人事を幸せにすることで、学生が本当に幸せになれる採用を応援したい!【人事コンサルタント/四宮雅子さん】

四宮雅子




忙しい人事に本来行うべき仕事をしてもらいたい

企業の人事コンサル・研修をメイン事業としているライトマップで、人事・リクルーター向けの研修や、インターンシップの企画・運営のコンサルテーションなどを行う他、フリーランスの人事として複数企業の人事を担当しています。

今の仕事をするまでに約8年間、人事で採用の業務をメインにやってきた経験と、仲の良い会社の人事メンバーを見ていても、人事って多忙だなって実感しています。特に新卒の採用をしている方は面接だけではなくて、様々なイベントに出たりインターンシップを開催したりと、本当に休みなく動いている人も多いんですよね。

そんな中で幸せな採用ってしにくいなって思って、一番大事な学生と本気で向き合うところに時間を割いて欲しいって思ったので、それ以外の部分で自分や弊社の知見が活かせるところは時間をかけずに一緒にやって、本当に時間をかけるべきところにかけてもらいたいって思っています。

最近、オワハラとかがニュースになったりしていますが、そもそも学生のことを本気で向き合えてないからそんな言葉がでると思うんですよね。例えば自社に向いていなかったり入社しても幸せにならないって思っている学生を採用するのって違うと思っています。そこをちゃんと考えて見極めて、学生と正しく向き合い、根っから「この会社だ」と思える子を採って欲しいな、と。

人事にとっても学生さんの未来にとっても本質的で幸せな就活になってほしいし、就職って一つの大きな分岐点だと思うので、そのお手伝いができるのは嬉しいですね。

四宮さんが考える、美しい採用の形、とは?

四宮雅子

私が今の仕事をしたいって思った背景に、人事時代に見てきた就活で疲弊して思考停止状態になっている学生が案外多いなって思ったことなんですよね。各社の人事は自社に採用したいから色んなことを言うでしょうし、様々な会社からラブコールをもらうのは素晴らしいとは思うんですが、学生と人事って立場も経験も違うから、もっと本質的に関わって、人事が学生の本音を聞いて一緒に整理してあげて、その学生のことを思って結果自社に入ることが幸せだって思えたら双方にとって美しい採用だと思うんですよ。

よくあるのが、面接でやりたいことを聞かれるから、学生が一生懸命答えを作っちゃうとか。例えば、社会にインパクトのある事業をつくりたい、とか言う子に「なんで?」と聞くと、実は何もない。なんとなく受けの良さそうなワードを選んで話しているうちに自分でもそれがしたいって信じちゃってる。そうじゃなくてもっと本音で「やりたいことがわからないけど成長したい」とか「やりたいことができた時のために力をつけたい」とか素直でいいと思うんですよ。でも、学生はそれでは許されない風潮を勝手に感じちゃっている。そこを学生が言ってる言葉だけで判断しちゃうんじゃなくて、なんでそう言っていて、本当はどう思っているのかをひも解いていく感覚だと思います。ぶっちゃけ、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、まだ仕事なんてやったことないんだから、強烈な原体験とかがなければやりたいことなんて明確にあるわけないと思ってますし(笑)

そんなことを各社の人事ができたら、答えを無理に作らなくてもよくなるじゃないですか。どうなりたいのか、それはなぜか、というところを掘り下げて聞ける人事が増えてほしいと思ってやっています。これには学生との信頼関係の構築から必要だから時間もかかる。でも、だからこそ本質的に必要な学生と関わる時間に重きをおけるお手伝いと、そのやり方を色んな人事の方々にお伝えできたらと思っています。

営業職から人事へ、最初の転職の理由は?

四宮雅子

就職する時、大学時代に学んでいた福祉の道とも迷ったんですが、福祉は歳を重ねた後でもできるなと思ったので一般企業を選びました。人に関わる営業をやってみたかったので、クリエイティブ業界に特化した人材エージェントに入社し、4年間営業をやりました。

面白い仕事だったんですが、私は元々自立願望が強くて、ずっと働いていたい。そのためにはもっとスキルをつけたいって思い、その当時に流行り始めていたモバイルゲームの会社に人事として転職しました。人事は初めてだったので、多くの経験をしたいと思い、ちょうど会社がこれから採用活性化されるタイミングだったことと、当時社員が300人未満で社内全員の顔と名前がわかる規模だった点で、入社を決めました。

当時は、中途採用担当としての入社だったのですが、最初の3ヶ月中途採用としてエンジニア採用を行った後は、新卒採用を任されることになり、その後はメインで新卒を担当していました。特にエンジニアの採用がメインだったので、まずは社内で活躍しているエンジニアの協力を得るために、各人の性格や技術に向き合う姿勢など、共通項を洗い出すところから始めました。

そのために、エンジニアの人たちにたくさん話をさせてもらいましたね。正直すごくクセのある人ばっかりでした(笑) エンジニアそれぞれの好みの連絡手段や話しかけ方や話題など、一人一人のキャラクターに合わせたコミュニケーションを心がけてまず仲良くなるところから始めました。最終的にはみんなすごく協力してくれて、色んな社外イベントに一緒に行ったり、自社でも開催したりと、とても濃い経験ができました。私は開発ができるわけではないので、社内の協力体制を仰ぐことで結果学生含め、候補者の方に正しい情報を伝えられると思っています。

今の私があるのは「段違いに大変」な経験のおかげ

エンジニア採用は社内の人の協力もあり、とてもうまくいっていたんですが、当時自身の総合職の採用に弱みを感じていたことと、もっと小さい規模で会社全体に影響を与えられる採用がしたいと思って、マーケティング会社の人事に転職しました。初めて社長とお会いした時に本当に目標が高く、本気で採用を行っているところに惹かれ入社したんですが、入ったら思った以上にめちゃくちゃ大変でした(笑)

30人未満の会社だったので社長含め役員が採用にがっつり関わっていましたし、高い要求を自分でこなさなくちゃいけないので、それまでと比べても段違いに大変でした。でも、新卒採用では、内定を出す前に数十回も学生と会い、その子の人生をソラで語れるくらい向き合えたので、すごく学ぶことが多かったです。新卒採用以外にも、中途採用、労務など様々な経験をさせてもらい、今の私を作ったのはここでの経験が大きいとも思っていますね。

その後は、半年間フィリピンとオーストラリアに留学に行きました。唐突な流れだと思うんですが、前々から行きたかったんですけどいろんな事情で行けなくて。でもこの頃、ありがたいことに多くのオファーをいただいていて、少しくらい日本にいなくても戻ってお仕事できるな、という自信がちょっとあったので踏み切りました!

留学は素敵な体験ばかりで、いろいろな人と出会って価値観が広がったし、何歳になってもなんでもできるなと改めて思えるようになりました。でも、留学中もなんだか仕事がしたくなっちゃって、結局は仕事が好きだなって思いました(笑)

好きな人たちと働いて、自分の強みを高めていきたい!

留学でいろんな人と会ったことも影響して、帰国した頃には、「好きな人たちと働こう」と決めていました。自分ができることや、自分が関わって良い方向になるものがあるんだったら、いろんなことをしていこうと思ったんです。なので、前々から声をかけていただいた会社などをフリーで手伝うようになりました。

あとは、得意なことを伸ばそうって思えるようになりました。私はもともと苦手をなくそうって意識が強かったんですけど、いろんな人と仕事してるとみんなそれぞれに得意と苦手があることを今更改めて認識して、だから一緒に仕事するんだなって思ったんです。

だから、これからもどんな形であれ、ずっと自分の強みを活かして好きな人たちと働いていたいし、結婚や出産などすることがあっても、常に社会に対して自分もちゃんと貢献したいなと思うんですよね。

奢らず、卑下せず、素直に、を心がけて

四宮雅子

これまでの人事の仕事で、未経験でスキルのない人にもたくさん会ってきましたが、そこで感じてきたのは、ちゃんと信頼できる人を見つけて相談して、まずはやってみるのが大事だな、ということです。そういう意味で、RUN-WAYの”おしごとスタイリスト”という言い方が、すごく好きなんです。

例えば、飲食とか販売をやって来た人は、オフィスワークでは自分が何をできるかも知らないし、何をした方がいいかもわからなかったりすることが多いですよね。なので、まずはどうなりたいかをプロに相談して、何をしたら未経験でも自分の目指すものが出来るのかを知って、やらなくちゃいけないことがあるなら真摯に受け止めて、チャレンジして欲しいと思っています。

実際、未経験から活躍した人にもたくさん会ってきたので。奢らずに、でも卑下せずに、そして素直に、どうやったらやりたいことに対して前進できるかを考えながら一歩ずつ進んで欲しいなと思っています。

 

<プロフィール>

四宮雅子

2006年、人材エージェンシーに入社、その後人事として転職し、新卒・中途採用、インターンシップの企画・運用、子会社設立時の採用などを経験した後、ライトマップに参画。またフリーの人事として複数社の人事も行う。

趣味はお酒と旅行。「実はちょっと人見知りなんですが、旅行先では平気なんですよね。旅先の屋台で会った現地の人と一緒に飲んだり、泊まった宿のご夫婦と朝まで飲んじゃったりしました(笑)」

ライトマップ https://www.rigtmp.com/




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RUN-WAY編集部

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