交響曲だけど協奏曲?ラロのスペイン交響曲【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




第1楽章 Allegro non troppo

ヴァイオリニストが一番苦労するハイポジションスタートの冒頭はここで観客の心を掴めるか全てが決まる、というプレッシャーポイントでもあります…音階の上昇と下降が目立ち、ヴァイオリンが高音で歌い上げオーケストラが爆発的に押し上げてくるような情熱的な楽章です。

第2楽章 Scherzando Allegro molto

可愛らしいリズムに乗ってまるでスペインでのお祭りのシーンが再現されているような賑やかさがあります。

第3楽章 Intermezzo Allegro non troppo

しばしば省略されがちの3楽章ですが、音域が広くとても派手でヴァイオリン独奏がより映える楽章でもあります。低音が鳴り響き民族風の独特なリズムでまた新しい妖艶な雰囲気が作り上げられています。

第4楽章 Andante

オーケストラの悲愴感に包まれた場面に引き続き、独奏ヴァイオリンも悲しみを含んだ旋律を奏でます。スペイン風の旋律も特徴的です。まるで古い映画のワンシーンを見ているような錯覚を起こしそうです…

第5楽章 Rondo Allegro

遠くからパレードがやってくるような冒頭から始まり、ヴァイオリンがハイテンポで明るく歌い上げます。跳躍したり弦をはじいたりと耳も目も楽しめる楽章です。(弾く方は大変ですが…!)全体を通してこの5楽章が1番華やかで技巧的です。

いかがでしたか?全楽章を通してとても情熱的ですが、垣間見える繊細さとのギャップにまた魅力を感じますね。次回もお楽しみに!

 

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<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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RUN-WAY編集部

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