未経験からはじめる人事!仕事内容や採用されるポイントを理解しよう

未経験からはじめる人事!仕事内容や採用されるポイントを理解しよう




人事は事務職の代表的なポジションの一つとして人気がありますが、そのやりがいや具体的な仕事内容を把握している人はどれくらいいるでしょうか。未経験から人事を目指すにあたって、仕事に対する理解を深める事は重要なポイントです。採用を手繰り寄せる為のポイントを押さえておきましょう。

会社によっては両方の役割を担うこともある!人事と労務の違いとは?

人事以外にも社内の人材に関連する業務を担う部署として労務が挙げられます。人事と労務は混同されがちですが、その仕事内容は似て非なるものです。ただしお互いの仕事に通ずるポイントが存在しているのも事実なので、この2つの仕事内容をしっかりと理解する事は重要と言えるでしょう。

労務との違いは

人事が扱う業務は「人材によって組織を活性化させる事」を目的としています。人材の教育や採用、研修、仕事に対する評価などで組織が適切に機能するように働きかけるのです。

これに対して労務が扱う業務は「従業員が安心して働く事の出来る環境作り」が主な目的となります。給与計算や福利厚生の管理、その他にも様々な労働環境整備を行っているのが労務部です。

企業によっては2つが一緒になっている事もある

規模の大きい会社では細かい仕事内容の仕分けにも人手を割けるので、人事部と労務部はそれぞれ独立して設置されている事が多いです。しかし中小企業などでは組織編制をコンパクトにまとめる目的で、同一部署内で両方の仕事を兼任しているケースも少なくありません。このような部署や仕事は「人事労務」と呼ばれる事もあります。

人事の目的である「組織の活性化」は労務の業務による「安心出来る労働環境」が実現されている事が重要であり、お互いの仕事は密接に関わりあっているとも言えるのです。

よくある人事のメリット1:未経験でも適正があれば仕事をしやすい

人事の仕事にはある程度本人の職業適性や能力が要求されるものの、今までの実績やキャリア・資格などが必要とされるケースは少ないです。従って未経験者であっても適正が備わっていれば十分に採用のチャンスがありますし、入職後も仕事に馴染むまでそう時間はかからないでしょう。企業から出されている求人情報にも未経験者OKのものは多く、これから新しい仕事への転職を考えている人にも間口が開かれた職種となっています。

どんな仕事に於いても技術やノウハウといったものは大切ですが、人事職ではコミュニケーション能力や調整力といった人間関係のスキルが重要です。専門的な知識は入職後に身につけても遅くないので、基本的な事務スキルを身に付けていれば未経験者でもチャレンジしやすいという点はメリットと言えるでしょう。

よくある人事のメリット2:経験を積むことでキャリアアップしやすい

人事は未経験者でもチャレンジしやすい職業ですが、仕事をこなしていくにあたっては様々な専門知識を身につけていく事になります。それらの知識には法律的な手続きに必要なものも含まれており、将来的にスペシャリストとしてキャリアアップする為の力を働きながら養う事が出来るのです。入職直後は人事に関する書類処理などの事務作業などから始め、的確に仕事をこなして力を身につければ採用担当などの重要ポストを任される事もあります。積極的にキャリアアップを狙いたい人にとってやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。

社会保険労務士への道も開ける

人事と労務の仕事には密接な関連性があり、人事の仕事をこなす上で身に付く勤怠管理に関する法律などは労務の分野でもあります。こうした法的な知識は社会保険労務士の資格試験や仕事に役立つものであり、人事と並行して労務の仕事をこなしていけば将来的に資格取得を目指す事が可能です。社会保険労務士として独立開業を目指すのも、人事のキャリアプランの一つと言えます。

よくある人事のメリット3:社員の育成に関わることで成長を間近で見られる

人事の仕事は会社の内外を問わず様々な人達と直接面識を持つ事が特徴的です。キャリアを積んでいくと新入社員の採用や教育、または既存社員の育成を担当する場面も出てきます。自分が仕事で携わっている従業員が成長していく姿を目の当たりに出来る事は、人事の仕事に就く上で大きなやりがいを感じさせてくれるでしょう。

人事では対面で従業員の指導にあたる他にも仕事の業績や勤怠状況など、様々な視点から具体的な数字で従業員の働きぶりを管理する事になります。その人がどんな風に変わってどれくらい仕事で結果を出せるようになったのか、面識と業績の双方から従業員の成長を感じられるのです。人の成長は企業の成長に繋がる重要なポイントであり、自分が影ながら会社を支えているという実感が持てます。

人と関わる仕事は楽しいことばかりではない?人事の仕事で辛いこと

人と関わる場面の多い人事の仕事はやりがいも大きく、従業員や企業の業績が向上した時の喜びはひとしおです。しかし仕事である以上、楽しい事ばかりではありません。人との関わり合いが物を言う人事では仕事で苦労するシーンも少なくありません。

従業員育成・採用担当にもなると多忙を極める

キャリアを積み重ねて従業員の育成を負かされるようになると、仕事としての難しさが1段階も2段階も上がる事を実感するでしょう。人を育てるという仕事は、自分さえしっかりしていれば良いというものではありません。育成対象となる人の現状や課題、モチベーション管理など自分以外の人間の事をよく考える必要が出てくるのです。能力を思ったように伸ばしてあげられず、はがゆい思いをする事も珍しくありません。

採用担当になると新卒者用の企業説明会や面談の調整など、就活シーズンから慌しくなります。コミュニケーション能力はもちろん、スケジューリングのスキルも求められるのです。

時には板挟みになる事も

人と関わる業務が多い事から、ちょっとしたコミュニケーションエラーや考え方の違いで揺れ動く人間関係に悩まされがちです。評価に納得しない従業員からのクレームを受けたり働き方に関する労務的な指示を出す場合など、時には社内の嫌われ役を買って出なければならない場面もあります。会社と従業員の間に立って企業活動の基盤を支える為には、時には上層部と従業員の板挟みになる事もあるのです。

よくある人事の仕事内容1:会社全体の目的達成のために行う人事企画

会社は「ヒト(従業員)」「モノ(設備)」「カネ(資金)」で成り立っていると言われています。人事ではこの3大要素の中で「ヒト」を適切な場所へ配置して業務を効率化させる、「人事企画」という仕事を担っているのです。

人事企画では春先や秋口の異動シーズンでは業績や評価を見直して部門編成を適性な人材配置に直したり、企画の立ち上げに関してはプロジェクトリーダーにメンバー選びのアドバイスを行ったりします。また、会社がこの先何人の従業員を採用して、どれくらいの社員規模にしていくのかを決める「採用計画」の立案も人事企画の一つです。

企業全体の目標・目的を達成する為、どのように人材を活用すればよいのかを示すのが人事の仕事と言えるでしょう。

よくある人事の仕事内容2:社員一人ひとりの生活に関わる労務管理

人事企画のような全体を見渡すマクロな視点で行う仕事もあれば、社員一人ひとりに関わるミクロな視点での業務も取り扱います。日々の勤怠管理や月単位での給与計算や支払いなど、社員の生活に直結する重要な仕事です。

また、社員が加入する社会保険に関連する手続きや雇用契約、福利厚生の実施なども人事の仕事として回って来る事があります。どちらかと言えば労務の管轄になる業務内容ですが、従業員の健全な労働を推進する為に必要な仕事として人事で扱う場合もあるのです。

「人事」と聞くと人事企画のように直接「ヒト」を動かす仕事がイメージされがちですが、実際はこのように労務関係の業務とも密接に関わりあっています。人事を理解するには、労務を理解する事もまた重要なポイントなのです。

よくある人事の仕事内容3:新卒や中卒など新しい人材を選ぶ採用活動

社内の人間に関わる仕事が多い人事の姿が最も表立つのは、企業の採用活動に携わる業務を行う時です。企業が雇用する新卒者・中卒者のような正規雇用はもちろん、アルバイトやパート、派遣で働く人など雇用形態を問わず人材の採用を担います。

採用計画に沿って求人広告の掲載や説明会の実施、採用面接や入社後のフォローなど採用業務は長期に渡って様々な取り組みを行うのです。

採用活動は社内の意見を汲み取る仕事でもある

一見すると優秀な応募者を書類選考や面接で見抜く事が重要視される採用活動ですが、実際は社内の人間からの意見を汲み取る事が同じくらい大切なポイントになります。企業があるべき姿・理想像を抱える経営陣からの要望はもちろんの事、実際に業務を担当する各部署の責任者や人材育成の担当者からの意見を取り入れた上で採用活動に取り組むのです。

応募者が持っているスキルや人となりを見極める事も大切ですが、社内のニーズや社風にマッチした人材を採用する事が人事の使命と言えるでしょう。

よくある人事の仕事内容4:社員の育成やスキルアップのための教育

労力と時間をかけて採用した人材は、入社させてそれで終わりではありません。仕事へ順応出来るように研修を実施したり教育プログラムの作成、書類管理なども人事が取り扱う業務となっています。

社内の研修会のみならず、有効な外部研修会・勉強会があれば新入社員を誘致する事も珍しくありません。特に資格取得の勉強会などは専門家のよる外部の抗議が人気であり、意欲的な社員からは問い合わせも多くなります。

教育・育成対象は新入社員だけではない

人事が育成する人材は新入社員だけではありません。既に入社して数年経っている在籍社員に対する育成プログラムを考えたり、キャリアパスの道筋を用意する事も求められるのです。特に昇進やプロジェクトマネージャーに抜擢した人材に対しては、適切なフォローで能力を最大限引き出してあげる事が重要なポイントと言えるでしょう。具体的な仕事のノウハウを指導するだけではなく、社員一人ひとりの意識改革についても配慮します。

よくある人事の仕事内容5:社員にとって働きやすい制度や環境の整備

人事では従業員が安心出来て働きやすい職場環境・制度の整備を、労務と協力しながら進めていきます。企業の繁栄は従業員のモチベーションや満足度が鍵を握るので、労働の下地作りは業績に直結すると言っても過言ではないでしょう。

評価・報酬に関する制度策定や実施

人事と労務が独立して設置されている企業の場合、人事が担当する環境整備で最も大きなウェイトを占めるのは従業員に対する評価や報酬に関する業務です。いくら頑張って働いてもそれに見合った評価・報酬が得られなければ、社員のモチベーションは下がってしまい最悪の場合離職してしまう可能性もあります。社員の生活に直結する部分でもあるので、正確な仕事が求められるデリケートな業務です。

福利厚生の実施やメンタルケア

取り扱う内容は企業によって様々ですが、社員のモチベーションを向上させる福利厚生の運用も人事で取り扱う事が多いです。また、セクハラやパワハラといった職場の問題に対する是正措置や被害者のメンタルケアも行います。外部から専門のカウンセラーを招いて相談窓口を設けている企業も少なくありません。

一般的な人事の仕事の流れとは?1日の基本の過ごし方をチェックしよう

人事の大まかな仕事内容が掴めたところで、今度は1日の基本的な流れを見てみましょう。企業によって細かい業務内容には違いが生じる為、あくまで基本的な例の一つとして参考にしてみてください、

午前中の主な業務内容

出社は始業の30分前が理想とされているので、9時始業であれば8時30分には会社に到着しておくと良いでしょう。出社したらまずは消耗品の確認・補充を行います。朝礼が終わってそれぞれの業務に入りますが、午前中は労務関係の仕事がメインです。入社した従業員が居るならば雇用契約関連の手続きや書類の準備を進めます。月末や月初は社内全体の給与計算業務が優先です。

午後になってからの業務内容

月末や月初は給与計算や雇用関係の手続きが手中する為、必要に応じて引き続き午後にも行います。それと並行して午後からは採用関連の業務や社内からの問い合わせにも着手します。求人広告の原稿作成や面接対応などがメインです。社外の人間とは言え将来的に仕事仲間になるかもしれない人達なので、面接に来た応募者には忙しくても気持ちよく対応しましょう。

未経験でも人事に向いている人の特徴1:人と接したり会話したりするのが好き

「人と接する事、会話する事が好きな人」は、人事に向いている人の特徴と言えるでしょう。

人事の仕事は人材採用から教育・育成までを取り扱い、従業員の成長を補佐する事が大きな目的です。その人がどんな人でどのような悩みや問題点を抱えているのか、どのような改善策が適切であるかを考えるには人との交流に楽しみ・喜びを感じる人が適しています。新入社員の頃から見守って来た従業員が仕事で結果を出せるようになるのを見届ける事は、人事冥利に尽きると言えるでしょう。

また、従業員本人だけでなく会社の舵を執る役員クラスの上司や各部署の責任者など、人事が取り持つ交流は実に幅広いです。会社で働く様々な人達の思惑を咀嚼し、企業目標達成の為に人と企業を繋ぐ為には人事のコミュニケーション力が重要視されます。

未経験でも人事に向いている人の特徴2:スケジュールの調整力がある

ヒトは会社にとってかけがえのない財産であり、そのヒトを管理・活用していくのが人事の役割です。社内に従業員が多すぎても少なすぎても、企業は正常に機能しなくなってしまうでしょう。

社内の人材を適切に管理する事には、採用活動が鍵となります。キメ細かく採用スケジュールを組んで、その予定に沿って募集や面接を行う事が重要です。状況に応じて機転を利かせる臨機応変さは大切ですが、行き当たりばったりで採用活動を行っていては企業活動をスムーズに行う事は出来ません。採用計画通りに人材を登用し、過不足のない人材配置で企業活動を行っていく為には人事のスケジュール調整力が大きく影響します。

スケジュール調整力は採用活動以外でも重要

雇用関連の書類提出や研修会・勉強会の日程など、人事が調整すべきスケジュールは採用活動に留まりません。余裕を持ったスケジューリングで従業員に負担をかけない事も大切な要素なのです。担う仕事の責任が重大なだけに、スケジューリングに関するスキルが予め備わっている人は未経験であっても人事に向いていると言えます。

未経験でも人事に向いている人の特徴3:目標を達成する意欲がある

人材の採用・活用は企業の生命線とも言えるので、設定したスケジュールで確実に目標をこなす必要があります。採用人数が目標に届かなければ人手不足で仕事が回らなくなってしまいますし、スケジュールがずれ込んでしまうと後に控えている業務に支障を来たしてしまう可能性もあるでしょう。「いつまでに」「何人採用するのか」という明確な目標を掲げ、企業の活性化の為に目標を達成しなければならないのです。

社員育成に取り組む場合でも、目標に対する意識は高く持っておく事が重要です。指導する立場にはある人事の人間は目標に対して意欲がなければ、指導・育成される従業員も仕事に対する熱意やモチベーションが削がれてしまうでしょう。何事にもひたむきに、目標を達成しようという意欲を常に持ち合わせている人が人事には求められています。

未経験でも人事に向いている人の特徴4:何事にも臨機応変に対応できる

仕事に於いてイレギュラーな事態は付き物であり、全てが予定通り順調に進むという事は稀です。無駄のないスケジューリングで予定を組んだ採用計画でも、面接が長引いたり求める人材像に適合する応募者がいない事で予定通りに進まない事態は大いに予想出来ます。まえ持って余裕にあるスケジュールを組んでおく事も大切ですが、他の業務や会社の都合との兼ね合いでどうしてもギリギリの予定を組まざるを得ない場面も少なくありません。

人事の仕事に就くにあたって、こうしたピンチにも慌てず臨機応変な対応を散れる人材は重宝されます。余裕のある業務のスケジュールを組みなおして日程を補填する、人員配置を見直して次の採用まで少ない人数で何とかやりくりしてもらうなど状況によって取れる方法は限られているかも知れません。しかし時にはそんな中でベストの選択を要求されるのが人事なのです。

未経験でも人事に向いている人の特徴5:細かい仕事でも正確にこなせる

人事が取り扱う業務の中には従業員の雇用に関する手続きや個人情報、労務に関わるものなど処理のミスが許されない書類が多く存在します。給与計算や支払いにおいても、細心の注意を払って業務にあたる必要があるでしょう。ここでミスをしてしまうと自分が困るばかりか、従業員が損害を被る事態も考えられます。お金や個人情報のやり取りは信用問題に大きく影響を及ぼすポイントなので、どんな細かい作業でも正確に仕事をこなせる人は人事職への適正が高いと言って良いでしょう。

給与の支払いや雇用契約が適切に行われている事は一見当たり前に思われますが、その裏では担当者が神経を集中させて作業にあたっているのです。しかし、こうした細かく正確な作業の積み重ねが従業員の企業に対する信頼に繋がっていくのです。

人事未経験でも活かせる前職の仕事1:営業アシスタントや営業事務

業態にもよりますが、一般的な商社には取引先から仕事を取ってくる為のポストとして営業部が設けられています。自社の製品やサービスを積極的に売り出す為の部署として、企業の業績に大きな影響力を持ったポジションです。そしてその営業担当者がスムーズに仕事を獲得出来るように補佐する役割を担っているのが「営業アシスタント」や「営業事務」と呼ばれる人達になります。

営業アシスタントの経験はどう活かせるのか

人事未経験でも前職で営業アシスタントや営業事務の経験がある場合、その経験を活かせる見込みがあるとして採用面接で注目されるでしょう。営業担当者を「会社の従業員」、営業アシスタントを「人事部」として考えると分かりやすいのではないでしょうか。営業担当者が気持ちよく働く環境を作ったり取引先への対応を行うのは営業アシスタントの仕事であり、人と人もしくは人と企業を繋ぐ役割を果たします。こうした橋渡しを担うポストでは「人を観察する力」が養われ、人事の仕事においても従業員の事を理解するのに役立つのです。

人事未経験でも活かせる前職の仕事2:飲食店やアパレルなどのサービス業

レストランやファーストフードの飲食店やアパレル関係・小売業といったサービス業では、お客さんと直接接しながら商品やサービスを提供するケースが多いです。接客で培った人とのコミュニケーション能力は人事の仕事に於いても有用なスキルと言えます。

接客業ではマニュアル的な対応を取るお店も少なくありませんが、そんな中でもお客さんとの会話や人間観察に楽しさを見出していたのであれば人事は適職でしょう。「仕事」である事を割り切った上で相手の事をより一層理解しようとする姿勢は、従業員の育成にとって重要なポイントです。こうした接客業は多くの業種で必要とされて募集がかけられるので、比較的アルバイトやパートで経験のある人も多いでしょう。何気なくやっていた接客のアルバイトが、実は人事の仕事に活かせるスキルを養っていたのです。

人事未経験でも活かせる前職の仕事3:チームリーダーやバイトリーダー

仕事の種類を問わず店舗や営業所にはチームリーダーやバイトリーダーを設けているところも多いです。規模が大きければ大きい程、部署や店舗が多ければ多い程、こうした中間的なポジションで従業員をまとめて引っ張っていく人材は重要な役割を果たします。

そしてこの「人を引っ張っていくリーダーシップ」というポイントは、人事の仕事で人材育成に取り組む際に活きて来るのです。育成対象となっている従業員からすれば、自分を適切に評価してより良い方向へ導いてくれる人に指導してもらいたいというのが本音でしょう。そこで担当者である人事の人間にリーダーシップが備わっていなければ、やはり人は付いて来てくれません。人を育て上げるという事には、自分がその人は引っ張っていくという責任感と説得力を備えたリーダーシップが必要なのです。

持っていると有利になる人事に必要なスキル1:基本的なパソコンスキル

人事の仕事では人と関わる事が多いのは事実ですが、その上で事務作業も行っていかなければなりません。給与計算や支払い業務、各種書類の入力業務などは殆どパソコン上で行われる事になります。従ってメールの送受信やファイル管理はもちろんの事、ブラインドタッチなど基本的なパソコンスキルを身に付けておくだけでも採用面接時にアピールポイントにする事が可能です。特に月末や月初、決算シーズンなどの繁忙期には正確性と併せてスピードも求められます。

仕事に必要な専用ソフトの扱いは入社後に覚えるケースが殆どであり、そうした専門的な知識よりも基本的な技術力を備えておく事が大切と言えるでしょう。時間に余裕があればブラインドタッチの練習をしておく事がオススメです。

持っていると有利になる人事に必要なスキル2:ExcelやWordのスキル

事務仕事には各部署で必要になる専用ソフトの他に、ほぼ共通して運用されているソフトがあります。それがExcelやWord、Powerpointといった所謂Microsoft製品です。

Exelでは日々の勤怠や給与計算などに必要なデータの管理、wordは社内外で使用するあらゆる書類の作成、Powerpointはグラフや表を用いたプレゼン資料の作成などどれもビジネスに欠かせない役割を担っています。それは人事職であっても例外ではないのです。

MOSの資格を取得しておく事も有効

上記に挙げたようなMicrosoft製品にはMOSと呼ばれる国際基準の資格制度が設けられており、取得しておくと即戦力としてのアピール材料として活用する事が可能です。筆記試験だけでなく実技試験も行われているので信頼性の高い資格となっています。基本的には各ソフトで「スペシャリスト(通常)」「エキスパート(上級)」のレベルが設定されていますが、一般的な事務職ならスペシャリストを取得しておくだけでも十分にアピール可能でしょう。

持っていると有利になる人事に必要なスキル3:基本的なビジネスマナー

基本的なビジネスマナーは社会人共通の必須スキルと言えますが、様々な人と接する機会の多い人事では特に重要と言えるでしょう。

例えば採用計画を立てるにあたって上司の意見を聞く際に、失礼な言い回しや行動を取ってしまうと円滑なコミュニケーションが難しくなってしまいます。また、社内の人間だけでなく外部機関の人とやり取りする際にもビジネスマナーは不可欠です。人事は社内だけで仕事が完結しているイメージが強いかも知れませんが、求人広告の掲載や勉強会のあっせんなどでは積極的に外部と連携を取る場面もあります。

また、応募者から見れば面接時に担当してくれる人でその会社の印象が大きく変わります。入社後に良好な関係から仕事をスタートさせる為にも、採用試験を受けに訪れた応募者に対してビジネスマナーを持って接する事は重要です。

持っていると有利になる人事に必要なスキル4:人を観察するスキル

人材を採用したり人を育てるという事はその人の良い所・悪い所を的確に見抜く事が重要になります。人材育成を担う人事にとって、人を観察するスキルは常に磨いておきたい技術です。

採用・育成した人物が思うような結果を出すことが出来なければ、企業業績を伸ばす事は出来ません。また、上手く潜在能力を引き出してあげる事が出来たとしても、その人に適したポジションを用意してあげられなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。人を見る目は従業員と企業の成長に直結するポイントなのです。

「人を見る目」を養うには

しかしこうした「人を観察するスキル」というものには、明確な指標や資格がありません。おいそれと身に付けようと思っても、一朝一夕にはいかないでしょう。日頃から人をよく観察する癖を付けて、良い所・悪い所・改善策を頭の中で考えてみると良い訓練になります。

持っていると有利になる人事に必要なスキル5:労務に関する知識

人事と労務の仕事は密接な関係にあり、企業によっては仕事の領域が双方にまたがっている事も珍しくありません。その為、入社前の労務関係の知識を勉強しておく事で仕事に馴染み易くなる事があります。

労務の専門的な知識は人事にとって必須ではないものの、実際の業務や専門知識を覚える際の手助けになる事は十分有り得るでしょう。特に社会保険や雇用契約、税金関連の知識は人事志望であっても関わる事が多い労務関係の知識なので覚えておいて損はないと言えます。

実際のところ、どの程度まで労務の知識が必要になるかは入社してみないと分からない部分が大きいです。しかし労務の知識は体系的まとめられた書籍や情報サイトも多いので、入社まえに出来る範囲で勉強を進めておくと良いでしょう。

持っていると有利になる人事に必要なスキル6:秘密保持に関する知識

新入社員の採用時に提出してもらう書類や社会保険などの労務に関する書類など、人事では従業員の個人情報を頻繁に取り扱う事になります。個人情報の漏洩は自分だけの問題ではなく、企業が社会的信用を失う一大事になり兼ねません。従って秘密を守る為の知識や立ち回りなどは人事にとって重要なスキルとなります。

重要な書類の保管方法や整理整頓など情報の取り扱い方や、処分する際の適切な方法、パソコンから情報を流出させない為の術などを知識として身に付けておくだけでも機密情報に対する心構えが違ってくるでしょう。また、普段から人と会話する際にうっかり話題として個人情報や機密情報を出してしまわないように気を付ける習慣付けも重要です。

持っていると有利になる人事に必要なスキル7:情報を幅広く収集する能力

採用計画に沿って人材を登用する事は人事の重要な仕事の一つですが、その際にどんな人材を会社に向かえ入れるべきかを把握する情報収集能力もまた重要視されるスキルです。情報元は会社の経営陣であったり業界の市場状況、社会的なニュースや風潮など多岐に渡ります。会社の指針に留まらず世間にも目を向ける事で、より一層マクロな視点からニーズに見合った人材像を見出す事が出来るようになるでしょう。

こうした情報収集能力を活かして面接時に業界動向やトレンドになっているような社会のニュースを話題にする事で、応募者の業界に関する関心度や社会的な視野の広さを推し量る事も出来ます。常にアンテナを張り巡らせて多様な情報を仕入れる事は、人事としてのセンスやスキルを磨く事に繋がるのです。

持っていると有利になる人事に必要なスキル8:制度やイベントなどの企画力

従業員を適切に評価する制度の策定から採用活動における説明会、入社後の研修・勉強会などのイベントに至るまで人事が計画・実行の中心となる業務は多岐に及びます。これらの業務をスマートにこなす為には、制度やイベントを組み上げる「企画力」が重要になるでしょう。

必要な要素を洗い出し、それらを穴の無いように組み上げる企画力があれば大きな仕事を任される機会も多くなります。受身で言われた仕事をこなすだけではなく、積極的にアイディアを出して物事を作り上げていく事が好きな人は人事部で重宝されるのです。

プライベートで普段から旅行や遊びの計画を立ててみたり、話し合いの場で積極的にサジェストして適性を高めておくのも良いでしょう。

持っていると有利になる人事に必要なスキル9:コミュニケーション能力

面接や教育・育成など人を指導する立場になるシーンが多いので、自分の言葉に説得力を持たせるだけのコミュニケーション能力を身に付けておくと仕事がスムーズになります。相手の言葉を正確に解釈し、自分の言葉に論理性を持たせるというコミュニケーションの基本を押さえておきましょう。

また、部署内で仕事が完結する事は少なく、問題がある部署への確認や書類の引き継ぎなど多方面との連携が必要になります。特に早急な修正が必要な案件であれば、事の重大さや自分の要求を正確に伝える事が重要です。

コミュニケーション力の活用先は人と関わる場所全て

コミュニケーション力が活きるのは社内でのやり取りに留まりません。例えば採用活動に於いては質疑応答で応募者の本質を見抜いたり、時には緊張をほぐしてあげる事も重要です。外部の取引先と正確な情報を共有する事は、納期を遅らせない為の基本とも言えます。仕事で関わる人間の数が多いからこそ、コミュニケーション力の高さは大きな武器となり得るのです。

人や労務への興味も大切!未経験から人事になるための志望動機のポイント

未経験者へも門戸が開かれている職種ではあるものの、やはり採用試験時に重要となるポイントは押さえておきたいところです。人材採用に於いてその人が業界・職種未経験者の場合は特に「志望動機」が重要視される傾向にあります。

人事の志望動機として押さえておきたいポイントとしては「人と関わる事が好き」「労務に興味がある」「人材育成に興味がある」の3点です。人と関わる事が好きな事に加えて人事と密接な関係にある「労務」に対しての興味を示しておく事で、職業に対する関心の高さをアピール出来るでしょう。「ゆくゆくは人材育成にも携わりたい」という思いを伝える事で、長期間に渡って働く意思やキャリアパスに意欲的である事を訴えられます。

志望動機で注意したいポイント

注意しておきたいのは「従業員を評価する立場になりたい」という1点を強くアピールしない方が良いという事です。確かに人材評価は重要な業務の一つですが、様々な業務の上に成り立つデリケートなタスクと言えます。人を評価したいという志望動機は、場合によっては自分主体で一方的な人物像に映ってしまうので避けた方が無難です。

未経験から人事として採用されるための志望動機例1:全くの未経験の場合

人事に関連性のある職歴がなく全くの未経験の場合でも、諦めてしまう必要はありません。例としてコールセンターでアルバイトしていた人が、人事に応募する為の志望動機を見てみましょう。

「前職ではコールセンターに勤めており、多くのお客様と接するうちに人とコミュニケーションを取る事に深い興味を持ち、人事の仕事に就きたいと思うようになりました」

上記の例では人とコミュニケーションを取る事で興味を持った事を示しています。未経験者の志望動機では「何故この仕事に興味を持ったのか?」というポイントが掘り下げられる事が多く、質疑応答と併せてそこから応募者の人となりが推察されるのです。

直接対面ではないにしろ、「人と話す」という共通項から話題を広げている事にも注目しましょう。

未経験から人事として採用されるための志望動機例2:前職がバイトリーダーの場合

前職でバイトリーダーを任されていた場合には、以下の様な志望動機でアピールしてみましょう。

「前職ではファーストフード店で働き、バイトリーダーを任されていました。リーダーとして後輩の面倒を見ているうちに、育成や教育に携われる人事という仕事に興味を持ちました」

バイトリーダーというポジションは様々な仕事で設けられているので、比較的該当する人も多いでしょう。ここでアピールしたいのは「育成や教育に携わる」というポイントです。人事としてキャリアを積んでゆくゆくは企業の行く末を担う人材登用に取り組みたいという意欲的な姿勢を表しています。時間に余裕があるなら、指導した後輩スタッフはどんな事が出来るようになったのか、どんな実績を残したのかを具体的に伝えるのも良いでしょう。

未経験から人事として採用されるための志望動機例3:前職が接客業の場合

人と接する仕事の代表、接客業から人事を目指す際の志望動機も確認しておきましょう。

「前職では居酒屋で働いていました。お客様や先輩、同僚とのコミュニケーションの中で働いているうちに、人と触れ合う喜びに気が付きました。人事の仕事でも前職で培ったコミュニケーション力が活かせると思っております」

接客業も比較的アルバイトなどで経験のある人は多いのではないでしょうか。ここでは人事で重要視されるコミュニケーション力について、前職で培って来た事で即戦力であるとアピールしています。また「人触れ合う事が嬉しいと感じる」という一文から、人事の仕事に対して既にある程度のやりがいやモチベーションを持っているというポイントも押さえておきましょう。

未経験から人事として採用されるための志望動機例4:前職が一般事務の場合

一般事務職から転職を試みる際には、以下のように志望動機を組むと有効です。

「前職では一般事務をしておりました。しかし、より一層能動的に会社に貢献したいと思い人事を希望しました。事務作業は得意であり、データ入力の正確性には自信があります。人事は未経験ながら、真摯に取り組んで参ります」

「前職での仕事に満足していなかった」という向上心のアピールから入っています。積極的な企画力やコミュニケーションが必要とされる職場への転職で、より一層自分を高めて「会社に貢献したい」というのもポイントです。企業は応募者がどのようにして自社に貢献してくれるのかを気にしています。具体的なプランがあればこのように伝えてみましょう。事務作業の正確さを培って来た事もしっかりアピールしています。

未経験から人事として採用されるための志望動機例5:前職が営業事務の場合

最後にサポート的な立ち回りが人事と共通する営業事務からの志望動機です。

「前職では営業事務を担っており、営業がより仕事をしやすくなるような工夫を施していました。営業のサポートがうまくいき感謝された際、会社の制度や環境を整える人事という仕事に興味を持つようになりました」

労働環境の整備という、労務よりな業務内容から人事への興味を持った経緯が示されています。労務への興味・関心もまた人事の仕事に就く上で大切なポイントなのでアピールしておくと良いでしょう。また、前職での成功事例が人事への興味につながっているというポジティブな志望理由も、採用担当者の目には「やりがいを感じて仕事に取り組んでくれそうだ」という風に映ります。

人と接するのが好きな人は適正あり!未経験でも人事はおすすめの職種

人事が取り扱う業務内容は実に多彩で、労務の管轄との境目は時と場合によっても異なります。しかし企業によって人事が受け持つ仕事の幅には多少の開きがあるものの、「コミュニケーション力」や「人を観察するスキル」が重要である事はどの会社でも同じです。

どちらかと言えば経験者が有利な場面もあるものの、人事職の採用にあたっては「専門性の高い知識やノウハウは働きながら覚えてもらえば良い」という企業も多く実務経験の有無はさほど重要視されません。未経験であっても人と接する事が好きな人や、人の成長を後押ししたい・見守りたいという人は人事に適性があると言えます。やりがいを感じられる仕事となる可能性は高いので、未経験だからといって臆せず興味があれば人事の仕事を探してみてください。




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RUN-WAY編集部

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