今回のインタビューは、メディアプランニングを手がけるカラ・ジャパンのサイ・スーザンさん。電通に入るために日本の大学院に入学したというスーザンさんに、グローバルな企業で働く魅力ややりがいについて聞きました。
オウンドメディアの集客戦略を担当
電通イージス・ネットワークのカラ・ジャパンはメディアプランニングを中心としたマーケティングビジネス全般を扱う会社です。クライアントは外資系の企業が多いですが、この2、3年で 国内企業のビジネスも増えています。
私は外資系企業の担当として、クライアントのビジネスゴールを達成するためにどんなタッチポイントを使ってマーケティングするか、効果的な予算配分などの提案をしています。
具体的には、クライアントが持っているオウンドメディアにもっとたくさんの人が来るためにはどうしたらいいのかという戦略を練るために、サイト内での動きや、どういうコンテンツにどういうターゲットの引きがあるのかということを分析したりしています。
ゲームでレベルアップしていくような感覚!?
外資系の企業はいい意味で成果主義なので、自分のビジネスゴールを達成するための戦略や道筋について、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルが密に行われています。それがプレッシャーでもありますが、大きなプロジェクトの中で小さなTest and Learn(テストと学習) を繰り返すので、ゲームでレベルアップしていくような感覚がありすごくやりがいを感じます。
オウンドメディアの集客がメインの仕事ですが、デジタルは常に情報がアップデートしていて、今日の常識が明日の常識じゃない、みたいなところがあります。新しい情報を少しでも早く吸収して、クライアントにとって、より詳しくならなくてはいけないので大変ではありますが、それが自分のスキルアップにもつながりますし、仕事上での動き方も日々成長しているなとは感じています。
一方で、タグをどこに入れたほうがいいかとか、これまで縁がなかったサイトの技術的な部分に関わるところの知識も求められたりして、それについての知識はなかったのですごく大変ですね。でも、チームのメンバーに恵まれているので分からなければ聞くことができるし、メンバーがわからなければだれかを紹介してくれるので、また新しいことを学べた!と思いながらやっています。
どうしても電通に入りたくてとった作戦とは
すごく語学が好きだったので、台湾の大学では日本文学を専攻していました。ずっと、作家だったり翻訳だったり、コピーライターだったりと、書く仕事がしたかったんですよ。インドアで、文学の世界に浸っているような感じでした。
その後、台湾の電通でアルバイトをしていたんです。後から、実は電通は日本の会社だと知り、すごい会社だから本社に入りたいと思って。そのために日本の大学院に留学しに来ました。日本は新卒が優位なので、新卒になるために大学院に入ったんです。院では国際PRの仕事を勉強していました
就職活動では広告関連を含めていろんな会社を受けたんですけど、本当に不採用ばかりで。書類審査に弱かったと思うんですよね。その中で、受かったのは電通だけだったんです。ご縁ですよね。電通は書類審査と面接がセットだったので良かったのかなと思っています。
電通では、最初はデジタル領域のメディアプランニングの仕事をしていました。3年ほど経験した後、マレーシアにある電通の海外拠点へ行き、そこでもデジタルメディアに携わっていました。帰国後に今担当しているクライアントがチームを結成することになり、海外経験がありデジタルに強いメディアプランナーが必要ということでチームの一員になり、カラ・ジャパンにジョインした形です。
たくさんの価値観が存在する、刺激的な海外で働きたい
今のクライアントを担当して1年半立ちましたが、まだこのクライアントから勉強できることはあると思っているので、あと2、3年このクライアントのことを勉強してマスターした後、もう1回海外に行きたいなと思っています。前に海外に行ったときは3年目だったので、今ならその時よりもできることが多いんじゃないかなと思うんです。違うスペックの自分で、違う気持ちで、もう1回海外で挑戦したいですね。
海外に惹かれるのは、価値観がたくさん存在する場所に惹かれるからです。マレーシアは特に、中華系、インド系、マレー系とたくさんの人種、国、言語の人たちが集まっているので仕事上も刺激的ですし、自分もダイバーシティーな環境がすごく好きなんです。東南アジアだったりアメリカで、今までに経験したことのない価値観に触れていきたいですね。
私は、常に新しいものや自分が見たことがないもの、体験したことがないものを体験できるのがこの仕事のいいところだなと思っているんです。それは人との出会いも同じです。常に新しいものを求めて行くならば、この業界とこの仕事はすごくいいなと思います。
失敗を恐れず、自分にとってのサクセスを目指して
私が電通に入ったとき、実はもう28歳だったんです。結構人生の寄り道をしてきたんですよね。その私が言えることがあるとすれば、さっきも使ったTest and Learn(実験と学び)でしょうか。何でも経験だと思えば、そんなに失敗を恐れる必要はないですし、よく、やらない後悔よりもやった後悔の方がいいとも言いますよね。
だから自分に選択肢を与えることを恐れず、とにかくたくさん勉強して自分が納得するような道を選べば、それが自分にとってのサクセスだと思うんです。なのでTest and Learnの精神を持って人生を歩んでいってほしいと思います。
プロフィール
サイ・スーザン
台湾出身。日本の大学院を卒業した後、電通に入社。電通のマレーシア拠点での勤務を経て、カラ・ジャパンへ。夢は印税生活を送ること。「作家でも翻訳でも何でもいいんですけど、書くことが好きなのでそれで生きていけたらと最高だなと思っています」。趣味は山登り、マラソンなど、何も考えずにできるアウトドア。
カラ・ジャパン https://carat-japan.jp