挫折経験が武器!青少年を支えるスクールソーシャルワーカーのシゴト【美濃屋裕子さん】




自身が悩んだ経験から、臨床心理学の道へ

じつは、私自身これまで人間関係にかなり悩まされた経験があります。通っていた高校は進学校だったのですが、あるとき私がテストで良い成績をとると、翌日机のなかにゴミが入っていたりして……今となっては流せることですが、当時は世界が終わったようにショックも大きくて。それから学校も休みがちになり、一時期は中退することも考えました。そんな経験のなかで、いじめる子の気持ち、やられる子のケア、そして周りの大人の心理など、人間の心について興味を持つように。その結果、大学では臨床心理学を学ぶことにしたんです。

その後、「将来心理職に就きたいのなら、働いてみたうえで学んだことや、悩んだことがかならず力になるから。社会に出て、子育てなどもして、20年経ってから戻ってきなさい」という大学教員の言葉に納得したこともあり、医薬品の大きな会社に女性初の総合職として新卒入社。でも、ずっと机に座って数字と向き合い続ける仕事が合わず、そのうえ伝統的な男社会の風潮が残る会社になかなか馴染めませんでした。女性総合職という存在に反発心を持つ人からの風当たりも強く、プレッシャーも感じていましたね。周りに相談できる人もいなかったので、今思えばうつっぽくなってしまっていたのだと思います。精神的にもしんどくなり、結局辞めることに。だけど、会社としてかなり気合を入れて教育してもらえたのは、社会人としてかなり貴重な経験でした。

ともによりそってくれる人の大切さ

転職後は、食品系の会社で営業を担当することに。情報収集をして戦略を練り、うまく話が進んで顧客を開拓できるのがすごく楽しくて、新人としては評価をしていただけたとは思います。

その会社で一緒に組ませてもらった先輩には、本当にお世話になりました。私は前の会社で傷ついた経験があったため、入社してすぐのころはかなりひねくれていたんです。でも、その方は叱咤激励してくれて。何度もご飯に連れて行ってくれたり、グチを聞いてくれたり……決して優しい言葉をかけられるわけではなかったけれど、しっかりと向き合ってくれたことがかなりうれしくて。一人でもそういう人がいてくれれば、何かを乗り越える力がぐんと上がるんですよね。そのことがきっかけで、見守り、よりそってくれる人がいることの大切さに気付けました。今の仕事を始めるときも、その先輩からもらった「やりたいことを仕事にしろ」という言葉に背中を押されましたね。今度は、私が誰かによりそえる存在になっていきたいと思いました。




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RUN-WAY編集部

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