豊富な海外経験を生かし、新しい生き方のきっかけとなる旅をコーディネート!【Nueva Vida/前原未季さん】

前原未季




9.11が起き、アメリカへの修学旅行に行けなくなった

学生の時は活動家と言われるくらい、休みのたびに海外に行っていました。地元の宮崎は外国人が少なくて、陸の孤島と言われるくらい情報不足で、昔から海外への憧れもあり、英語も好きだったんですが、17歳の時に9.11の米同時多発テロが起きたんです。それでアメリカに行く予定の修学旅行が北海道になっちゃって。

 

海外志向が強かったので大学も本当は海外に行きたかったんですけど、家庭の事情でいけなくて。それで、大学に実家から通えるという強みを生かして、アルバイトしたお金を全部海外につぎ込んだんです。初めての海外が、18歳で誰にも頼らずに行ったカナダでした。

 

一人で調べて、語学学校の高額なお金をネットで振り込んで、広いアメリカの空港で乗り継いでって本当に怖かったんですけど、そこで誰かに頼って斡旋業者にお金を払っていたら人生変わっていたと思っています。カナダでは、公民館の無料の英語クラスに行ったらイラクから亡命してきたという人がいましたし、いろんな人種の人がいました。こんなに多様性の豊かな世界があるんだっていうのが初めて行った国での衝撃でしたね。

 

世界各国で、多様性や不公平さの現実を肌で感じた20代

前原未季

カナダの後は、地雷廃絶と被害者支援に取り組む地元のNGOのスタディツアーでカンボジアに行き、地雷原に行ったり、前日に地雷を踏んで片脚を失った人に病院で会ったり、ゴミの山で暮らすストレートチルドレンの様子を目の当たりにしたり。生まれた場所が違うだけでなんでこんなことが起きてしまうんだろう、ということを間近に感じました。

 

その後も、どうして世界にこの不公平さが生じるのか、自分は何ができるんだろう、という視点でタイ、アフリカのマリ共和国とかでもボランティアをしたり、環境先進国のドイツに学びに行ったりしました。大学卒業後も、巨大な組織で、お金の流れが見えずに、自分がどんな仕事をしてるのかが見えにくい大企業で働くことが怖くて就職はせず、宮崎の小さなフェアトレードのお店で働いていたんですが、25、26の頃、宮崎のNGOの農業を支援するプロジェクトで1年半インドに行きました。

 

NGOって就職したいと思っても未経験者はとってくれないので、経験値がないのに行けるってすごいチャンスだったんです。インドには、日本が経済的成長と引き換えに失ってしまった豊かさがあって、それを見ることで日本のローカル、地域にこそ可能性があるという視点を持つこともできました。

 

ペルーの博物館で案内したのは、アメリカ元大統領の・・・!

インドから戻った後は、1年半ほど宮崎で地域活性化の仕事をしていたんですけど、ペルーにある考古学博物館「天野博物館」のボランティアガイドを募集しているという話を人から聞いたんです。英語はしゃべれる自信があったし、次はスペイン語を勉強したいと思っていたので、2012年の冬、28歳の時にペルーに行きました。

 

ボランティアなので渡航費も給与も出ないんですけど、住む場所と食べるものはあって、自由な時間も結構あって。日本から持って行ったお金はすぐになくなったんですけど、有名な博物館のボランティアという肩書きなので、ボランティアしていると言うことで、現地の日本人の方々によくお世話になり、いろんな要人の方にも会いました。

 

ある時、名前も聞かされず、 VIPを案内してくれと頼まれ、すごい厳戒態勢だなと思ったらアメリカのクリントン元大統領が突然来たんです。それで私が英語で案内することになっちゃって、「私が!?」とびっくりしながらも1時間くらい案内しました。ほかにも、当時の外務大臣の岸田文雄さんや、そして秋篠宮ご夫妻などもいらっしゃいました。ペルーが1番楽しかったですね。




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RUN-WAY編集部

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