リスが教える最強の肩こりのツボ「肩井」（けんせい）【指圧師／斎藤充博】

へー気持ちいい。。自分でおしているのに、けっこう深く入るんだね。

腕の重みを使ってツボに圧をかけているのだ。人間というものは、腕の重みで肩がこり、それを癒やすのもまた腕の重み。バカバカしいようだが、それもまた生命の営みの一部と言えよう。

むずかしいことはわかんないけど、スッキリしたよ。リスは毎回本当に役に立つことを教えてくれるなあ。こんな都合の良い生き物がいるなんて……。

都合の良いとはなんだ。リスの深遠なる知恵の一部に触れることを感謝せよ。

ときどき思うんだ。リスは、仕事に疲れ切った私のまぼろしなんじゃないかって。だってリスがしゃべって役に立つことを教えてくれるなんて、おかしいじゃない。

リスが幻というか。いかにも頭でっかちな人間の考えることだが、自分の目で見ているものを信じられないとは……。やはりヤマザキは疲れ切っているな。

フフ。それならいいんだけれども。これからもよろしくね、リス。明日も来てちょうだい！

はたしてリスいったい何なのか。ふと、ヤマザキの脳裏にそんな疑問が浮かびましたが、すぐに消えていったのでした。