大砲を使う曲!?チャイコフスキーの序曲1812年【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




序曲「1812年」


ヴィオラとチェロで聖歌「神よ汝の民を救い」に基づいた序奏が奏でられます。そのあと、軍隊の行進のようなティンパニの刻みが続きます。ナポレオンのロシア遠征が行われた年が1812年。このことからロシア軍の行進なのではないかと考えられます。また、ボロジノ(ロシア、モスクワの中の村)の民謡に基づく旋律もあります。
ホルンに始まりその他の金管楽器も反復するようにフランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」の旋律を演奏されます。ロシア民謡も現れます。そのあと、大砲が5回発射されます…!
鐘が鳴り響き、全楽器が勢いを持ち、管楽器群によってロシア帝国国歌が演奏され、大砲も轟きます。
大砲に負けず劣らずのパワフルな演奏と耳に残る旋律がとても印象的ですね。

いかがだったでしょうか?本物の大砲が使われているところを見たい!!という方、アメリカのマサチューセッツ州で夏に開催されている世界的なタングルウッド音楽祭では本物の大砲を使った「1812年」を聴くことができるそうです!余裕のある方、ぜひ聴きに行かれてみてください!次回もお楽しみに!

 

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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