「『好き』よりも、自分にとって『切実なこと』を仕事にしなさい!」アドバイスした先輩の真意とは【ライター/北条かや】

切実なこと




「好き」だけではしんどくなってくる

「研究テーマ(仕事)は、好きなことより『切実なこと』にした方がいい」という先輩の言葉を自分流に解釈すると、次のようになります。

 

たとえば、「自分は花が好きだから」と、花屋さんになったとします。最初は「好き」だけで楽しく仕事ができるかもしれませんが、前回も書いたように、「好き」だけでは次第にしんどくなってくる。売上(お給料)が上がらない、人間関係が煩わしいなど、大変なことはたくさんありますよね。

 

そんなときに、「自分は『好きなことを仕事にしたんだから、嫌なことも我慢しなくては』」と耐えていると、自分の感情を無視するような状態になって、非常によくない(しかも、好きなことを仕事にしている人ってキラキラしている印象がありますから、いつも笑顔でいないといけない感じがして、それも私は苦手です)。

 

愛情と憎しみが半分ずつ

一方、「切実」は「好き」より、もうちょっとテンションが低めな感じ。自分にとって身近で、こだわってしまう対象です。

 

「好き」という言葉からは、前向きで華やかな感情が伝わってきますが、「切実」は違います。

 

愛情と憎しみが半分ずつくらいで、それに悩まされることも多いものやこと。「切実な問題」という表現があるように、その対象について考えていると、悩んで辛くなってしまうこともしばしばです。「好き」よりも、そういう対象を仕事にした方がいいと、当時の先輩は言ったんですね。

 

「切実」だったからやり続けている?

たとえば私はお笑いを見るのが好きですが、「これから一生、お笑いを見てはダメ」と言われるより、「これから一生、文章を書いてはダメ」と言われる方がイヤです。そう言うと、「好きなことを仕事にしたんですね」と言われることも多いですが、ちょっと違うんですね。

 

「文章を書くのが好き」だったから仕事にしたというよりは、胸の内を文章にあらわすことが自分にとって切実な問題だったから、やり続けているのだと思います。

 

だから、今の仕事は好きだけど、ツラい。ツラいけど、自分にとって切実だから書いてしまう。どれだけ批判されても、「文章を書くことをやめよう」とは思いません。




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RUN-WAY編集部

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