ギターの音色からスペインを感じる!アランフェス協奏曲【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




第2楽章 Adagio

イングリッシュ・ホルンで始まる冒頭の旋律が哀愁漂い、またどこか懐かしさを感じさせる旋律です。情熱的なギターの独奏を経てオーケストラの波が押し寄せてくるところがなんともエモーショナルです。この楽章での旋律がポップスなどにも編曲されており、幅広いアレンジで演奏されています。とても有名なのがアメリカのミュージシャン、チック・コリア作曲「スペイン」では彼自身の楽曲にこの楽章の旋律を引用していることです。クラシックに疎い方でも、耳馴染みがあるでしょう。

第3楽章 Allegro gentile

可愛らしいリズムで始まり、オーケストラとの掛け合いがギターの音色を際立たせているように感じます。速度記号のgentileは《穏やかな》という意味ですが、この楽章はスペインの平和を願って作られたと言われています。

オーケストラとギターの音量問題

この楽曲に限られたことではないのですが、やはりクラシックギターはオーケストラをバックにすると生音では音色がかき消されてしまう問題があります。そのため、難しいことですがオーケストラの音量調節や、ギターの音を通すためにクラシックコンサートではなかなかない、マイクを設置して演奏することがしばしばあります。

いかがでしたか?颯爽と駆け抜けるギターの音色が心地いいですよね。次回はスペインつながりの名曲をご紹介したいと思います。お楽しみに!

 

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<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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RUN-WAY編集部

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