今回のインタビューは、「ジョブメドレー」という、日本最大級の医療介護求人サイトを運営する株式会社メドレーで働く古畑里奈さん。
メドレーは、ジョブメドレーのほかにも医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY」、スマホで診療が受けられるオンライン診療アプリ「CLINICS」、口コミで探せる介護施設の検索サイト「介護のほんね」を運営し、医療ヘルスケア分野の課題解決に取り組んでいる企業です。
銀行からメドレーに転職した古畑さんに、転職の理由や今後のビジョンについて聞きました。
医療や介護、福祉分野の人材不足の解消を目指して
医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」は、全国で約12万の事業所様に掲載いただいており、医療介護分野の求人サイトとしての掲載数は国内最大です。
人を採用したい事業所様側としては、採用コストをできるだけ抑えたいと考えていると思うのですが、ジョブメドレーは採用決定まで費用が発生しない成果報酬モデルと、業界最安水準の職種別固定報酬システムで、安心して採用を行うことができます。
求職者様と事業所様のより良いマッチングをお手伝いさせていただくことで、間接的ではありますが医療や介護サービスの質の向上を目指しています。
本当に困っていたユーザー様からの感謝の声が何よりのやりがい
私は事業推進本部のカスタマーマーケティング室という部署で、ジョブメドレーを拡大していくために、顧客創出のためのマーケティングを担当しています。具体的には、まだ取り引きのない顧客にジョブメドレーを知ってもらい、採用ニーズをヒアリングするためのアプローチを電話やメールで行なっています。
人材不足で苦労していたという事業所様から「ジョブメドレーを使ったら数ヶ月で複数人を採用できて本当に助かりました」という感謝の声を聞いたときには、医療現場の課題解決に貢献できていることを実感し、やりがいや事業の存在意義を感じましたね。
一方で、採用はシーズンによって波があるので、同じ方法でマーケティングをしていても新規の顧客を獲得しづらい時期があるんです。なので、ただメールを打ったり電話したりするだけじゃなくて、イベントで新たな顧客に対してアプローチができないかなど、様々なチャネルの検討や提案も行なっています。実現までのハードルは高いんですけど、マネージャーから指示が降りてくるのを待つのではなくボトムアップでプレイヤー自身が考えを発信していけるという、風通しの良さはありますね。
もっとできるはず。自分の可能性を感じて考え始めた転職
大学時代は、バスケサークルのマネージャーをしたり、アルバイトもいくつか経験しましたが、シンプルな学生生活でしたね。昔から起業したい気持ちがあったので、起業家や社会人の方とつながりを広げようといろんな場に足を運んでいました。
新卒では銀行に入って、ファイナンシャルプランナーとして個人資産家への営業をしていました。日本は海外に比べると投資教育を受ける機会が少ないので、どのように資産を守っていくか、増やしていくかを知らない人が多いんですよね。そこをどう理解してもらうか、目の前にいるお客様の人生をどのように豊かに導いていくかという仕事は、責任の重さを感じる反面、非常にやりがいのあるものでした。相続税対策やお孫さんへの教育資金贈与の相談を受けるなど、お客様の人生に寄り添いながら仕事をしていました。
転職を決意したのは、自分自身の個性やスキルを生かせて 、一生続けていきたいと心から思える仕事をしたかったからです。銀行では、大きな組織の看板に守られ、社会的意義のある仕事ができていた一方で、自分自身の価値を最大限発揮できていない気がしていました。「働くことは生きること」と考えている私にとって、仕事で実現したいことは人生で叶えたいことそのものです。もっと私らしく働き、生きることができるはずと、本当に情熱を持って打ち込めることを探していました。
土台となる健康がなければ、キャリアさえも築けない
そんな模索中のある時、長年軽視していた体調面での違和感をクリアにしてから次のステップに進もうと、時間を作って病院に向かったのです。すると、すぐに治療しなければならない重大な病気ではないものの、定期的な検査と生活改善などのセルフケアが必要であることが判明しました。そこで今までの生活や働き方を振り返って、キャリアをどのように積み上げるかも大切ですが、その前提として土台となる健康がなければ、キャリアはおろか、生活全体が揺らいでしまうことに気づいたんです。そこから、女性の健康とキャリアという2本の軸で、社会に貢献できるような仕事がしたいなと思うようになりました。
その矢先に知人の紹介で知り会ったのが、メドレー代表の豊田だったんです。会う前は華々しい経歴の持ち主でどんな方なんだろうと少し構えていましたが、、実際に会ってみるととても自然体でフランクに接してくれ、純粋に日本の医療のために自分の力を尽くしたい、という話をしていて。経営者としてもそうですが、一人の人間としてすごくまっすぐな志が感じられて、こんな情熱を持った経営者の下で一緒に働いてみたいって思いましたね。
子育て、家庭とキャリアを両立できる仕組みをつくりたい
社員がキャリアアップするための制度や社員満足度を向上するための取り組みとして、これからできることがまだまだあると思っています。全社員がメドレーのミッションを共有しつつも、一人ひとりが望むキャリアを実現できるようサポートしていきたいと思っています。
また、ジョブメドレー事業部では求職者をサポートするコンサルタントがほぼ女性なのですが、家庭を大切にし、子育てとの両立をしながら働く女性が多く在籍しています。そんな女性が働きやすい環境が整った会社だからこそ、メドレーでの仕事が生計を立てるための単なる労働時間ではなく、妻や母という複数の役割を持つ女性であっても自己実現を可能にするためのステップになるような仕組み作りをしていけたらと思っています。
悩んでいた女性が、勇気を持って一歩を踏み出せるように
仕事とは別にライフワークとして、「なでしこ会」というキャリア支援を目的とした女性コミュニティを1年半前から運営しています。キャリアに悩んでいる女性たちが問題を自分一人で抱え込むのではなく、悩みを共有することで、自分の心の底にある思いを認識し、いろんな人の価値観を交えて解決できるような場があったら、勇気づけられたり一歩踏み出せたりするのではと思って立ち上げました。
最初の1年目は課題をシェアする会だったんですけど、2年目の今は困難や挫折を乗り越え、自分らしく生きる道を切り拓いてきた女性起業家や、企業の管理職として活躍している方をゲストにお呼びして、お話をしていただいています。ゲストも参加者も、相互に影響を与えられる良い発見の場、価値共有の場、として使ってもらっていて、累計で60名ほどの方にご参加いただきました。この活動はこの先も続けていきたいと思っています。
また、自分自身でも知見を広げ様々な経験をしたいと思っているので、各業界の専門家の講演会に参加したり、経営者の方々によるセミナーには積極的に参加するようにしています。そして、そこで得られたことを咀嚼し、出会った方々とのご縁を大切に繋いでいくことで、より多様性に富んだなでしこ会の活動に反映できるように心がけています。
自分を知り、視野を広げ、何にでも挑戦を!
私自身の経験からですが、仕事を選ぶときはまず自分自身を知ることが重要だと考えています。自分は本当は何が好きで、人生の中で何を一番大切にしたいのかという根本的な自己理解がないと、どの会社に勤めていてもやっぱりこの仕事は向いてないかもしれないと転職を繰り返してしまう要因になると思っています。
自分自身が本当にやっていきたいことのヒントは、これまでの経験の中にあります。なので、まずは過去を振り返って自己理解を深めること、そして職業としてどんな選択肢があるのかということを、興味関心がある分野以外も含めて幅広く知って、視野を広げることが大切だと思っています。
そして失敗を恐れず、興味を持ったら何にでも挑戦をしてほしいと思います。実際になでしこ会に何度も参加してくれている女性は自分の夢を実現するためにリスクを恐れず、新たな一歩を踏み出しました。なでしこ会で自分の人生を変えるきっかけをつかんでくれたのは非常にうれしかったですね。他者の目や社会の評価にとらわれすぎることなく、自分の人生を自分自身で切り拓く勇気を持てる女性が一人でも増えることを願っています。
プロフィール
古畑里奈さん
株式会社メドレーの事業推進本部カスタマーマーケティング室に所属。ライフワークとして女性のキャリア支援コミュニティ「なでしこ会」を運営。趣味はヨガと、ダイビング。「ダイビングは、海の透明度が高く、色鮮やかな魚が多いセブ島がオススメです」
メドレー http://www.medley.jp