連する学位が必須で、出身校のブランドが如実に就職に響きます。よほど有力なコネでもない限り、名門大学を成績上位で卒業するのが成功への最短距離。私の通った学科にも社会人学生と外国人留学生が多く、みんな転職の切符を掴むために学問に励んでいました。同級生には、大手広告代理店の正社員ポジションを掴んだ勝ち組もいれば、祖国へ帰って自分のデザイン会社を立ち上げた遣り手もいます。でも、卒業後の進路として一番多いのは、やはりフリーランスだと思います。

 

私も卒業後、デザイナーやブランドコンサルタントとして働いていますが、いわゆる「会社員」ではありません。個人名義の名刺とポートフォリオを持ってあちこちのクライアントへ出向き、その場その場で契約を交わして求められた仕事をした後、請求書を立てて報酬を支払ってもらう、という形態です。




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RUN-WAY編集部

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