イクメンというと、子育てをする男性だとぱっと分かる人も増えてきましたが、最近は「イクボス」という言葉も耳にするようになりました。
それに付随して、「イクボス宣言」を地方自治体や企業がしているのもニュースになっています。果たしてイクボスとは、また、その宣言にはどんな意味があるのでしょうか。
イクボスとはどんなもの?
イクボスの発祥
イクボスとは、「育(子育て)」と「ボス(上司)」が合体してできた造語です。この造語が作られたのは、平成29年3月8日、第12回群馬県雇用戦略本部でのこと。
イクボス宣言が行われたのも、この日が最初です。
イクボスが作られた意味とは
イクボスが作られた目的は、職場で共に働く部下・スタッフの仕事と家庭の両立を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司を育成するためです。
実際、自分が会社員であった時、そんな上司がいたら、より働きやすい環境になったであろうことは明白です。また、女性であれば、子供がいながら働いている女性や、結婚している女性などにも環境の変化があるかもしれません。
全国でこの「イクボス」が浸透していけば、きっと非常に働きやすい職場が増えることになるはずです。
(参考 http://www.pref.gunma.jp/06/g2200405.html)
「イクボス宣言」とはどんなもの?
イクボス宣言とは、NPO法人ファザーリング・ジャパンが主体となって進めているプロジェクトの一つで、「従業員がワークライフバランスを保ちながら、安心して子育てに取り組めるような環境をつくります」と、自治体や企業が公に宣言することです。
宣言の仕方に決まりはなく、会社の総会で発表されたり、インターネット上での発表があったりと、実に多岐にわたります。
この宣言には、もうすでに多数の地方自治体や大企業・中小企業が賛同し、そして宣言をしています。大きな例としては、2016年9月に小池東京都知事、12月に塩崎厚生労働大臣もイクボス宣言を行なっています。
イクボス宣言を行なった企業の取り組みは多種多様!
宣言の行い方もさまざまですが、宣言を行った後の取り組みも実に多様性に富んでいます。例えば、「女性の有給休暇の取得を推進する」「子供がいる女性の会議出席を削減する・時間を早める」など、女性に対しての優遇制度だけではなく、「在宅勤務・リモートワークを導入する」「効率的な仕事を行った社員を評価する」などの仕事の多様化も行われているようです。
「ボスの部下への理解」が女性社員への働き方改革のカギ
女性が働くとき、いきいきと働ける環境づくりには、上司の理解が大きなポイントとなります。どんなにいい制度があっても、有休制度があったとしても、それを使いやすい環境があるかは周囲の理解が大きなウエイトを占めます。
そして、その先駆けとなるのが「ボス」なのです。ボスがしっかりと理解を示し、柔軟な対応が取れれば、次第に周囲への理解も広まっていき、よりよい職場環境へと変貌を遂げていくことになります。そのためにも、「イクボス宣言」は、今後の日本の働き方改革のためにとても大切な宣言だという事ができるでしょう。