あなたには、習慣がありますか? 例えば寝坊してしまうとか、ついお菓子を食べてしまうとか、そのような悪習もあれば、寝る前に瞑想する、毎週ブログを更新するなどの習慣もありますね。
しかし、習慣にしようとしたのに出来なかったこともあるでしょう。なぜ習慣化できる時とできない時、できる目標とできない目標があるのでしょうか。その違いはどこからくるのでしょうか?
今回は、結果のでる習慣の付け方のポイントをご紹介していきます。
本気で習慣を変えたいのに変わらない3つの理由
「本気で習慣を変えたい!」と思っているのに変えられないのはどうしてなのでしょうか。習慣が変わらない理由として、ここではおおきく3つの理由をあげていきます。それぞれの理由について、詳しくチェックしていきましょう。
理由1.人は現状維持を望む生き物だから
人は、無意識のうちに「いまのままでいたい」と思い込んでいます。それは、新たな習慣によって生まれるかもしれないリスクを避けるためです。
毎日同じ時間に起きて、同じ電車に乗って、同じ場所で働く。そこに何か新しいことを始めようとしても、ルーティンが崩れることを無意識に恐れます。現状維持を望んでしまう私たちにとって、新しい何かを始めて習慣を大きく変えるのは簡単なことではないのです。
理由2.習慣を変えにくい環境におかれているから
無意識な現状維持願望以外にも、あなたが習慣を変えられない要因があります。
それが、環境です。
人間は自分の意思で行動しているようにみえて、実は環境による影響を大きく受けています。例えば、仕事が夜勤の場合、眠るべき昼に仕事を帰るのが難しかったり、家族で食事を肉をメインに食べていた人が、急に1人だけ野菜だけに変えたり出来ないのと同じです。
何かを始めるにしても何かをやめるにしても、環境に流されてしまうようでは人生を変えることは難しいのです。
理由3.習慣を変えるために何をすべきか分からない
そもそも、習慣を変えるために何をすればいいかわからない方もいらっしゃるはず。「何」の部分が明確ではないから、行動に移せないのです。
どんなことに気をつけて、どんなことをしていけば習慣をかえられるか明白になれば、きっとすぐにでも行動に移せるでしょう。
習慣について知っておくべきこととは
習慣なぜ変えられないのか、おおまかに分かったところで、ここでは習慣を本気で変えたいと望むなら、まず知っておかなければいけないことを学びましょう。
習慣に対して、根本的なところで理解するためには、「人は期待に対してどのような反応を示すのか」を知らねばなりません。
人は、新しい習慣を獲得する際、無意識に自分に対して何らかの期待をします。期待があるから、リスクも考えてしまうのです。
だからこそ、期待に対しての反応の仕方を理解する必要があるのです。
すべての人は、「自分で課す期待」と「外から課される期待」への反応によって4つのタイプに分類することができます。『人生を変える習慣のつくり方』より引用させて頂きながら、自分傾向を知っていきましょう。
アップホルダー(約束を守る人)
外から課される期待と自分で課す期待の両方に進んで答えようとする
アップホルダーは、期待に応えることで周りからの評価を得ようとするタイプです。一度決めたスケジュールはしっかりと守り、周りの期待と自分の期待を裏切らないように努力します。そのため、アップホルダーは、決められたルールを守ることに対する苦労はほとんどしません。
欠点としては、一度決めたことに固執し過ぎてしまう傾向があるという点です。筆者もこのアップホルダータイプなのですが、出かける時など、行き当たりばったりができず、事前に決めた場所を回ろうとするなど、柔軟性にかける部分があります。
また、守るべき秩序がないような環境も、あまり得意ではないようです。
クエスチョナー(疑問をもつ人)
あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ答えようとする
クエスチョナーはその名の通り、疑問から物事をスタートさせる人です。
外から課される期待にも、「自分の中にやる意味を感じられない」「疑問が残る」場合は、やるのを嫌がります。
しかし、ただ単にやりたがらないのではなく、
クエスチョナーは多くの情報を欲しがり徹底的に調べるため、知識が豊かです。
ですから、習慣として周りがこれをやろうと決めても、自分の中での腹落ちしていないと続きません。
オプライジャー(義務を果たす人)
外からの期待には進んで答えるが、自分で課す期待にはうまく答えられない。
オプライジャーは、他人の期待を裏切ることを最も恐れる人です。そのため、強制して何かをやらされる環境に身を置くのが向いています。
それなのに自分で自分に課す期待に関しては価値を見いだしにくいのです。自分自身の期待に答えるためにも周囲の期待が必要になります。
献身的にいろんなことをサポートしてくれる人が多く、尽くし体質の人は大体がオプライジャーだと思われています。
レブルー(抵抗する人)
外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発する。
レブルーは期待というものを強く嫌います。内外問わず、あらゆる期待に反発します。反発しながら、自分のやりたいことは自分で選び、自由に行動することを望みます。
クエスチョナーにも近いですが、レブルーの方がより自分の心に正直です。そして、疑問よりも自分で判断することに高い価値をおきます。
ですから、周りが決めた習慣は受け入れられませんが、周りが反対しても、期待していなくても、自分が選んだ習慣ならば、それを毎日継続するのは難しくないそうです。
自分を知るのは本当に難しい
上記のようにタイプで分けてみると、自分がどこに該当するのか分かりやすいのではないでしょうか。日本人ではこの4タイプのなかでほとんどが、クエスチョナーかオプライジャーに該当するそうです。レブルーは非常にすくなく、アップホルダーはさらに少ないと言われています。
まずはこの4タイプの傾向を知った上で、自分がどんな性質を持っているのかを具体的に把握しておく必要があります。
理想の自分が本質の自分を邪魔する
自分を知るということは、本当はとても難しいことです。その大きな理由のひとつが、「理想の自分」です。
だれであれ、「こういう人間でありたい」「こんな人になりたい」という理想を持っています。例えば、自分の理想の人が「青色」が好きだとします。自分は本当は「赤色」が好きだけれど、理想の人に近づきたいという気持ちから、自分の中でどこか無理して、青色が好きだと思いこんでいる、などです。
こういった現象を、心理学では「認知バイアス」といいます。認知バイアスとは、上記で示したように、ある対象を評価する際に、自分の利害や希望に沿った方向に考えが歪められたり、対象の目立ちやすい特徴に引きずられて、ほかの特徴についての評価が歪められる現象です。
だれかの真似をして習慣を作っても、それが自分にフィットするとは限りません。だからこそ、朝方か夜型か、短距離型か長距離型かなど、自分の性質を客観的に理解しなければならないのです。そのうえで、自分にとって一番効果的なやり方を見つけましょう。
自分を知るのに最適な3つの手段
自分の性質を正しく知るためには、まず自分の行動を測定してみましょう。測定するものは時間の使い方、お金の使い方、口にしたもの、何でも構いません。自分の行動を実際に測定すると、自分に対する理解度が深まります。
自分への理解度が深まれば、自分をコントロールする力が高まります。そうすると、今自分がやろうとしている「習慣」に自分の貴重な時間やお金、エネルギーを投資することが適切なのか、判断しやすくなるのです。
習慣を変えたり新しく始めるのは容易いことではありませんが、決して不可能ではありません。ここからは、習慣を大きく変える3つの手段について解説します。
今やっている習慣を変える
習慣を変える方法として、一番取り掛かりやすいのが「今行っている習慣に何か加える・減らす」ことです。
私たちの毎日は、生活習慣・食事習慣・運動習慣など、さまざまな習慣によって構成されています。「毎日同じことの繰り返し」と感じている方は多いと思いますが、これは習慣に変化がないことが原因です。
『習慣=日々の生活』なので、全く新しいことを入れ込むよりも、いつも行っている習慣を変える方が取り入れやすいのです。
できれば、悪いと思いながらもやめられない習慣を断ち切ることを行ってほしいのですが、切るというのは難しいもの。急に変えると、逆にいらだって暴飲暴食に走ってしまう可能性もあります。すこしずつ減らしていって、なくてもいい状態へ持っていければ最もベストです。
人間関係を変える
習慣は、人間関係にも大きくかかわっています。思い切った方法ではありますが、自分に大きな影響を及ぼしている人間関係を変えたり交友関係を見直すことで、いままで習慣化していたことを変えることができるのです。
また、便利なコミュニケーションツールでありながらも、現代人のストレスに大きく関わっているSNS。「コメントが少ない」と悩んだり、「イイネ!しなきゃ…」と義務感にかられ、SNS疲れを感じているのであれば、SNSと一度距離を置いてみるのもおすすめです。
実はSNSは、他人と自分を比較してしまうツールでもあります。SNSと距離が近い人ほど、SNSから離れるだけで、他人の視線が気にならなくなるはずです。
他人から受ける影響が大きいからこそ、対人・人間関係を変えるのは、習慣を変えるのに効果的なのです。「人間関係にストレスを感じている」という方ほど、少し離れてみることで「ラクになった」と感じるケースが多く、大きな変化を感じられるはずですよ。
環境を変える
もっとも大きな習慣の変え方が、「環境を変えること」です。
私たちは、外部から受ける影響で自分自身の生活・人生が決まっています。環境を変えるということは、外部から受ける影響が変化するということです。そのため、習慣もおのずと変わってきたり、新しい習慣を作りやすくなったりします。
環境を変える手段はいくつかありますが、一番大きく環境を変えられるのが、引っ越しです。引っ越しをするだけで「暮らす部屋の雰囲気」「窓から見える景色」「行動範囲」「行きつけのお店」など、さまざまなものが変化します。
すると、身の回りが変化することで、習慣も大きく変化します。もちろん引っ越しばかりしているわけにはいきませんから、自分好みの服をそろえたり、部屋の模様替えをしたり、知らない場所に行ってお気に入りのお店を探索するのもおすすめです。
自分が置かれている状態がガラっと変わる方法ほど、高い効果を実感できますよ。
まとめ
習慣を変えるのは簡単ではなりませんが、変えやすいやり方は確実に存在します。「習慣を変えたい」と思っているのであれば、行動を起こすことが大切です。行動なしに、人生を変えることはできません。
もちろん、一気にすべてを変える必要はありません。無意識のうちに現状維持を望む人間にとって、新しい行動を起こすのは勇気が必要です。まずは「自分が今できること」から始めてみましょう。小さな習慣でも、いずれは必ず大きな習慣になっていくはずですよ。