「処遇」の意味とは? 使い方や「待遇」との違いなどを解説




「処遇」の意味とは?

「処遇」は、対処して待遇することという意味です。

「処遇」は、会社で社員の待遇を上層部が変更するときに使います。

「対処」は「処」を使っているため、状況が何かしら変化して対応するために実施されます。

特に優れた成績の社員にボーナスを与えたり、トラブルのみを起こしている社員を解雇したり、格下げしたりするというように、「処遇」はネガティブにもポジティブにも使います。

なお、福祉業界における「処遇」の意味はちょっと違っています。

福祉業界における「処遇」の意味は、福祉サービスを利用する人にサービスを充実させたり、サービスを行なったりすることです。

「待遇」の意味で単純に使われるときもあります。

例えば、「介護職員処遇改善加算」があります。

「介護職員処遇改善加算」の目的は、介護スタッフに対する「処遇」を改善する、つまり給料面を底上げすることによって待遇を改善するものです。

このように、「処遇」は全く「処分」「処置」とは違った言葉であるため注意しましょう。

なお、「処遇」という言葉がいつ頃から使われるようになったかははっきりしていません。

「処遇」の使い方とは?

ここでは、「処遇」の使い方についてご紹介します。

「処遇を受ける」「処遇を与える」

「処遇」は、「処遇を受ける」や「処遇を与える」などとよく使われます。

例えば、「処遇を与える」は部下に対して上長が評価して対応を何らかすることで、「処遇を受ける」はこの対応を部下が受けることです。

「処遇を受ける」「処遇を与える」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「経歴に応じた処遇を受けることは、社員として当然である。」
  • 「今回の間違いでは、何らかの処遇を受けるだろう。」
  • 「前の年度の業績に応じた処遇を与える。」

「処遇を決める」

「処遇を決める」の意味は、評価をして、対応を何らか決定するということです。

例えば、「あなたの考えを聞いてから処遇を決定しよう」といえば、ネガティブな「あなたのいい分を聞いてから処分を決定しよう」という評価になります。

一方、「現場の責任者の考えを反映してから、処遇を人事部として決定しよう」といえば、ポジティブな「現場の考えを考慮した正当な取扱・評価をしよう」という意味になるでしょう。

いい・良くないなどの表現でも「処遇」は使われる

「処遇」は人事評価に使われるときが多いため、やはり昇進・降格というような意味合いであると考えられがちですが、「処遇」の意味としては「相応の対応・取扱」という意味があるため、いい・良くないというような意味で使われるときも多くあります。

例文としては次のようなものなどがあります。

  • 「急な依頼に先日対応しためか、経理に対する営業部の処遇がいい感じがする。」
  • 「評判が患者にはいい医師であるが、病院内での処遇は良くないようである。」

地位について「~として処遇する」と使う

「処遇」は「処遇する」という表現で使うときもあります。

例えば、「部長として処遇する」というように、職務や地位についていうときに使うことが多くあるでしょう。

労働環境の改善の給与アップなどに対して「処遇改善」は使う

「処遇改善」というのは、「労働環境の改善」をいうときが多くあります。

例えば、福利厚生の休暇制度などの充実や給与アップなどがあります。

介護スタッフに対する国の制度が「処遇改善加算」「処遇改善手当」である

近年、日本においては介護スタッフの労働環境がニュースになりますが、この介護スタッフの「処遇改善」のための国の制度が「処遇改善加算」や「処遇改善手当」です。

介護スタッフの「処遇」を改善するための手当としては、介護保険サービスで決まった一定率をベースに算出された金額が加算されます。

しかし、介護保険サービス以外では介護系の同じ職種でも対象になりません。

独特の意味で「処遇」が医療・介護の現場では使われる

医療・介護の現場では、先にご紹介した「処遇改善加算」の他にも、独特の意味で「処遇」が使われることがあります。

例えば、精神医学の「処遇」は、トラブルを起こした被疑者の深層心理、精神状態などを調査することをいいます。

介護の現場では、利用する人に福祉サービスを行なったり、これらを充実させたりすることです。

「待遇」と「処遇」の違いとは?

「待遇」の意味は、社会人になって会社に入って、社員に対して会社が行う「段取り」であるといえるでしょう。

「待遇」の意味には、会社に入ってから、全く「処罰」も「評価」もされない新入社員に対する対応が含まれています。

一方、「処遇」は、会社にある程度勤務しており、一定の評価がこの社員に対して生まれたときから行われる対応というように、「評価」が必ずプラスされる対応になります。

この「処罰」や「評価」をわける基準としては、仕事上の間違いや手腕に対する評価基準、間違いをした後の事後処理に対する評価、企画立案数、出勤数、イベントや企画などに対する評価などが考慮され、その社員が現在就いている地位や役職などが参考にされます。

「処遇」の英語表現とは?

ここでは、「処遇」の英語表現についてご紹介します。

「treatment」「dealing」「deal」

「treatment」の意味は処理、「dealing」の意味は取引、「deal」の意味は対処です。

「disposal」「punishment」

「disposal」の意味は処分、「punishment」の意味は処置・処分です。

「management」「settlement」

「management」の意味は乗り越えさせる、「settlement」の意味は落ち着かせるということです。

英語では、いくつもの意味が1つの単語にあるときが多くあり、「処遇」の意味も、前後の文脈から意味を汲み取る必要があります。

ここでは、「treatment」「dealing」を使った例文についてご紹介します。

「This country’s political foundation has bad condition. Therefore, the specific treatment would be needed for this country. 」(この国の政治的な土台は良くない状態である。そのため、特別の処遇が必要になるだろう。)

「Employee A’s achievements show wonderful results. By all means, we give him appropriate dealing as reward. 」(非常にA社員の功績は素晴らしいです。会社は、ぜひA社員に対して、褒賞として適切な処遇をする必要があります。)




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RUN-WAY編集部

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