パガニーニの超絶技巧練習曲「24のカプリス」その5【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




18番 Corrente



G線のみで、ホルンのような温かみと厚みを持って伸びやかに演奏される冒頭は、ヴァイオリンの音色を聴いていることを忘れさせるようです。その後3度の重音でスタッカートをしていき、またホルンを聴いているような旋律で締めくくられます。

19番 Lento-Allegro assai



可愛く跳躍するような箇所を経て、中間部はG線のみで演奏することと指定されており勇ましく活発な旋律が現れます。

20番 Allegretto



田園風景のようなほのぼのとした雰囲気で始まります。D線の開放弦は、まるでバグパイプの音を模しているようです。音階のパッセージはスタッカートで弓を飛ばしながら演奏します。

いかがだったでしょうか?“G線だけで演奏する”となると高音を出すためにハイポジションで演奏することになり、さらにハイポジションを押さえるため指を押さえる幅が狭くなり正確な音程を取るのに苦労するのです…それをいかに涼しい顔をして演奏できるかも演奏者の実力のうちだったり…!?
次回もお楽しみに!

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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