皆さんは「戦略」と聞くとどう思われますか？ 戦略とは、戦いの作戦だけではありません。仕事や企画を立てる際に必要な「計画」を、いかに正確に行動する力なのです。今回は、そんな「戦略」を学べる映画を６選紹介します！
スパイ映画から戦略を学ぶ
映画では、「クライムムービー」として智略をいかした多くのクライムヒーローを生んできました。イギリスのスパイ組織も祖国へ尽力をする任務を請け負っています。果たして彼らの考える戦略とは……？ 世界を相手どって大掛かりな作戦を仕掛けた、主人公たちの戦略を学びましょう。
スパイ・ゲーム
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今やハリウッドのトップ・スターであるブラッド・ピットが、出世作「リバー・ランズ・スルー・イット」のメガホンを取っていたロバート・レッドフォードと初共演。2人 の役どころは、CIAのベテラン・スパイと、かつての愛弟子。監督は「トップガン」「トゥルー・ロマンス」のトニー・スコット。北京での非合法工作に失敗し、拘束されてしまった愛弟子を救出するために、引退間際 のスパイがそのネットワークと知力を駆使して奔走する。
- 2001年製作／128分／アメリカ
- 配給：東宝東和
- スタッフ・キャスト
- 監督 トニー・スコット
- 製作 ダグラス・ウィック マーク・エイブラハム
- 脚本 マイケル・フロスト・ベックナー デビッド・アラタ
スパイの師匠と弟子の信頼を描いた映画です。新年のために、弟子がミッションに失敗してしまい、敵につかまってしまいます。ただ、彼はスパイなので、当局は関知してくれませんでした。それを師匠が知ったのが、引退するその日だったのです。
CIAの本部にいながら、本部内にいる味方さえ欺いていき、弟子であるスパイを鮮やかに救っていきます。ほかの人が見ないようなところを見て、戦略を立てていく姿は、現在のビジネスにもつながるところがあるはずです。
オーシャンズ11
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フランク・シナトラ主演の「オーシャンと十一人の仲間」（60）をリメイク。ラスベガスの地下に眠る金庫から1億5000万ドルを盗み出すという、前代未聞の現金強奪計画のために、11人のプロフェッショナルが集結した！ 監督を務めるのは「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア、マット・デイモンといった、超豪華な出演陣が話題。
- 2001年製作／117分／アメリカ
- 配給：ワーナー・ブラザース映画
- スタッフ・キャスト
- 監督 スティーブン・ソダーバーグ
- 製作 ジェリー・ワイントローブ
- 原案 ジョージ・クレイトン・ジョンソン ジャック・ゴールデン・ラッセル
- オリジナル脚本 チャールズ・レデラー ハリー・ブラウン
- 脚本 テッド・グリフィン
強大な敵に、チームで対抗していく「プロの犯罪集団」の話です。見ているほうも度肝を抜かれる演出が魅力ですね。
用意されるのは、相手のいろいろなところを熟知していないと全く成功しない作戦ばかり。下調べを徹底的に行っていく姿は、犯罪者といえど、感服してしまいますよね。それぞれの役割をプロフェッショナルとして果たしながら、それを統率するリーダーの力もすさまじいものです。ビジネスシーンでも、チームで働くことは多いはず。オーシャンズチームに倣って、それぞれがしっかり役割を果たしながら、チームで成功を勝ち取ってみてください。
戦いの中から戦略を学ぶ映画
戦いの中では、数々の戦略によって大きく戦局を左右しました。そんな彼らの戦略は、ビジネスにも通じるものがあります。ここでは、「バトル」という戦いと、「人生」という戦いのなかで戦略を学んでいきましょう。
オール・ユー・ニード・イズ・キル
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桜坂洋のSFライトノベル「All You Need Is Kill」（集英社スーパーダッシュ文庫刊）を、トム・クルーズ主演でハリウッド実写化。「ギタイ」と呼ばれる謎の侵略者と人類の戦いが続く近未来を舞台に、同じ時間を何度も繰り返すはめになった兵士が、幾度もの死を経験し、成長していく姿を描く。戦闘に対して逃げ腰な軍の広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐は、戦闘経験が全くないにもかかわらず最前線に送り込まれてしまい、あえなく戦死。しかし、死んだはずのケイジが意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる前に戻っていた。再び戦死するとまた同じ時間に巻き戻り、不可解なタイムループから抜け出せなくなったケイジは、同様にタイムループの経験を持つ軍最強の女性兵士リタ・ヴラタスキに訓練を施され、次第に戦士として成長していく。戦いと死を何度も繰り返し、経験を積んで戦闘技術を磨きあげていくケイジは、やがてギタイを滅ぼす方法の糸口をつかみはじめる。
- 2014年製作／113分／G／アメリカ
- 配給：ワーナー・ブラザース映画
- スタッフ・キャスト
- 監督 ダグ・リーマン
- 製作 アーウィン・ストフ トム・ラサリー ジェフリー・シルバー グレゴリー・ジェイコブズ
- 原作 桜坂洋
オーシャンズ11は「ワンチャンス」のために綿密な計画を練っていきますが、こちらのオール・ユー・ニード・イズ・キルは、「何度も繰り返す」ことで成功を勝ち取っていく映画です。作戦を考え、どのような方法が最適化を考えるトライアンドエラーの姿勢は、やはり企業での仕事をしていくうえでも通ずるところがあります。
タイムリープものならではではありますが、主人公が全く何もできない軍人だったところから、ヒーローになっていくのはやはり何度も失敗を繰り返したからの「経験値」だと思い知らされます。主人公の成長を見ているのが非常に面白く、肉体的にだけでなく精神的な成長もみられます。
敵ももちろん学習するのですが、それに対しても何度も主人公が立ち向かっていきます。初めてのことでも、それまでの経験や訓練が役に立ち、確実な成長を見せてくれるのは爽快です。
オーロラの彼方へ
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恋人との別離に苦悩する刑事ジョン（ジェームズ・カヴィーゼル）にとって、30年前に殉職した消防士の父フランク（デニス・クエイド）は、誰よりも妻を愛し、息子のジョンを「リトル・チーフ」と呼び、とびきりの愛情を注いでくれたかけがえのない存在だった。もし父が生きていたら…そう思わない日は一日たりとてなかった。ある日、ジョンはクローゼットの奥から父の形見の無線機を発見する。オーロラの輝く夜、ある男との交信に成功したジョンは、無線機の向こうで男が自分の子供に「リトル・チーフ」と呼びかけるのを聞き、愕然とする。ジョンが無線機で交信した男は、なんと30年前に死んだ父フランクだったのである。くしくもその日は消防士の父が救助中に事故死する、まさにその前日であった。ジョンは必死にフランクに別の脱出ルートを使えば助かることを伝える。翌日、無線機の前で祈るジョンの目に信じられない光景が映った。机の上に彫り込まれていくメッセージ…「まだ生きてるぞ」。それは未来が変わった瞬間だった。だが、このことによって全く予想もしなかった大事件が発生してしまうのであった…。
- 2000年製作／117分／アメリカ
- 配給：ギャガ＝ヒューマックス
- スタッフ・キャスト
- 監督 グレゴリー・ホブリット
- 脚本 トビー・エメリッヒ
こちらの映画は、戦略を学ぶというよりも、「仕事に疲れた」「仕事がつらい」というときに見ていただきたい映画です。
父親を愛していた主人公にとって、「父親が死んでしまっている」という事実が「覇気がなくなる」という現実につながっています。オーロラのせいで、過去と現在がつながった不思議な世界。父親が死なないために、多くの努力をしていく主人公。「死なないためのいいこと」をしたつもりなのに、「ほかの悪いこと」が生まれてしまいます。主人公は、何度も何度も「ほんのちょっとした変化」をしていくことで、未来を切り開いていくのです。
刑事としての仕事にも精を出し、成長していく主人公。ラストに向かって、欲しかったものを一つ一つ手に入れられるのは、勇気ももらえる名作といえるでしょう。
ビジネス系の映画から戦略を学ぶ
ビジネス系の映画といえど、それぞれの作品では頭脳戦や、やり取りが繰り広げられ、観ているこちら側もグイグイと引き寄せられる魅力があります。戦略力を学ぶ一助に、ぜひ参考にしてみてください。
空飛ぶタイヤ
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テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名ベストセラー小説を、長瀬智也主演で新たに映画化。ある日トラックの事故により、1人の主婦が亡くなった。事故を起こした運送会社社長、赤松徳郎が警察から聞かされたのは、走行中のトラックからタイヤが突然外れたという耳を疑う事実だった。整備不良を疑われ、世間からもバッシングを受ける中、トラックの構造自体の欠陥に気づいた赤松は、製造元であるホープ自動車に再調査を要求する。しかし、なかなか調査が進展を見せないことに苛立った赤松は、自ら調査を開始。そこで赤松は大企業によるリコール隠しの現実を知ることとなる。長瀬が主人公の赤松役を演じる。監督は「超高速！参勤交代」シリーズの本木克英。
- 2018年製作／120分／G／日本
- 配給：松竹
- スタッフ・キャスト
- 監督 本木克英
- 原作 池井戸潤
- 脚本 林民夫
弱小企業と大手企業の対立を描いた映画です。いっぱしの運送会社がいくら頑張っても、ひねりつぶされるのではないかと思わせられながら見ていきます。
主人公側の従業員への想いや会社への想いはありつつ、敵である大会社ならではの「会社を成り立たせなければならない」という思いも描かれます。
大きい企業になればなるほど、部署同士のつながりが薄いことも描かれていますし、逆に零細企業ではまとまらないと生きていけない現実が、リアルに描かれています。
それでもやはり、主人公側の弱小企業がくらいついていく根性はすさまじいものがあります。大企業のあらを地道に集めていき、最終的には勝利するのです。大企業であっても、中小であっても、コミュニケーションが重要なのだと気づかせてくれる映画です。
エリン・ブロコビッチ
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第73回アカデミー賞でジュリア・ロバーツが主演女優賞を受賞。作品賞、監督賞ほか5部門にノミネートされたスティーブン・ソダーバーグの監督作。カリフォルニアの小さな町に住むエリンは、幼い子供を3人も抱えているのに仕事もお金もなく、しまいには車の衝突事故に遭い怪我までする始末。雇った弁護士エドは和解金を取れず、借金はかさむ一方だ。窮地に追い込まれたエリンは、エドの弁護士事務所に押しかけて居座り、エドはしぶしぶ彼女を雇い入れる。不動産関係のファイル整理を任された彼女は、ある書類に不審を抱いて調査を始め、大企業が引き起こした周辺地域の水質汚染に気付く。
- 2000年製作／131分／アメリカ
- 配給：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- スタッフ・キャスト
- 監督 スティーブン・ソダーバーグ
- 製作 ダニー・デビート マイケル・シャンバーグ ステイシー・シェア
- 脚本 スザンナ・グラント
大企業PG&Eの水質汚染に対して訴訟を起こし、アメリカ史上最大の和解額を勝ち取る実話です。公害訴訟という重いテーマながら主人公の見掛けや下品な言葉遣いからは想像できない卓越した調査力、正義感とのギャップがエンタテインメント性となりユニークな社会派ドラマに仕上がっています。
途中にエリン・ブロコビッチ本人も出てきます。そこまで難しい内容ではなくて、観やすい映画だと思います。働くことの意味を考えさせられる映画です。
まとめ
良質なエンターテイメントは気づきを与えてくれますが、気づくのは自分です。
気づくつもりがあるなら、学びを得るつもりがあるなら、どんなものからも学ぶことができます。
そして、学ぶだけでなく、自分の生活や仕事に生かしてこそ、意味があるものです。
迷った時、前に進みたい時に是非今回紹介した映画を見てみてくださいね。
