2回の出産・育休を経験したからこそ、出産後も働きやすい環境をつくりたい!【テックマークジャパン/小林亜弓さん】

小林亜弓




家電についているメーカー保証はほとんどが1年間。その後も保証があったらいいのに・・・と思ったこと、ありませんか? 今回のインタビューは、メーカー保証期間終了後の保証を提供している延長保証サービスのパイオニア企業「テックマークジャパン」で働く小林亜弓さんです。

2人の保育園児を育てながら人事・総務担当としてフルタイムで働く小林さんに、仕事のやりがいや女性が仕事と育児を両立することなどについてお話を聞きました。

人事担当として、新たにスタートした新卒採用も担当

小林亜弓

当社は、家電や住宅設備などをメーカー保証期間終了後も保証する「延長保証サービス」を提供する会社です。現在は20社以上が同じようなサービスを提供していますが、当社が日本に延長保証を導入したパイオニア的企業と位置付けられています。

日本で営業を開始してから来年で25周年になるので、当社には製品ごとの修理情報や故障情報が24年分蓄積されています。累計で約950万件(2017年時点)にものぼる修理受付件数のデータを持っているのが当社の強みで、故障の原因となる部品などを分析して提供する、コンサル的な仕事も請け負っています。

その中で私は、財務総務部の人事・総務チームで仕事をしています。総務としてはオフィスレイアウトなど一般的な総務の業務のほか、オフィスやインフラの整備にも力を入れつつ、人事としては2018年卒から始めた新卒採用を1年ぐらいの期間をかけて準備。年齢の近い先輩が新入社員を支えるブラザー・シスター制度も新たに整備しました。

ブラザー・シスター制度は一般的なメンターと違い、各チームに新卒の成長を見守る“ブラザー”と“シスター”がいて、新入社員が別のチームで働くときは、そのブラザー・シスターが「こういうところを伸ばした方がいい」などと申し送りをするのが特徴ですね。面接等において入社後どういったフォローが受けられるかを気にする学生が多いので、当社は入社後のフォローに力を入れ、大事に育てていこうという方針でやっています。

社内の風通しを良くしたサークル活動を発案!

小林亜弓

自分で仕事の采配ができること、そして、発案したことを上に通すまでの段階が少ないことにやりがいを感じています。場合によっては、社長に直で提案しにいくことも可能です。最近では、新卒採用向けの動画を制作し学生にアプローチするという提案を行い承諾いただきました。

また、新卒採用活動の一環でもあり、社内活性化策の一つでもあるのですが、月に1度やっているサークル活動も私の発案でスタートしました。毎月同じことをやるのではなく、社員が興味あるものを毎月自由に実施しています。カラーコーディネートの先生を呼んで自分に似合う色を見てもらったり、ワインのテイスティングをしたり、隅田川の花火大会の日にはみんなで花火を見たり。

もともと当社は30代~40代の社員が多く落ち着いた雰囲気があり、私が入った当初は部署間の壁の厚さも感じていたのですが、サークル活動を始めて雰囲気はだいぶ変わったと思います。若手を中心にコミュニケーションが活性化され、ブラザー・シスターのミーティングでも意見が活発に出るようになりました。

育児との両立を支えてくれたのは、女性社員のサポート

小林亜弓

今5歳と3歳の子どもがいます。それぞれ産休育休を頂いてから復帰しましたが、特に1人目の時はとにかく風邪を引くので、頻繁に保育園からの呼び出しがありました。小さい子供を育てながら働いていると、会社はこんなにやってくれているのに自分は全然貢献できていないと感じ、モチベーションが保てなくなったり、保育園からの呼び出しが続いて自分で自分を追い詰めてしまうこともありました。

2人目は少し落ち着くかと思っていたら、心室中隔欠損という病気で手術や入退院が続いて。会社にいても貢献できないという気持ちになってしまい、退職を考えたこともあったのですが、主に女性社員がすごく温かく支えてくれたので、結果的に諦めなくて良かったなと思っています。「子の看護休暇」も活用してなんとか一番大変な時期を乗り切りました。

1人目の時から、女性同士の支え合いが強い会社だと感じていて、今もランチタイムには仕事だけではなく家庭や子育ての話をよくします。お互い戦友のような感じで、私はいつも救われています。

社会人の基礎を学んだ広告代理店時代

高校の時から演劇をやっていて、日大芸術学部の演劇学科に進みました。ずっとアクターをやっていたので、卒業が近くなると私も劇団から声がかかりましたが、家庭の事情もあり就職することを選びました。

ものづくりが好きだったので、人を喜ばせたり驚かせたりすることをしたいと思って新卒で入社したのは広告代理店です。

最初は営業でしたが、同じ時期にクライアントを3社掛け持ちしていて、1週間ずっと終電が続いたり、終電を逃してタクシーで帰宅することもありました。結局2年目ぐらいで倒れて3日間入院してしまったので、身体的にきつい営業から、落ち着いた部署に異動しました。

ブラックかどうかと言われるとブラックであったとは思いますが、やっている時は本当に楽しくて、同期は今でも大切な仲間です。かなり知識も求められたので、今の仕事でも活かせているデザインスキルなどを身につけることができ、社会人としての基礎を学ばせてもらいました。

異業種への転職で感じた苦労と共感したビジョンとは

小林亜弓

結局その会社が潰れそうになって早期退職者を募集したことがきっかけで、テックマークジャパンへの転職を決意しました。何もないところから延長保証のプログラムを立ち上げていくところに共感して入社しました。

やっぱり広告代理店とは雰囲気もずいぶん違うので、最初は自分なりの切り替えが難しかったですね。どちらかというと金融業的な位置付けで、延長保証の組み立て方や関係する保険の知識などを習得するにはかなり苦労もしました。

ただ、広告代理店はそれぞれが自分のスキルで稼いで合計で会社を伸ばして行く、という業界だったのに対し、テックマークジャパンは延長保証のプロとして組織一丸となって会社を成長させていこう、というビジョンが明確だったので、すごいなあと思いましたね。

出産しても働きやすい環境をつくりたい

今後は毎年新入社員が入社するので、人事・総務として、新入社員に入って良かったなと思ってもらえる会社にしていきたいですね。どのように実現できるかは今後検討が必要ですが、もう少し目で見て楽しめるようなオフィスにできたらな、という夢も持っています。

また、社内では私が子育てしながら仕事をする先駆け的な存在になっていたのかもしれないと思っており、私の後に2人ほど産休育休を取りました。子供の年齢が近いので、子育ての悩みや、お迎えの時間があるから残業があまりできないよね、という悩みも共有しあったりしています。

今後、他の社員がそのような悩みに直面したら業務的なフォローもしたいと思いますし、こんな人事制度を利用したらいいよ、と紹介していきたいと思っています。そして、新卒で入社してきた社員が男女問わず家庭と仕事を両立して当社でいきいきと働き続けられるような環境を作っていきたいと思っています。

周りの人たちを大切に、目の前の仕事に一つひとつ取り組んで

小林亜弓

転職して新しい環境になっても、目の前の仕事を一つひとつ一生懸命にやっていけば、必ず自分にとっていい未来につながると思っています。特に女性の場合は、自分一人でやっているんだという気持ちで取り組むのではなく、周りで自分を支えてくれている人たちを大切にしながら働いてほしいと思います。

それが会社に対する愛着にもつながりますし、たとえ意に沿わないような状況であっても自分をフォローしてくれる人たちが周りにいれば、この人たちのために仕事を頑張ろう!と、モチベーションも保てると思います。

プロフィール

小林亜弓

日大芸術学部卒業後、広告代理店を経て2009年にテックマークに入社。二度の出産、育休取得を経て、現在は財務総務部の人事・総務チームに所属。趣味は映画鑑賞と飼い猫と過ごすこと。「子供がいるので映画館にはなかなか行けないですが、DVDで見ています。最近は『グレイテスト・ショーマン』をやっと借りて見ました。猫は2匹飼っていて、可愛くて癒されています」

(2018年6月取材時点)

テックマークジャパン http://www.techmark.co.jp




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RUN-WAY編集部

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