念願の海外移住を実現!仕事と育児を両立しながら叶えたキャリアチェンジとは【清水菜穂子さん】

「やりたい」を実現するために仕事と子育ての両立に奮闘

これまで3社でキャリアを積んできました。1社目は学生時代のインターンを経て出版社に入社し、結婚後にブライダル情報誌の広告営業へ転職。出産を経て、3社目には企業の認知拡大を目指すPR会社の新規営業職を選びました。

20歳頃に経験したアメリカ留学がきっかけで、新卒の段階から漠然と「いつか海外に移住して働くこと」を目標としていました。子どもを2人出産したあとも「子どもが小さいうちから海外で生活して、経験や選択肢を増やしてあげたい」とより一層考えるようになり、それを叶えるためにキャリアチェンジをしてきました。

これまでの職場は「子育てをしながらも自分次第で工夫してごきげんに働ける」というありがたい環境だったんです。そのため「子どもを預けてでもやりたい仕事をしよう」と覚悟を決めて、20代のうちから子育てと仕事の両立を目指して奮闘しながら走り続けてきました。

両立のために延長保育やベビーシッターサービス、家族の協力を活用し、時には出張先に子どもを連れて行くこともありました。自分のやりたい仕事を実現させるために、さまざまな工夫をしていたのを覚えています。

人生の新たなステージへ。悩んだのはお金のこと

仕事面では順調にキャリア構築していく中で、プライベートでは大きな転機がありました。お互いの価値観を尊重するためにパパとは別で暮らす二拠点生活にシフトし、曜日担当で育児するという新たなライフスタイルを模索しました。

当初は家族の形を変えることに不安や葛藤があったものの、今でもパパは毎日連絡を取り合う親友のような存在です。そして、私が叶えたかった海外移住の夢を後押ししてくれる応援団でもあります。

当時、特に悩んだのは「1人で子ども2人を育てながら生活ができるのか、そして海外移住を実現できるのか」ということでした。自分で働いているとはいえ、1人で2人育てながらの生活はハードルが高く、経済面が1番不安なポイントでしたね。ただ、不安は感じつつも海外移住の夢を諦める選択肢はありませんでした。

ちょうどお金のことで悩んでいたときに出会ったのが、株式会社 SURE INNOVATION (シュアーイノベーション)に所属する女性コンサルタントです。

毎月の収支バランスを踏まえて生活が成り立つのか、子どもと一緒に海外移住するにはいくら貯めていく必要があるのかなど、現状と将来について相談しました。現実的な意見をいただけるだけでなく、叶えたい未来についてワクワクしながら、子どもたちのことにも誠実に向き合ってアドバイスしてもらえたのは嬉しかったです。

また、将来のライフプランニングをして終わりではなく、私に万が一のことがあったときの生命保険や今後の財産をつくる不動産投資なども総合的に考えて提案していただきました。相談の結果「自分1人でも子どもたちを育てていける。何かあったときも大丈夫」と思うことができました。人生の転機を迎えていた私にとって、相談したコンサルタントの存在はとても心強かったです。

お金のことは難しい側面もありますが、わからない部分は親身に聞いて壁打ちをしてくれました。目の前の生活はもちろんのこと、海外移住後の資金計画もどんどん現実的になり、不安を減らしながら夢の実現に向かうことができたと思っています。

困ったときに頼れる存在が身近にいることで安心感がありますし、心強く応援してくれる方がいてくれるからこそ、思いっきりチャレンジできたところはあったと思います。

3回目の転職活動で台湾にご縁。念願の海外移住を実現

新たなライフスタイルを確立していく際に「海外移住は35歳までに絶対実現させよう」と決めていました。本格的に海外移住を考えたのは、新たなライフスタイルをスタートしてから約2年後のことです。子どもも少し成長し、生活環境も整ってきた頃でした。

そんなとき前職で台湾支社への公募がありました。「行くなら今しかない」と思ったのですが、社内の条件的に直近では難しいとわかったんです。

社内での挑戦が難しいなら別会社で海外に行ける可能性を探ろうと思い、いくつか転職エージェントに登録。条件としてアジア圏で働けること、その国で子ども2人を育てられる年収、これまで経験してきた業務と関連性のある仕事内容を重視しました。私の英語レベルでは欧米の方と対等にビジネスをすることはハードルが高いとわかっていたので、まずは海外でのキャリア構築の一歩としてアジア圏を候補にしました。

すると、転職エージェントの1つから登録翌日に連絡が入ったんです。紹介されたのが偶然にも台湾の駐在案件でした。

台湾で生活するイメージがすでにできていたのもあって、すぐに選考を受けてみたところ約2週間でスルスルっと転職が決まって!これまでの転職経験から早くても3か月くらい、条件が合わなければ半年くらいはかかる認識でいたので、本当にタイミングとご縁だったと思います。

家族や友人、ママ友にも「いつか海外で生活したい」と言い続けてきたので、台湾への移住が決まったときには「本当に夢を実現させるんだね」とみんなが応援してくれて。ずっと言葉にしてきた夢が現実になった瞬間でした。

経験のない業務は「恥をかこう」の精神で学びに変換

転職後の現在は、日本企業の海外進出、越境ECを一貫して支援するのが仕事です。転職したのは日本企業ではありますが、会社には9割ほど台湾人の方がいて一緒に働いています。

蓄積してきた経験が活かされている部分もあれば経験したことがない仕事も多々あります。それでも、いろいろな方に話を聞いて情報をキャッチアップし、新たな学びとして吸収しつつ一生懸命やっています。

意識しているのは「恥をかこう」という姿勢です。「中国語がわからないから発言するのはやめよう」「初歩的なことを聞くのはやめよう」とは思わずに、恥をかいても積極的に行動することを大切にしています。

台湾で過ごすなかで子育ての意識に変化も

転職と移住をして1年が経ち、生活面でも変化がありました。一緒に働く台湾の同僚を見ているとプライベートをとても大切にしているんです。昼休みはみんなでご飯を食べたあとに昼寝が習慣になっていて、あまり残業はせず定時でピタッと帰るなど、オン・オフの切り替えがきっちりしているんですね。

私が日本にいたときは仕事優先で、20時前後まで子どもを預けて夜遅くまで働くのが当たり前でしたが、台湾の方から影響を受けてプライベートを大切にする意識や時間作りができるようになりました。

たとえば、会社から近いところに住み、子どもの小学校と幼稚園も家の近くにすることで毎日の移動時間が少なくなっています。その分、子どもとご飯を作る時間や向き合って会話をする時間が増えました。現地の学校・幼稚園に頑張って通う息子と娘の出来事に耳を傾け、楽しく主体的に海外生活ができるように会話の質と量を上げて接しています。

すべての出来事をポジティブに解釈。今後は子どもを軸とした自身のキャリア形成を目指したい

新たなライフスタイルを模索したことも、台湾への移住・転職も良いことばかりではなく、親子で大変なことがありました。ですが、結局どんなことも「良かったこと」と意義づけるのは自分しかいないと思うんです。ポジティブに解釈して子どもに伝えると、子どもなりに理解して一緒に前を向いて進んでくれていると感じています。

今振り返ってみると、初めての海外移住が台湾だったのもすごくラッキーでした。日本からの距離は近いし、時差も1時間程度だから日本の友達との距離も近い。日本のものも気軽に買うことができて食事面に大きな違いはありません。

英語だけでなく、中国語という武器を子どもも私も身に着けることができる。親日の方が多く、日本語が話せるパパ・ママにはいつも助けてもらっています。子どもを2人連れて海外へ移住するファーストステップとして台湾は最適だったと思います。

次のフェーズとして、私が軸のキャリア形成ではなく、子どもの成長を軸とした自分のキャリア形成を叶えていきたいと模索中です。子どもの成長段階を踏まえて自分の仕事場所を考えられるようになればいいなと。たとえば、中国語の次には英語習得のために英語圏へ、高校は日本で生活してみたいとなれば日本に帰国するなど柔軟に考えていきたいです。

そのために、ゆくゆくは40代での起業を目指したいなと思っていて。今までの仕事や海外移住の経験を活かして何かできないかと、考えを巡らせているところです。

今後、子どもたちには日本・台湾と国に縛られることなく、世界の国の中から自分が心地よい場所を見つけてほしいと思っています。私は、さまざまな経験と選択肢を子どもたちに与えられるように子育てをしつつ、新たな夢に向かって進んでいきたいです。親子で楽しみながら、いろいろな国で生活してみたいですね。

<プロフィール>

清水菜穂子

PR会社での新規営業職を経て、現在は台湾にて日本企業の越境ECコンサルティングに従事。20代で結婚・2児の出産を経験し、子育てとキャリアの両立に奮闘する。プライベートでは新たなライフスタイルを模索した後、海外移住と転職を実現。子どもたちの成長を第一に考えながら、グローバル視点でのキャリア形成を積極的に進めている。

(2025年6月取材時点)




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RUN-WAY編集部

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