労務管理のスペシャリスト社会保険労務士
総務の仕事には、社会保険労務士の資格も役立ちます。オフィスの防災や保安業務、社員の健康管理などは総務の仕事の１つになりますので、社会保険労務士の試験科目である、労働者災害補償保険法や労働基準法に関する知識は、活用する場が多くなるかもしれません。労務管理や雇用保険法などについても学びますので、業務のとりまとめ役である総務にはとくにおすすめの資格でもあります。社会保険労務士は国家資格であり、試験も難関と言われていますが、しかるべき準備をして臨めば合格は夢ではありません。その後の独立なども可能になってくるため、キャリアアップにも役立つでしょう。
多くの場合、社員が加入する健康保険や雇用保険、年金の手続きなどは総務のセクションで行われます。人事部などがとくに設けられていない会社の場合は、実際、こういった福利厚生に関する業務も総務スタッフが担当することになるでしょう。社会保険労務士の試験では、雇用保険法や健康保険法といった法律が試験科目に含まれており、基礎からしっかりと知識を身につけることができます。付け焼き刃にならない実力がつきますので、総務の仕事をするときにも周囲から頼りにされる可能性があります。各種保険や年金の手続きはときに複雑になりますが、労務管理のプロがいれば、企業側としても安心です。
社会保険労務士の試験を受ける場合は、まず受験資格をクリアしているかどうかを確認しておきましょう。申し込みの際には、受験資格を証明する書類を提出するのが1つのルールになっていますので、応募をする前に準備しておくことが肝心。社会保険労務士の試験は試験範囲が広いことで有名で、当日の試験時間も数時間に及びます。したがって、受験するに当たってもかなりの集中力が必要になってくる試験です。ただ、こういった難しい試験の場合、合格してから得られるメリットが予想以上に大きくなります。総務の仕事で経験を積み、後に独立する、というキャリアも選べるようになるでしょう。
企業の信用を守る個人情報保護検定
個人情報保護検定も、ぜひ検討しておきたい資格になります。総務スタッフは、個人情報の取り扱いにも日々注意を払わなければなりません。個人情報保護法が施行されてからは、頻繁に企業の情報漏洩がニュースに取り上げられています。一度このような情報漏洩が発生してしまうと、社会的な信用が落ちてしまうケースも実際に多く見られます。セキュリティ態勢が甘かった、などの要因があると、企業全体の評価が悪くなってしまうのが問題です。個人情報保護検定の問題には、マイナンバーについての内容も含まれていますので、総務の現場で役立つ知識を身につけたいときにももってこいの資格となるでしょう。
個人情報保護検定の試験には、例えば以下のような内容が含まれます。
- 個人情報に関する事件、事故
- 組織体制の整備
- 物理的管理の実務知識
- 技術的管理の実務知識
個人情報を安全に扱うためのノウハウをマスターするのが、この検定の目指すところ。あらゆる情報流出のリスクを踏まえた上で、必要な対策を講じるためのスキルを養います。個人情報保護検定の1級合格者は、マイナンバー実務検定で2級以上を取得すれば個人情報保護士として活躍することも可能。個人情報保護士の認定試験も行われており、よりレベルの高いスキルを養いたい方からは人気です。
膨大な顧客情報を取り扱う企業はもちろんのこと、法律が施行されて以後は、例え扱う個人情報が少なくても、しかるべき情報管理をすることが求められるようになりました。日々の総務の業務では多種多様な個人情報を取り扱いますので、資格を持っていればリスク管理を安心して任せられる人材と、評価してもらえる可能性があります。情報の管理については、社員にも啓発していくことが大切。データの取り扱い方などを社内でレクチャーできる人材がいれば、業務を安心して進められるでしょう。個人情報保護検定は、通信講座や対策講習会、学習用の教材などを利用して準備ができます。自分のライフスタイルに合った方法を見つけて、試験を受けておくのも賢いアプローチです。
仕事が多岐にわたる総務の資格は種類豊富
総務が担当する業務は組織によっても多少の差がありますが、ほとんどの場合、複数の業務を担うことになります。例えば次のような仕事は、総務の代表的な業務と言えるでしょう。
- 消耗品や備品、資産の管理
- 社葬や慶弔に関する業務
- 管理職の秘書的なサポート
- 福利厚生関連の業務
- リスク管理
このような業務に役立つのが、今回取り上げたような資格です。資格を持っていれば、自信を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。一見裏方のように見える地味な仕事でも、資格があるとよりレベルの高いアプローチができるかもしれません。いろいろな業務を学べる総務の仕事は、キャリアを磨くためにもプラスになるケースが多いです。他の職種を希望している方も、一度総務の仕事を経験しておくと、会社の経営について広い視点で考えることができます。
ビジネス関連の資格は、年々増える傾向があります。個人情報保護法の施行やマイナンバー制の導入といった新しい変化が生じると、それに伴って次々に専門資格が登場してきます。マイナンバー実務検定や個人情報保護検定なども、このような時代の変化によって登場した資格です。この手の専門資格は、しっかりと準備をすれば取得すること自体はさほど難しくない場合が多いです。一定の実務経験や業界知識などがあれば、短い期間でレベルの高い資格を取得することもできるでしょう。
総務の仕事の場合は、役立つ資格の種類が多いので、1つと言わず複数の資格にチャレンジしてみるのも、スキルアップの手段になります。一部試験の内容が重複する資格などは、勉強をするついでに合わせて取っておくと効率的。個人情報保護検定や簿記、社会保険労務士などは、他の資格にプラスすることでさらに強力なスキルになります。総務は概して人気が高い職種となるため、資格取得は他の応募者に差をつける上でも役立つアプローチです。もちろん、仕事を始めてからも資格は何かにつけて役立ってくるでしょう。客観的にスキルを証明するためにも、資格取得はおすすめの方法と言えます。
