転職において、最も怖いのが「転職前の企業がブラックだったけれど、転職先の企業もブラックだった」ということではないでしょうか。実は、募集要項からブラック企業を見極めることができるのです。今回は、甘い求人情報に騙されないためのテクニックを紹介していきます。
募集要項一覧、まずはここを見る!要注意ポイント
募集要項一覧を眺めているとき、幾つかの項目が並んでいることでしょう。書いておかなければいけない情報というのは、ある程度法令で定められています。その条件がいかに「よく見えるか」をブラック企業は考えて掲載しているわけです。
仕事内容や応募要件を確認!仕事がイメージできるかチェック
仕事の内容が必ず求人情報には記載されているはずです。そこへ、どんなふうに業務内容が記載されているかを確認しましょう。例えば、「ルート営業」と記載があるとします。その「ルート営業」がどんなものか、あなたはイメージできるでしょうか。ここで、仕事内容がうまく把握できないならば、基本的には避けた方が良いでしょう。
ブラック企業というのは、どれだけハードな内容の仕事でも簡単に書くようになっています。未経験でも安心と書いてあったり、初心者でもすぐできると書いてあったりします。その甘い文句につられて入社したら、到底定時に終わらない仕事だったり、休日出勤を強いられたりと、ブラックだったというケースは本当に多いのです。
雇用形態もチェック!正社員のつもりがいつまでも契約社員かも
求人情報には、必ず雇用形態を書かねばなりません。そこに書いてある情報も、必ず細かくチェックしましょう。
例えば正社員と記載があっても、期間の定めがある場合があります。これを期間労働といい、正社員とはいえほとんど派遣のような扱いを受けることもあるのです。また、契約社員から正社員となっていても、いつまでたっても正社員にしてくれないというのも非常に良くあるケースです。
正社員は有給や福利厚生が整っていますが、派遣や契約社員は異なります。掲載されている情報は正社員のもので、いざ入社してみたら契約社員待遇となり、思っていた待遇とは違うブラックな企業も存在しています。見極めるポイントとしては、面接の際に「契約社員から正社員になった方の登用実績はどのくらいですか」と聞いてみます。すらすら答えられれば、実際に登用している可能性が高く、どもるようならブラックな可能性があります。
IT系エンジニアなどは正社員として登用されても、別の会社へ出向させられる可能性もあります。一つの会社だけではなく多くの企業に入って仕事がしてみたい人には向いていますが、扱いは派遣に近いことも往々にしてあります。その辺りも、よく確認しましょう。
手当が多いから優良求人とは限らない?!
手当が多いということは、単純に給与が多いということに思えますよね。ですが、実は違うのです。優良企業というのは、基本給が高く、手当が少ないものです。では、どうして手当てが多いとブラックだと判断できるのでしょうか。
第一に、手当は「支給されていない架空のもの」という可能性があるということです。企業ごとに設定できる特別手当というのは、支給していなくとも支給していても記載できます。また、法律で定められている育児休暇も、記載はしてあるけれども取得した人はいないなど、基本給が安く、手当てが高いとなんだかんだ言って支給されない可能性も高いのです。
第二に、残業代や賞与を計算する時には手当を含まないという点があります。残業代の計算に含まなくてよい手当というのは実は多く、それが家族手当、住宅手当、通勤手当などの「基準外賃金」です。基本給なら残業代や賞与の計算に当てはまるものの、このような手当てが多い場合、思っていたよりも低く見積もられ、生活が圧迫されるケースは残念ながら少なくありません。
まとめ
ブラック企業への取り締まりは、この数年で大きく厳しくなってきました。しかし、まだまだブラック企業の巧みなごまかし方に騙されてしまう求職者は後を絶ちません。実際に企業訪問をしたり、そこに努めている人に話を聞いたりと、内情を知ってから転職先や入社先を決めるのでも遅くないでしょう。