経理はどんな会社であっても必ず存在する部署です。具体的にどのような仕事をしているかは会社の規模や部署の構成によって変わってきますが、経理の仕事は日ごと、月ごと、年ごとといった大きなサイクルを元に動いています。
ここでは経理の仕事内容について細かく解説しているので、転職の参考材料にしてください。
経理の仕事内容は会社の規模によって担当が異なることがある
経理の仕事は、会社の規模によって担当する仕事内容が異なってきます。
大企業や上場企業の経理
大企業、上場企業といった規模の大きな会社は、売上、取引件数、従業員数など会社を構成する様々なものの規模が大きくなります。そのため、必然的に経理に携わる従業員の数も増えることになります。
規模の大きい会社では、大抵の場合「経理部」のような専門部署が設置され、その上で財務担当、決算担当というように分業されていることがほとんどです。従業員それぞれが特定の範囲の業務を担当することが多いので、専門性の高い仕事をこなすことになります。
中小企業の経理
規模がそれほど大きくない会社では、経理が総務などの管理部門も一緒に担当している、というところも少なくありません。会社の規模が小さくなればそれだけ従業員1人が担当する業務も幅広いものになり、幅広い知識と対応力が求められることになります。
税務に関しては外部の会計事務所に任せている、という会社も多いです。
外資系企業の経理
当然と言えば当然ですが、会計基準や税制はその国の中だけで通用するものです。従って外資系企業では、海外にある親会社への決算報告と、日本国内で使用する税務申告用の決算の両方を行う必要があります。それぞれの目的に沿って仕事を進める技術が必要になります。当然英語力も必要になります。外国の勘定科目や会計用語は日本語に訳せないものも多いため、慣れるまで苦労する人も多いようです。
経理部の仕事内容によって経理事務の仕事範囲や必要知識も異なる
経理がどのような仕事を行っているかは、会社によって異なります。そのため、どのような能力が求められてくるかも異なってくるのです。
専門性を求められるケース
大企業や上場企業など規模の大きな会社では、専門性が求められることが多いです。経理という仕事が出納、主計、原価、財務などの職務に分けられており、それぞれが独立して業務を行っていることが多いからです。
規模の大きな企業は扱うお金の額が大きくなるので、それを管理するにも大勢の人間が必要になります。業務を独立させることで、相互に間違いや不正が起こらないような仕組みを築いているのです。
幅広い知識を求められるケース
多くの中小企業では、限られた人数で経理を担当していることが多くなっています。その分オールラウンダーとしての力を求められることが多いのです。
他の事務作業が必要になるケース
極めて小規模な企業では、会計ソフトの活用などによって業務を効率化するなどしてほんの数人で経理事務を行っているというケースも珍しくありません。経理以外の一般事務や営業事務といった仕事を兼任していることも多く、幅広い事務知識が求められます。
経理事務とほかの事務との違いとは?一般的な仕事内容の分類
企業活動において、事務作業は必然的に発生する業務です。細分化することでそれぞれの専門性を高める企業も多く、経理事務は、言い換えれば経理業務に特化した事務業務と言えます。逆に事務作業を細分化することなく1人の事務員が複数種類の事務作業を兼任している企業もあります。事務の仕事内容について簡単にチェックしてみましょう。
一般事務
企業や公官庁など、業種に関係なく幅広い企業や組織で行われている事務です。
仕事内容は様々ですが、資料や契約書と言った書類を作成したり、データ収集、ファイリングの他、電話メール対応なども行います。一番「事務作業」のイメージに近い種類と言えるでしょう。
営業事務
企業の営業担当をサポートするための事務です。
顧客からの電話対応や、商品管理、在庫管理、請求書作成などを行います。営業に関係する事務であり顧客との関わりも多いため、一般事務に比べるとより専門性が高い種類だと言えるでしょう。
経理事務
経理、会計、財務といった企業のお金の流れを管理するための事務です。
中には企業の予算編成や資金調達といった、会社の経営に密接に関わる仕事に携わる人もいます。
総務事務
企業の各部署がスムーズに仕事を進められるよう、社内環境を整えるための事務です。備品の発注や設備管理、防災関連や福利厚生手続きなど、幅広い業務をこなします。普段は目立たないことも多いですが、会社の土台を支える正に縁の下の力持ちのような存在です。
経理事務の仕事内容には決まったサイクルがある!経理の主な3つの業務とは?
経理が担当する業務には、大きく分けて日次業務、月次業務、年次業務の3種類があります。それぞれ毎日行う仕事、月ごとに行う仕事、1年ごとに行う仕事のことで、経理の仕事はこの3つのサイクルを繰り返しながら行われています。どれも企業活動を行う上で欠かすことができない大切な業務なので、サイクルに沿ってしっかりと覚えていくことが重要になります。逆に言うと、サイクルさえ覚えてしまえばスケジュール管理がしやすくなります。
日次業務の代表的な仕事には、現金の出納管理や立替経費の精算、伝票記帳や整理などがあります。「経理の仕事」と聞いてイメージするのはこの日次業務でしょう。日々の取引をすべて記録していきます。
月次業務は、取引先への請求や回収、支払業務の他、従業員への給料支払いなどが挙げられます。1ヶ月の会社の動きをまとめることで、日々の仕訳にミスがないかチェックするのです。前の月と比較することで売上の伸びなどを確認するのも重要な仕事になります。
年次業務では法人税や消費税の確定申告と言った税金関連の業務の他、株主総会で計算書類の報告を行ったり、企業の予算管理を行ったりします。1年の集大成である決算書の作成も年次業務の重要なポイントになります。
配属されたらまず覚える!毎日行われる日次業務の仕事内容とは?
日次業務は毎日行わなければならない業務のことです。配属されたら最初に覚える必要がある仕事です。
仕訳伝票の記帳、いわゆる「簿記」も日次業務の1つです。多くの会社では会計システムを導入しているため、仕訳伝票を起票すれば、あとはシステムが仕訳帳や総勘定元帳、試算表まで自動で作成してくれます。また、売上関連の仕訳は、販売管理システムからデータを受け取り、自動で仕訳伝票を作れるようになっているところも多くなっています。昔ながらのスタイルで電卓をたたきながら帳簿を作る、ということはほとんど行われなくなっています。
しかし全てをシステム任せにする訳ではありません。自動仕訳の連携にミスが発生したり、販売管理システムに入力されたデータにミスがあれば、帳簿にまでミスが伝搬してしまうからです。これを防ぐために、システムを活用しつつも、要所要所でチェック作業を行う必要があるのです。
経理事務が行う日次業務の仕事内容をチェック1.現金や預金の管理
日次作業でも重要なのが、現金や預金の管理です。具体的にどのような業務を通して行われているのか確認してみましょう。
現金の管理
現金の出納管理を行います。「出納(すいとう)」とは「出し入れ」のことです。
現金の出し入れを毎日記録し、現金出納帳を作成します。もちろん、帳簿上の残高と実際の現金残高が一致していることを確認することも重要です。
預金の管理
会社が銀行に預けているお金を管理します。原則毎日預金通帳を銀行で記帳し、そのコピーを証憑として預金出納帳を作成します。
小切手の管理
小切手や手形は、信用取引に用いられる支払方法の1つです。信用取引とは、商品の受け渡しと代金決済を同時に行うのではなく、将来の一定期日に代金支払いを約束して商品を受け渡す取引方法のことです。最近では少なくなっていますが、業種によっては入金や出金に利用されています。手形や小切手は最終的に銀行で決算されることになるため、預金管理の1つと考えることも可能です。
小切手には「一覧払い」という特徴があり、小切手を持っている人はいつでも銀行に小切手を呈示して支払いを受けることができます。
銀行への取立依頼や振出、代金の受け取りや支払いを帳簿に記録することが具体的な業務となります。
手形の管理
手形は小切手と似ていますが、手形には満期日という特徴があります。いつでも現金化することができる小切手と違い、手形は支払期日まで待たなければ現金に換えることができません。
小切手と同じく、取引があれば帳簿へ記録します。
経費の仕訳・精算
従業員が立て替えた経費を精算し、帳簿へ記録します。
会社によっては締日を設けている所もあるので、ルールを確認しておく必要があります。
経理事務が行う日次業務の仕事内容をチェック2.仕入れに関する管理
毎日の業務のうち、仕入れに関するものはどのような仕事内容なのでしょうか。
仕入管理
商品を発注し、受け取ったときに「仕入」として処理する作業になります。
買掛金管理
多くの企業では、商品を受け取ってもその場では代金を支払いません。後日改めて代金を支払う「買掛金」を行います。仕入れ先の締日がそれぞれことなるため、請求書はバラバラに届きます。支払期日や金額をしっかりと管理、仕入れ先元帳などで正確に把握しておくことが重要です。
管理を怠ってしまうと、期日が過ぎても相手に支払いができなかった、という事態が起きてしまうかもしれません。これでは相手からの信頼を大きく損ねることになってしまいます。経理のミスで会社全体の信用を落とさないよう細心の注意を払う必要があります。万が一支払いが間に合わなくなってしまった場合は、期日変更をお願いすることも経理の重要な仕事となります。
経理事務が行う日次業務の仕事内容をチェック3.売上に関する管理
売上の管理も、日々の仕事になります。売上は企業の根幹に関わってくる部分なだけに、慎重に業務を進めていく必要があります。具体的な仕事内容をチェックしてみましょう。
売掛金の管理
売掛金とは、商品を引き渡したものの、まだ代金を受け取っていないお金のことです。帳簿上は未集金となります。通常は一カ月ごとに請求し、相手方から支払いを受けることになります。売掛金の管理は得意先元帳で記録し、売掛金の発生や回収、残高を記入して相手先ごとに管理していきます。総勘定元帳には得意先によって区別せず一律「売掛金」で処理します。
得意先によっては入金方法が銀行振り込み、手形、小切手などと変わることもあるので、それを認識しておくことも重要です。
請求書の発行
企業と企業の取引では、商品を渡した後改めて請求書を発行するという流れが多くなります。
請求書には相手先の名前、日付、商品代金、自社名と住所、口座番号などを正確に記入します。また、自社でも1部保管しておくようにしましょう。
請求書はパソコンなどで作成した後、担当者が作成者印を押印、経理部門の責任者などに会社印を押印してもらい、相手先に送付することになります。会社印の押印に独自ルールを設けている会社もあるので、その場合はルールに沿った事務手続きを行うことになります。
領収書の発行
領収書はお金を受け取った、ということを証明するためのものです。
領収書の役割は「代金の支払いを証明するため」「再請求されることを防ぐため」なので、基本的にお金を支払う側、つまり相手側のための文書と言うことができます。
相手方からの正確な入金が確認できたら、領収書を発行するという形になります。受取代金が3万円以上の場合は、収入印紙を貼ることを忘れないようにしましょう。印紙代は受取金額によって変わります。
領収書も、念のため自社で1部保管しておくようにします。
締め日に合わせて行う!月ごとのサイクルで行われる月次業務とは?
月次業務は月ごとにサイクルが定まった業務を行っていきます。具体的には取引先への請求や回収、支払いの他、従業員への給料支払いなどを行います。業務には一定の締日を設け、まとめて集計、処理を行うことが多いです。
業務によって締日が異なってくるため、一般的には上旬・中旬・下旬に分けてスケジューリングしているところが多くなっています。
月次業務の目的は、予算や計画の月ごとの比較、経営状況の把握などです。月ごとにこれらをはっきりさせることで、経営のための迅速な行動や対策を取ることができるようになります。
また、年次決算に向けて帳簿を整理することも大切な目的です。月々の帳簿整理を確実にすることで、年次決算がより確実に素早く行えるようになるからです。
経理事務の月次業務をチェック!毎月上旬に行う仕事内容とは?
企業によって締めが異なるので一概には言えませんが、一般的に毎月上旬に行われる業務には以下のようなものがあります。
取引先からの入金確認
売掛金がある場合は、相手先から入金されているか確認する必要があります。
売掛金の滞留分析
売上を伸ばしていても、実際に代金を回収できなければ会社の経営にダメージを与えることになります。入金されていない売掛金がないか確認することは非常に重要な業務になります。
帳簿の締切
毎月帳簿を締切ることで、処理の誤りを早期発見することができ、年次決算の作業コストを下げることができます。
月次決算
1ヶ月のお金の出入りをまとめます。決算を始める前に、精算していない経費や未提出の伝票がないか確認し、正確な決算を行うことが重要です。
迅速性を重視し概算で良いとしている企業もありますが、逆に年次決算と同レベルの正確さを求める企業もあります。
経理事務の月次業務をチェック!毎月中旬に行う仕事内容とは?
月の中旬に行う月次業務は、上旬や下旬よりも少ない、という企業が多いようです。その分日々の溜まった業務を片付けたり、書類の整理を行ったりすることもあります。
月次決算のチェックや報告
株主や銀行といった外部に向けて作られる年次決算と違い、月次決算は完全に経営者に向けて作られることになります。今月は赤字だったのか黒字だったのか、何か異常な数値が発生していないかといった項目をチェックし、経営陣に報告します。
源泉所得税の納付
所得税は個人の所得によって課される税金のことです。しかし全ての給与所得者が税務署に出向いて納税するのは大変です。そこで企業が給与所得者に代わり、給与所得税額を計算した後に税金を天引き、税務署に納めることが義務付けられています。これを源泉徴収と言います。
経理では源泉徴収額を算出し、給与や賞与の総支給額から控除。所得税徴収高計算書に記入して翌月の10日までに納税します。給与や賞与の他、扶養家族人数や会社の従業員数によって税額が変わってくるので、しっかり注意する必要があります。
経理事務の月次業務をチェック!毎月下旬に行う仕事内容とは?
毎月下旬には以下のような業務を行います。
給与計算・支給
従業員の給与支払額を計算します。雇用契約や会社の規定などに基づいて総支払額を求め、そこから社会保険料や税金を差し引いて最終的な手取り額を決定します。
社会保険料や税金の徴収、納付にも関わってくる上、労働契約の根幹を支えるものでもあるため、非常に重要な業務となります。
取引先への支払い
送られてきた請求書を整理し、支払いを行ったり、仕訳をして帳簿に記入します。
請求書発行
適切なタイミングで発行します。
社会保険料納付
健康保険料や厚生年金保険料は、会社と従業員がそれぞれ負担する形になります。帳簿に記録するときも、それぞれの負担金を記入する必要があります。
社会保険料は収入や年齢によって異なり、法改正などの要因で計算方法も変化します。毎月正しく計算していくには、被保険者の情報や法改正の情報などを正確に仕入れておくことが重要です。
繁忙期に仕事が集中しやすい!1年ごとの仕事サイクル年次業務とは?
年次業務は、決算業務、年末調整といった仕事が集中しやすい時期に行われることが多いです。特に決算業務は四半期決算で、繁忙期の中準備を行うことは非常に困難です。これをこなすため、日次業務や月次業務と並行して行っているという会社が多いです。
決算業務
決算手続きを終わらせるには、四半期決算で1ヶ月強、年度決算で1~2ヶ月の作業が必要だと言われています。スムーズに作業するため、適時従業員に書類の提出を促すなど準備を進めることが必要です。
法人税等の申告・納税
法人税や消費税といった、企業が支払うべき税金を計算、申告した上で納付します。
税額は決算書に基づいて計算することになるので、決算が終わったからと言って経理は休むことができません。
年末調整
1年間で従業員に支払った給与や、源泉徴収した所得税などを年末に再計算します。所得税の過不足を精算するために行われる、経理にとっては負担が大きい業務の1つです。
償却資産の申告
パソコンや事務机など、減価償却の対象となる資産について、1年に1度、償却資産の内容を自治体に申告しなければなりません。
次年度の予算編成
次の年度の予算編成を行います。最終的な業績見込みはどうなっているか、各部署にどれだけ予算を渡すのかなどをまとめ、形にしていく業務です。
経理事務が行う年次業務の仕事内容をチェック1.決算業務の内容とスケジュール
経理にとって最も重要な仕事が、決算業務です。業務内容は会社の規模や種類によって異なってきます。
主な仕事内容
決算業務とは、日々帳簿などで管理している取引をまとめ、損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)といった決算書類を作成することです。その計算書類を元に法人税や消費税といった税金を計算、納付することになります。また、計算書は監査役などのチェックを経て株主総会に提出されることになります。
時期とスケジュール
決算業務は3月頃から準備が始まり、5月には書類を作成する流れとなります。
法人税の申告は決算日から2ヶ月以内、株主総会は決算日から3か月以内に開催されることになるため、必然的に経理担当のスケジュールはタイトなものになるのです。
経理事務が行う年次業務の仕事内容をチェック2.税申告や納税の内容とスケジュール
法人は、法人税や所得税などの税金を申告納税しなければなりません。それにまつわる業務も、経理が担当します。
主な仕事内容
税額は決算書を元に計算されることになります。決算が確定した後、それぞれ確定申告書を作成します。手続きは煩雑になる上、法人税の申告には財務諸表や科目内訳所など多数の帳票の提出が必要になります。
中小企業の場合は税務上の優遇制度が多く用意されているため、自社が利用可能な制度を上手く利用することも大切なポイントになります。
申告・納税時期やスケジュール
課税期間終了の日の翌日から2ヵ月以内に、確定申告書を所轄税務署に提出し、申告します。期限内に申告しないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課され、最終的な支払額が大きくなるため注意が必要です。
経理事務が行う年次業務の仕事内容をチェック3.年末調整の内容とスケジュール
従業員の源泉徴収は、年間の給与所得の予測に基づいて行われます。しかし給与は年の途中で変わることも多いため、源泉徴収された金額と実際に支払うべき金額が一致しないことが普通です。これを正しく計算し過不足を埋めるのが年末調整です。
主な仕事内容
その年の1月1日から12月31日までの間の給与額を用意。その合計額から所得控除額を差し引き、所得税の税率を当てはめて税額を求めます。
源泉徴収した税額の方が、実際の税額よりも大きい場合は差額を還付します。逆の場合は差額を徴収する形になります。
時期やスケジュール
年末調整は12月末、その年最後の給与支払い時期に実施されることが多いです。従業員に書類を提出してもらう必要が生じることもあるため、余裕を持って準備することが必要です。
経理事務が行う年次業務の仕事内容をチェック4.償却資産の申告とスケジュール
償却資産とは、会社が事業のために使っている「土地、家屋以外の」事業用資産のことです。デスクやパソコンの他、工場で使用する機械装置などが当てはまり、1月1日を基準にその資産をまだ持っているか、そしてその税額などを計算することになります。
主な仕事内容
1月1日時点で所有している償却資産を申告し、その内容に沿って税金が計算されます。
償却資産申告書、種類別明細書などを作成、申告する形になります。
時期とスケジュール
申告書の作成提出は年明けすぐになります。まず必要になるのが、1月1日時点での償却資産の確認です。既に廃棄しているものは対象外となります。必要ないのに課税されてしまった、ということがないよう、注意しておきましょう。
経理事務が行う年次業務の仕事内容をチェック5.次年度の予算編成とスケジュール
多くの会社では、年度初めに1年間の目標を立てます。「お客様に満足していただく商品作り!」というような目標も大切ですが、それを実現するための具体的な数字を出します。これが予算です。
主な仕事内容
予算編成業務では、経営者の意思や各部署の要望などをヒアリングし、売上高や費用、利益といった予算を策定していきます。
時期とスケジュール
3~4ヶ月ほどの期間をとって予算編成を行っている企業が多いですが、より短期での編成を求められることが多くなっています。あまりに時間をかけていると、経済環境が変わってしまい予算と実態が合わなくなることがあるからです。
会社規模が大きくなれば、それだけ判断材料が増えることになるため、編成にかかる時間は増えます。大企業の場合12月まで次年度の経営方針や事業計画が練られ、年が明けてから予算編成が始まり、3か月かけて完成させるというスケジュールになることが多いです。
重要な仕事内容を正確に行うために経理事務が求められる能力
経理は企業のお金を扱う仕事です。それだけに多くの業務を正確にこなすことが求められます。そのためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
計画性と実行力
経理の仕事はいくつものサイクルから成り立っています。適切なタイミングで適切な仕事をこなすためには、計画性と実行力が欠かせません。
パソコンスキル
会計システムを使って仕事をする以上、パソコンスキルは欠かせません。苦手でも確実にスキルアップを目指していくことが求められます。
コミュニケーション能力
経理は会社内の様々な部署と接点を持つことになります。納品の確認をすることもありますし、時には期日厳守を要求することもあります。そのため単に人当たりがいいだけではなく、締めるところは締めるといったメリハリあるコミュニケーション能力が求められるのです。
経理事務はやりがいがあり自身のキャリアアップにつながる仕事
経理事務は仕事内容が複雑なため、慣れるのに時間がかかります。お金を扱うため重要な業務も多く、プレッシャーを感じることも多いかもしれません。しかしお金を扱わない会社は存在しないため、業界が変わってもつぶしがきくという大きなメリットがあります。
特に女性は結婚や出産によって退職や転職を余儀なくされることが多いのが現実です。しかし経理事務経験者はどんな会社でも重宝されるので、働き口に困ることはないでしょう。女性には特におすすめの仕事です。
会社にとって重要な仕事を行うということは、やりがいを感じることができるということでもあります。経理と聞くと地味なイメージがあるかもしれませんが、社会人として確実にスキルアップすることができるので、ぜひ挑戦してみてください。