働き方改革や女性の活躍推進に伴い、女性の管理職が増えてきました。
性別や年齢に関係なく、能力のある女性であれば管理職として期待されるシーンも多くなり、実際に期待の声をかけられている女性や、管理職を目指してみようかな、と検討している女性もいるのではないでしょうか。
しかし、管理職が気になっているものの、メリット・デメリットは気になってしまうのが事実。管理職になってから後悔しないためにも、女性の管理職におけるリアルを知りたいと考える方は多いでしょう。
そこで、今回は女性の管理職をテーマに、メリットやデメリットのほか、適性について解説していきます。
女性の管理職について見直されてきている
冒頭でも触れた通り、働き方改革や女性の活躍推進の影響もあり、女性の管理職への昇進が後押しされてきています。
これまで、管理職といえば男性が一般的であり、重要な意識決定の場等では常に男性に権利がある状況でした。
しかし、女性の管理職が増えてきた今、女性も重要なシーンで意見を出しやすくなり、従来と比べて徐々にビジネスシーンの男女間の差が埋まりつつあります。
とはいえ、まだまだ女性の管理職の配置が進んでいない企業も多いのが事実。女性が管理職になるといった前例も少ないことから、将来的に管理職になってほしいと期待されている女性自身が、管理職になることに抵抗や不安を覚える場合も決して少なくありません。
女性が管理職を目指すメリット
仮に女性が管理職になるとしたら、その本人にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
女性が管理職を目指すメリットを解説していきます。
やりがいや達成感につながる
女性が管理職を目指すにあたり、まずメリットとなるのが「やりがいや達成感につながること」です。
管理職という立場はチームを引っ張っていく、いわばリーダーのような役割です。部下の成長をサポートしたり、自分で現場を回して目標を達成させたりするなど、管理職になるとやりがいを感じたり、達成感を得たりするシーンは非常に多いものです。
また、真摯にメンバーと向き合うことで、感謝される機会も増え、より仕事における充実感を得られます。
モチベーションの向上
女性が管理職になると、モチベーションが高まりやすいといったメリットがあります。
部下の成長を間近で見られるのは管理職の特権の一つ。また、自分の関わった仕事が、部署やチーム全体に影響することも多いため、良い成果を上げることができれば、必然的にモチベーションも高まることは間違いありません。
日々の仕事にやりがいを見出せない方にとって、管理職へのチャレンジは仕事に夢中になれる選択肢となるかもしれません。
収入アップを期待できる
管理職へと昇進することで、収入アップが期待できる場合があります。
女性の管理職として現在一般的なのが、係長クラスで月給30万円強、課長クラスでは月給45万円ほどと言われています。最も月給が高い部長クラスでは、52万円にも及び、いずれにせよ女性の平均月給を大きく上回ります。
現在の収入に不満を感じている方であれば、収入アップのための選択肢の一つとして、管理職への昇進が挙げられるでしょう。
自分の裁量でできることが増える
自分が主体となって仕事を進めたい女性であれば、管理職への昇進は自分の理想の働き方を叶える手段となります。
管理職になると、自分が中心となって部や課を回していかなければなりません。一般社員であれば常に上司に確認を促し、了承を経たうえでやっと実行に移せる状況であるものの、管理職であれば自分の一存で決められることが増えていきます。
自分の裁量で仕事を進めていきたい女性であれば、管理職は納得できる働き方となるかもしれません。
女性が管理職を目指すデメリット
女性が管理職を目指す場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここからは、女性が管理職を目指すうえで知っておかなければならないデメリットをご紹介します。
ライフイベントに左右される場合がある
女性が管理職を目指すデメリットとして、まず挙げられるのがライフイベントの存在です。
男性にはない「妊娠」「出産」のライフイベントは、子どもを持ちたいと考えている女性としては避けられないことです。
予定通りに授かれるものでもないので、予期せぬタイミングで妊娠してしまうこともあります。重要な時期に自分が不在になってしまうリスクもあることをふまえると、ライフイベントに備えた環境作りや人材の確保などを行っておく必要があるでしょう。
責任が重くなりやすい
管理職になるデメリットの一つが「責任が重くなること」です。
多くの社員をまとめる存在となるので、当然ながらこれまでよりも責任が重くなることが考えられます。
部下の失敗も自分事として捉えなければなりませんし、目標達成のためには管理職である以上ときには無理をすることもあるかもしれません。
責任を持って職務を遂行することに自信がない方では、プレッシャーで押しつぶされてしまうリスクもあります。
家庭との両立が難しく感じることも
女性が管理職を目指すうえで、最も大きなデメリットとして知られているのが家庭との両立です。これは、国の方針や企業それぞれの独自の取り組みなどによって徐々に改善傾向にありますが、まだまだ女性の負担が大きくなりがちです。
実際、子育てや家事を一手に引き受けながら、女性管理職として勤めあげることは決して簡単なことではありません。
パートナーと家事や育児の分担が可能であることも、管理職を目指すか否かを考えるヒントになるでしょう。
管理職が向いている女性の特徴
管理職に向いているのは、一体どのような女性なのか気になる方は多いでしょう。
管理職を目指すにあたり、自分に適性があるのか気になる方は以下の内容と自分のことを照らし合わせてみましょう。
- リーダーシップがある
- 学び続ける意欲がある
- パートナーの支え、理解がある
- 主体的に動くことができる
- 責任感があり、計画的に物事を進めていく能力がある
- メンバーの成長をサポートすることに抵抗がない
- コミュニケーションが得意もしくは好き
上記は、女性が管理職を目指す際に知っておきたい適性です。
とはいえ、最初から上記全てを身につけている方は少ないものです。管理職として昇進し、いろいろな経験を深めながら必要なスキルを身につけていく女性も非常に多い傾向にあります。
「まずはチャレンジしてみること」と考え、思い切って目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ
女性の管理職は、現段階ではまだ男性よりも割合は圧倒的に少ない状況です。しかし、少しずつ女性の管理職について目が向けられるようになり、かつてよりも女性の管理職に対する見方はポジティブなものになりつつあります。
管理職への昇進が気になっている方や、社内で将来的には管理職として活躍してほしいと期待をかけられている女性は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしながら、納得のできる道を探してみてください。
粕谷麻衣
ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。