肥満を抑制する効果がある?!赤ワインに含まれる「レスベラトロール」って何ですか?【ワイン&フードスタイリスト/すどうみほこさん】

レスベラトロール




「レスベラトロール」とは?

赤ワインに含まれる「ポリフェノール」が体によいという話、耳にされた方も少なくないと思います。このポリフェノールは、5,000種類以上の成分の総称です。そして「レスベラトロール」はポリフェノールの一種。ブドウの茎、葉、果皮などに含まれています。レスベラトロールは、抗肥満、アンチエイジング、皮膚老化抑制、動脈硬化予防、脳神経保護、血管機能改善、寿命延長などさまざまな効果があると言われています。そこで、今回キリンR&D本部ワイン技術研究所の矢内隆章さんと、上原拓磨さんにお話をうかがいました。

赤ワインのポリフェノール、その主役は「レスベラトロール」

最初に、レスベラトロールの作用について教えていただきました。「人は血管から老いる」と言われますが、レスベラトロールは血管の機能維持に重要な一酸化窒素(NO)を産み出す作用が高いそうです。そして、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を産み出す作用も高いとのこと。今から6年前、2011年6月12日に放映されたNHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる 発見! 長寿遺伝子」の放映後はレスベラトロールのサプリメントの注文が殺到し、品切れ状態になったそうです。長寿遺伝子を活性化させるためには、カロリー制限を行って軽い飢餓状態を作るか、遺伝子活性剤のレスベラトロールを摂取するか。多くの人が、カロリー制限をして「もっと食べたい」という気持ちを我慢するくらいなら、赤ワインを飲んでレスベラロトールを摂取しようとするはずですよね。ポリフェノールのなかでも、レスベラトロールはに注目を受け、日々研究が積み重ねられています。

内臓脂肪蓄積を抑制するって本当ですか?

「フレンチ・パラドックス」という言葉、聞いたことがあるでしょうか? フランスは言わずと知れた美食の国。フォアグラ、バター、肉料理を食べることが多いフランス人が、欧米諸国の中で成人肥満率が低いことや、これらの食事内容に比例して見られる心疾患が低いことを「フレンチ・パラドックス」と言います。キリンのワイン技術研究所は、ゼブラフィッシュという魚を使いレスベラトロールを摂取させ、内臓脂肪の蓄積に関する関与の研究を三重大学と共同で行いました。その結果、レスベラトロールを与えたゼブラフィッシュは内臓脂肪の蓄積が抑制され、骨格が透けて見える状態を維持しました。レスベラトロールの摂取はカロリー制限を行うに等しいことが強く示唆されたのです。

どれだけ摂取すればいいの?

さて、このレスベラトロール、摂れば摂るほどよいのでしょうか? 矢内さんにうかがったところ、ワンドリンク(150〜200ml)を継続的に摂るのがよいとのこと。たくさん摂取すればよいというわけではなく、適量を継続的に摂取することが大事だということです。では、アルコールに弱い人や、子どもはどうすればいいのでしょう? 「意外と知られていないのですが、ポリフェノールは熱によって壊れることがありません。フランスの伝統料理である赤ワインの煮込みなども、おいしくまた健康にもよいということで意味があるんですね」と矢内さん。ひとり暮らしだから、ボトルで購入してもワインが残ってしまう、、、、、、ということもあるでしょうが、料理に使うなどして有効活用できそうです。

どの赤ワインを飲んでもいいの?

ところで、レスベラトロールはどの赤ワインにも同じように含まれるのでしょうか? 上原さんにうかがったところ、ブドウの品種により含有量に違いがあり、これまでの研究で「メルロー」や「ピノ・ノワール」といった品種に多く含まれることがわかってきているそうです。同じ品種であっても、ある研究では、ハンガリー、チェコなどのメルローにレスベラトロールの含有量が高いと発表されています。では、日本国内で見るとどうなのでしょう? ワイン技術研究所で分析した結果、長野県上田市のメルローは含有量が高かったそうです。ただし、含有量は、どのタイミングで収穫するかにもよります。「ブドウが色づくころからレスベラトロールが作られはじめます。成熟してくると最大になり、成熟が過ぎると減少してくる。このことから、収穫時により差が出てくるんです」と上原さん。

シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード メルロー 2014「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード メルロー 2014」

 

健康に関心をもつことは大切です。でも、ワインは健康のためだけを考えて飲むのではなく、食事がより美味しくなり、楽しいときを過ごすためにも飲みたいもの。そこで、このようなニーズにピッタリのメルローで造られた美味しいワインのご紹介をします。「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード メルロー2014」は、メルシャンが自社管理するメルロー主体に造られる赤ワイン。プルーン、ドライフルーツを思わせる香りや、心地よい渋味を愉しめます。

シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ 2016「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ 2016」

そのほか、これまで地域限定で販売していたロゼが9月5日(火)から全国販売されます。「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ2016」は、シラー、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンなどから造られています。ほどよい酸味のある本格的な辛口ロゼは、その美しい色も合わせて楽しめます。

適量を継続的に。健康で美味しいワインライフ、送ってみませんか?

ワインの情報:メルシャン株式会社
http://www.kirin.co.jp/company/news/2017/0822_05.html

Profil

すどうみほこ
エッセイスト/ワイン&フードスタイリスト
1968年東京生まれ。夫、娘、小型犬とともに東京在住

青山学院大学社会学情報学部ヒューマンイノベーション科修了(修士)。
明治学院大学フランス文学科を卒業後、ワインメーカーに入社。その後、フリーランスとなりワイン・食に関する執筆、講師などをして活動している。
著作に「シャンパン&スパークリングワイン」(主婦の友社)、「フランスAOCワイン事典」(三省堂 共著)、「おいしいワインの基礎知識」(KKベストセラーズ)、寄稿に「Winart」(美術出版社)ほか。
ワインアドバイザー(社団法人日本ソムリエ協会)
シュヴァリエ(フランスチーズ鑑評騎士の会)
シュヴァリエ(シャンパーニュ騎士団)
インスタグラム:オススメレストランなど食情報を発信中!
https://www.instagram.com/dessinerlasaveur/




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RUN-WAY編集部

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