転職すべき?しないべき?退職する前に見ておきたい判断ポイント【ライター/粕谷麻衣】




働いている女性であれば、一度は「転職」が頭をよぎったことがあるのではないでしょうか。現在の職場に不満を抱えていたり、もっと活躍したいといった気持ちから別の職場で働くことを希望していたり。さまざまな理由から、転職を検討する方は少なくありません。

しかし、ここで注意したいのが、「転職したい」という想いのままに行動しないほうが良いパターンもあるということです。

そこで、今回は転職すべきか、転職は見送るべきかを悩んでいる方へ向けて、退職前に見ておきたい判断ポイントをご紹介します。

転職すべきと判断できるポイント

転職しようか悩んでいるとき、転職したほうが良いと判断できるケースは多いです。具体的にどのような場合は転職を検討したほうが良いのか、以下から見ていきましょう。

転職理由がハラスメント関連

前向きに転職を検討すべきと言えるのが、転職を希望する理由がハラスメント関連であったときです。セクシャルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなど、社内でハラスメントが横行しているケースは未だに存在するのが現状です。実際、ハラスメント関連の報告は後を絶たず、転職理由としても常に上位に位置しています。

ハラスメントの問題が常態化していると、被害者の精神面に大きな影響を及ぼすことから、転職理由に挙がる場合には、職場を変えることが最優先と言えるでしょう。

ワークライフバランスに問題が生じている

転職を検討したほうが良いケースの一つが、ワークライフバランスに問題が生じている場合です。近年は働き方改革や、同一労働同一賃金などにより、極端に長すぎる勤務時間の問題や、他の社員と同様の業務をこなしているにも関わらず一方の収入が低すぎるといった課題は解決されつつあります。

しかし、国内で展開している企業全体に目を向けてみると、すべての企業が解決へと向かっているとは言い切れません。まだまだ、長時間労働を前提とした業務計画が横行している企業は多いですし、性別や年齢、国籍などで収入に差が生じている現場も少なくありません。

勤務時間の長さや収入の低さは、ワークライフバランスの乱れの原因の一つ。今後も現在の職場で改善が期待できないのであれば、タイミングを見て転職する必要があると言えるでしょう。

スキルアップできないと感じている

「今の職場では成長できない」「5年後も10年後も今と変わらない日々が待っていると思う」など、スキルアップが見込めないことを理由に転職を検討している場合は、そのまま思い切って行動することをおすすめします。

変化が早く、何が起きるか分からない現代において、将来も活躍できる人材でいるためにはスキルアップが欠かせません。本来であれば、企業が率先してスキルアップの場を提供したり、学習機会を設けたりする必要がありますが、中小企業を中心にそのような余裕がないのが現実です。

限られた貴重な時間を無駄に費やさないためにも、今の職場ではスキルアップできないと感じるのであれば、転職の決意を固めたほうが良いかもしれません。

今の職場では存在価値を見出せない

今の職場で自分の存在価値が見出せないと悩む方は少なくありません。「雑用が中心の業務」「自分でなくても良い仕事ばかり振られる」「自分がいなくても問題ないと判断できる」など、自分の存在価値を感じられないことが理由で転職を検討しているのであれば、そのまま転職を決断したほうが良いでしょう。

会社の中で存在価値を見出せないという事態は、モチベーションの低下や意欲の低下に繋がり、企業・本人いずれにとってもメリットがありません。働くことそのものにストレスも感じやすくなってしまい、メンタル面にも問題が生じてしまうリスクがあります。

自分の能力を活かせる職場や、きちんと教育を受けられて活躍できる職場などが本来は望ましい勤務先です。

もし、職場で自分の存在意義を見出せないと感じる方は、思い切って転職を検討してみてはいかがでしょうか。

転職しないほうがいいと判断できるポイント

転職を検討している方の中には、理由によっては一旦現在の職場での勤務を継続したほうが良い場合も少なくありません。

どのようなケースであれば、転職しないほうが良いのか、以下を参考にしてみましょう。

転職理由が苦手な同僚がいること

転職を希望する理由が「苦手な同僚がいる」であれば、すぐに転職を決意するのは避けた方が良いでしょう。苦手な同僚から遠ざかるために転職をする場合、仮に転職先にも似たように苦手な人がいたら、何度も転職をすることとなってしまいます。

職場にはさまざまな従業員が入社していて、それぞれに想いや意見、考えがあります。それを理解したうえで、お互いに歩み寄ることはできないか、相手のことを理解することはできないかなどを考えてみてください。

とはいえ、同僚からハラスメントや嫌がらせ行為など、悪質な行為がある場合には、対策として「転職」は現実的な選択肢の一つです。状況が申告である場合には転職を検討し、改善の余地があると判断できる場合は同僚との関係の問題解決方法を模索してみましょう。

業務が自分に合わないと感じる

「業務が難しい」「業務が楽しいと思えない」など、業務が自分に合わないことを理由に、転職したいと考える方は少なくありません。しかし、入社から間もない間や、仕事への理解が不十分であるタイミングで業務が自分に合わないと判断することは時期尚早と言えます。

業務が自分に合わないと感じる理由としては、「仕事についての理解が進んでいない」「全体像が把握できておらず自分の業務の重要度が分かっていない」「仕事に慣れておらず余裕がない」などが挙げられます。

つまり、仕事に慣れてスムーズにこなせるようになり、業務の全体像を把握できるような余裕が得られれば、今とは異なる視点で業務に向き合える可能性があるのです。

入社して間もないうちは「あと半年だけ」など自分の中で期限を設けて勤続してみたり、自宅でスキルアップのための勉強を進めてみたりして、余裕を持って仕事をこなせるように努力してみるのもありでしょう。

まとめ

働く女性の多くが「仕事を辞めようかな」「別の企業に転職しようかな」と考えたことがあると思います。しかし、転職を思い立ったとき、本当にそのまま行動を起こして良い場合と、考え直したほうが良い場合があるため注意が必要です。

今回ご紹介した内容をヒントにしながら、自分が今どのような選択肢をとるべきかを考えてみてください。

粕谷麻衣

ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。




RUN-WAY編集部

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