最近では共働きの夫婦は非常に増えていますが、実際の割合はどうなっているのでしょうか?
また、共働きの世帯で働く女性の中には、本当は専業主婦になりたいと考えている方も少なくないようです。
この記事では、共働き世帯の割合や、共働き女性の本音・実態についてご紹介いたします。
共働き世帯の割合(年代別)
実際に共働き世帯の割合を見てみましょう。
1980年〜2019年で、共働き世帯と専業主婦世帯の数はこのようになっています。
調査年 共働き世帯 専業主婦世帯 共働き世帯比率 1980年 614万世帯 1,114万世帯 35.5% 1985年 722万世帯 952万世帯 43.1% 1990年 823万世帯 897万世帯 47.9% 1995年 823万世帯 897万世帯 47.9% 1995年 908万世帯 955万世帯 48.7% 2000年 942万世帯 916万世帯 50.7% 2005年 988万世帯 863万世帯 53.4% 2010年 1,012万世帯 797万世帯 55.9% 2015年 1,120万世帯 692万世帯 61.8% 2018年 1,219万世帯 600万世帯 67.0% 2019年 1,245万世帯 575万世帯 68.4% ※専業主婦世帯と共働き世帯(独立行政法人労働政策研究・研修機構)より
データを見ると、1980年から徐々に共働き世帯の割合が高くなっていることがわかります。
女性の大学進学率が上がったことにより、社会進出を考える女性が増えたり、バブル崩壊後に平均年収が減ってしまいその年収を女性が働くことでカバーするといった家庭が増えてきたことが背景にあるようです。
共働きのメリット
家事や育児を行いながら働くというのはとても大変なことなので、専業主婦という選択を取る女性も少なくはないですが、共働きならではのメリットもあります。
世帯あたりの収入が増える
当たり前なのですが、二人で働くことによって世帯あたりの収入が増えるといったメリットがあります。
子ども一人を育てる場合、学費はすべて国公立でも約540万、すべて市立の場合は約1,770万といったお金がかかると言われています。かなりの額がかかることがわかりますね。
かかる費用は学費だけではなく、生活費などの養育費もかかるため、さらにお金がかかってくることになります。
子どもがいる家庭で世帯あたりの収入を増やすことは、子どものためにもメリットが大きいと言えるでしょう。
子どもの自立心が育ちやすい
別のメリットとして、「子どもの自立心が育ちやすい」といった点も挙げられます。
共働きになると、母親は子どもと接する時間が削られてしまいます。
小さい頃は、それが原因で子どもにストレスを与えてしまうケースも。
しかし、普段から親がいない、いる時間が短いことによって子どもの自立心が早いころから芽生えやすいといったメリットもあります。
普段から親がいないことで、子どもが自分のことを自分でやるようになったりするので、自然と自立心が育つわけですね。
失業やリストラなどのリスクが分散する
夫・妻ともにいつまでも働けるといった保証はありません。
病気や怪我で働けなくなってしまうこともありますし、業績不振でリストラされる可能性もあります。
夫だけの収入に頼っていた場合、夫が会社で働けなくなってしまえば収入がゼロになってしまいますが、共働きの場合は妻の収入でやりくりすることも可能です。
こういったリスクを分散することが可能なわけですね。
本当は専業主婦になりたい女性もいる?
共働きのメリットをご紹介しましたが、「そうはいっても、やっぱり専業主婦になりたい!」と思っている方もいるかもしれませんね。
実際、専業主婦になりたいと思う女性はどのくらいいるのでしょうか。
以下の表をご覧ください。
「専業主婦へなりたいか」に対する回答 全体 20代 30代 40代 非常にそう思う 14.7% 23.4% 14.8% 14.3% ややそう思う 22.0% 29.8% 20.4% 21.1% どちらともいえない 23.9% 17.7% 25.4% 24.2% あまりそう思わない 21.3% 21.0% 24.6% 15.5% 全くそう思わない 18.1% 8.1% 14.8% 24.8% ※女性の活躍に関する意識調査2019(ソニー生命)より
全体で「本当は専業主婦になりたい」と思っている女性は非常にそう思う・ややそう思う合わせて36.7%と、3人に1人は専業主婦になりたいと考えていることがわかります。
年代別に見ると20代の女性では53.2%と高い傾向が見られます。
30代、40代になると専業主婦になりたい割合が低くなってくるため、長く働いているほど今のまま働き続けたいと考える女性が多いようですね。
コロナ禍によって共働き夫婦に変化はあったのか
新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務を行う人が急増しています。
自宅で仕事をすることになり、共働きの世帯には変化があったのでしょうか。
ここからは、コロナ禍によって共働き夫婦に起こった変化について見ていきましょう。
子供の世話・勉強を見ながら仕事をした女性が全体の約7割
野村総合研究所が5月末に行った調査によると、小学生以下の子どもがいる女性で、在宅勤務をしている女性の71.0%が「子どもの世話・勉強を見ながら仕事をした」と回答しています。
子育てと仕事の両立は非常に大変なことですが、コロナ禍によりこうした状況になっている共働きママは非常に多くなっているということですね。
仕事をバリバリこなしていた共働きママの中には、子育てとの両立が難しく葛藤を感じるケースも少なくないようです。
共働きママの約8割は家族みんなで過ごす大切さを再認識
「イマドキファミリー研究所2020コロナ調査」によれば、週1以上の在宅勤務を行う共働きママの82.8%は「家族みんなで過ごすことの大切さを改めて感じた」と回答しています。
家族揃って家の中で遊ぶ時間や、子どもと関わる時間の増加によって子どもとの絆が深まるきっかけになったようですね。
負担が増えた方も多いようですが、こうしたメリットを感じている方も多いといった傾向が見られます。
家事や育児時間の増加は男女差アリ
ニッセイ基礎研究所が6月末に行った調査によると、家事にあてる時間は、全体で17.8%が増加していました。
ですが、男女差が大きく、男性では9.5%〜15.1%の増加だったのに対して、女性は26.1%〜30.0%となっています。
育児時間に関しても同様です。子どもが高校生以下の家庭の育児時間増加割合は、男性で19.4%、女性では37.5%となっています。
男性に比べ、圧倒的に女性の負担が増えている傾向が見えてきますね。
まとめ
共働き世帯の割合やメリット、コロナ禍によって起こった共働き夫婦の変化などについてご紹介いたしました。
共働きをしながら家事・育児を行うのは非常に大変なことで、コロナ禍によってストレスを感じている女性や、本当は専業主婦になりたいと感じている方も少なくないことがわかりました。
ですが、共働きをすることによって世帯あたりの収入が増え子どもの養育費に充てることができるお金が増えたり、子どもの自立心が育ちやすいといったメリットもあります。
これからの働き方に悩んでいる方は、この記事でご紹介したデータとご自身の状況を照らし合わせて考えてみてはいかがでしょうか。