「研鑽(けんさん)を積む」の意味とは?
「研鑽を積む」は、「研究や学問などに励んで、深く究めることを積む」という意味です。
「研鑽」の意味は、研究を着実に行ったり、学問に励んだりするということです。
「積む」の意味は、繰り返して物事を行うということです。
研究や学問に励むことを積むことを、「研鑽を積む」と表現します。
「研鑽」の「研」の意味は、物事の根本の性質を究める以外に、石で磨くということもあります。
「鑽」の意味も、深く物事を究めるということと同時に、穴を開けたり、削ったりするツールのことをいいます。
「研鑽」の言葉は、繰り返し細工師や職人が行う作業を例えて使われるようになったとされます。
「研鑽を積む」という表現は、このような由来からも、よくその言葉の意味を表現しているでしょう。
「研鑽を積む」の使い方とは?
「研鑽を積む」という言葉は、高いレベルで学問、仕事、職人技、教養のスキルなどを究めるために努力を一生懸命継続しているときに使います。
「研鑽を積む」は、自分のスキルや知識を短い期間の工夫や努力でちょっとのみアップすることではありません。
長期間にわたって毎日努力を継続することで、物事を非常に高いレベルで究めているときに使います。
「研鑽を積む」は、学問や技能のトレーニング、仕事の経験などのいろいろなジャンルの目標に対して一生懸命に努力しているようなときに使うことができます。
「研鑽」を使った言葉とは?
ここでは、「研鑽」を使った言葉についてご紹介します。
「日々研鑽を積む」
「日々研鑽を積む」の意味は、時間を惜しんで昼も夜も深く学問、スキル、教養などを究めるために努力をすることです。
自分の高い目標を常に意識して、努力を寝る間も惜しんで行うことで、その道の一流の人は仕事でも学問でも日々研鑽を積むことが多くあります。
「日々研鑽を積む」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼は、金属を加工する技術について日々研鑽を積んだことによって一流の職人としてのスキルをマスターした。」
- 「英会話のコミュニケーションスキルについては、日々研鑽を積んで普通に海外でも仕事ができるまでになった。」
「自己研鑽に励む」
「自己研鑽に励む」の意味は、すでに自分が持っているスキルや知識、ノウハウなどのレベルをよりアップするために努力することです。
「自己研鑽に励む」は、自分のスキルや知識、人格をアップするために工夫、努力を継続することです。
「自己研鑽に励む」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「自己研鑽に励んだ武士は、二刀流の他の人を寄せ付けない達人としての実力を体得した。」
- 「建築や料理で一流の職人になるには、自己研鑽に励む必要がある。」
「研鑽を積む」の敬語表現とは?
「研鑽を積む」の敬語表現としては、「積む」の箇所を変えた次のようなものなどがあります。
- 研鑽を積んでまいります
- 研鑚を積みます
- 研鑽を積む所存です
- 研鑽を積んでください
- 研鑚を積まれた
- 研鑚を積んでいただきたく思います
このような敬語表現において、「研鑚を積まれた」を除いたものは、研鑽を自分が積むときのものになります。
また、「研鑚を積まれた」の敬語表現は、研鑽を目上の方が積んだことについていうときに使います。
「研鑽を積む」の類義語とは?
ここでは、「研鑽を積む」の類義語についてご紹介します。
「探究する」
「探究する」は、「調査、研究などによって深く物事の仕組みや本質、意味を把握する」ことという意味になります。
「研鑽を積む」の意味は、「深く学問、スキル、教養などを究めるために努力する」ことがあるため、物事の本質や道理を把握するために努力して研究をする「探究する」が類義語になります。
「精進する」
「精進する」は、「一生懸命脇目も振らないで努力する」という意味で、「仏道修行に日々励む」ということをもともとは意味していました。
しかし、現在、「精進する」は集中して一つのことについて努力するという意味で使うときが多くあり、「研鑽を積む」の類義語になります。
「腕を磨く」
「腕を磨く」は、「現在の自分の実力、スキル、知識をトレーニングしてアップする」という意味になります。
「研鑽を積む」の意味は、「特定のジャンルの実力、スキル、知識をアップするために一生懸命努力する」という意味があるため、自分の実力をアップするためにトレーニングする「腕を磨く」が類義語になります。
「切磋琢磨する」
「切磋琢磨する」の意味は、お互いに仲間同士で励まし合いながらアップする、あるいは学問などに励むということです。
「琢」の意味は石を打つことで、「磨」の意味は磨くことで、もともとの意味は細工品の手が込んだ素晴らしさ、高い細工師の技術を例えた表現です。
「研鑽」の意味は素材を加工することであるため、共通点が言葉の由来にもあります。
「切磋琢磨する」は、「研鑽を積む」と学問などを究めるということでは同じシーンで使われますが、「研鑽」には仲間同士でお互い励まし合いながらアップするというニュアンスは含まれていません。
「研鑽を積む」の対義語とは?
ここでは、「研鑽を積む」の対義語についてご紹介します。
「怠慢を重ねる」
「怠慢を重ねる」の意味は、義務や仕事を怠けて怠るということです。
「研鑽を積む」の意味は深く励むことを積むということであるため、「怠慢を重ねる」が対義語になります。
「慢」の意味としては、怠ける、怠るということ以外に、長引いいてだらだらするということもあります。
「怠慢」の漢字からは、怠けて漫然とする様子が見て取れます。
四字熟語としては、「職務怠慢」というものもあります。
「無為徒食」
「無為徒食」の意味は、何もしないで、日々や時間を無駄に過ごすということです。
何もしないことが「無為」で、仕事をしないで遊んで暮らすことが「徒食」です。
ぶらぶらと仕事をしないで遊んで暮らすような人を、「無為の人」あるいは「無為徒食の人」というときがあります。
「無為徒食」は、「研鑽を積む」というような暮らしとは対極にあるものです。
「研鑽を積む」の英語表現とは?
「devote oneself to one’s studies」が、「研鑽を積む」の英語表現になります。
「devote」の意味は、時間などを捧げるということです。
「devote」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「We devoted ourselves to our studies day and night.」(私たちは日々研鑽を積んだ。)
- 「We devoted oneself to one’s studies for many long years.」(長年にわたって私たちは研鑽を積んだ。)