長さも忘れるドラマチックなエルガーのヴァイオリン協奏曲【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠

こんにちは、ヴァイオリニストのハルカです♪

エルガーについてのコラム、今回はエルガーのヴァイオリン協奏曲についてです!
初めて聴いたときの感想としては、とにかく長い!!!
前奏もとても長く「いつヴァイオリン独奏が始まるのか…これは実は交響曲で私は聴くCDを間違えたのか…」と思ったほどでした。(笑)
数あるヴァイオリン協奏曲の中で一番長い曲と言われています。
しかし長いからといって飽きることなく物憂げな導入のオーケストラのメロディやドラマチックな展開に心を掴まれ気づけば最後まで聴いてしまっている…そんな曲です。

エルガー / ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61

1910年に作曲された、3楽章構成の曲です。

1. Allegro

前述にある通り、前奏が長い!ちなみに前奏は3分ほどですが、奏者は3分間舞台の上で待っていなければならないという…緊張で舞台袖に帰りたくなりそうです(笑)
しかし、オーケストが盛り上がりを見せたあとその余韻の中にヴァイオリンが浮かび上がってくる瞬間は鳥肌が立ちます。語りかけるような情熱と、緩やかさと急さが絶妙なバランスで思わす聴き入ってしまします。

2. Andante

嵐が過ぎ去ったかのような静寂と温かさに包まれた楽章です。1楽章と3楽章の音数の多さに比べて音の数は少ないですがそこが聴かせどころです。凛とした澄み切った高音や、伸びのある音をビブラートでどう生かすかなど、奏者の想いが特に込もっているはずです。

3. Allegro molto

この曲の中で一番高い技術を必要とされる楽章です。ものすごいスピードで高音に達する音階調の旋律やエルガーが考案したというビツィカート・トレモロが張り詰めた雰囲気を作り上げています。煽られているような緊張感もありつつ、どことなく慰めてくれるような、涙が出そうなメロディがあるのも飽きさせないポイントだと思います!
この長い曲を締めくくるのに見合う壮大な終わり方です!

いかがだったでしょうか?
とても技巧的で、聴いていてもその難易度の高さや音符の多さが可視化されてきます…なかなか生で聴く機会はないですし、録音を残してきたヴァイオリニストも他の楽曲に比べたら少ない方だと思います。私もいつか生で聴いてみたい、そしてオーケストラと共演してみたい曲のひとつです。
次回までエルガーについてのコラムです、お楽しみに!

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。


月元悠