「ガーゴイル」の意味とは?
「ガーゴイル」というのは、英語にフランス語のガルグユが入ってきたもので、古くは水の流れる音という意味のラテン語の「gar」といわれています。
「ガーゴイル」は、お寺などの雨樋の先にある外に雨水を流すものです。
「ガーゴイル」の姿は、蝙蝠(こうもり)のような羽が生えていることもある悪魔を象った石像です。
古代ギリシャの建築などにも「ガーゴイル」の起源は見られ、雨水がライオンの口から流れだすものなどもありました。
普通、パイプが胴体の中に通っており、水を口から外に流すようになっています。
しかし、「ガーゴイル」は、現在はこの機構がない飾りのための石像もあります。
建物に恐ろしい石像を付ける理由は、日本の鬼瓦をイメージするとよくわかるでしょう。
本物の災厄を、恐ろしい姿の作り物を据えることによって追い払おうという考えです。
建物としての「ガルグユ」には、違う言い伝えもあります。
かつて、広大な沼地がセーヌ川の左岸にはあり、「ガルグユ」という怪物がここに住んでいました。
これは水を口から吐くドラゴンあるいは大蛇で、洪水を起したり、船を転覆させたりするなど、いろいろな良くないことを行っていました。
7世紀のルーアン大司教の聖ロマンは、囮(おとり)に死刑囚を使って陸に「ガルグユ」をおびき寄せ、手に持った十字架でおとなしくさせます。
そして、儀式の時に司祭が身につける首にかける帯のストラを引き綱のように使って、町中に「ガルグユ」を連れて行って、人々に殺させました。
「ガルグユ」の死体は燃やしましたが、大聖堂に燃え残った首のみは置いて神の力の証にしました。
「ガルグユ」を退治するのを手助けした功として、命を死刑囚は助けられました。
このときから、聖ロマンの後の司教には、死刑囚に1年に1人のみ恩赦が与えられるという特権が与えられました。
1790年まで、この恩赦の特権は保持されました。
水をこの怪物の首が吐くということから、建物の「ガーゴイル」になったという言い伝えです。
いずれにしても、「ガーゴイル」は怪物ではなく、石像です。
しかし、今にも動きそうな不気味さから、石像の怪物として現代のポップカルチャーの中で使われるようになりました。
これが、「ガーゴイル」の怪物としてのスタートです。
「ガーゴイル」が見られる場所とは?
ここでは、「ガーゴイル」が見られる場所についてご紹介します。
パリのノートル・ダム大聖堂
パリのノートル・ダム大聖堂は、12世紀初め~13世紀に建てられた代表的なフランスの壮麗な大聖堂です。
天井までは32mも高さがあります。
雨どいの機能がある「ガーゴイル」が、聖堂の壁面にはいくつも突き出すような形で取り付けられています。
また、パリのノートル・ダム大聖堂の象徴の一つでもある、鐘塔基部の上にある小悪魔像は、「ガーゴイル」といわれるときがありますが、正しくは「グロテスク」と美術用語でいわれるものです。
「キマイラ」と一般的にいわれています。
これらは装飾として19世紀の修復のときに取り付けられたもので、雨どいの機能がないため、正しくは「ガーゴイル」とは違いますが、「ガーゴイル」から生まれた彫刻というのは間違いないといえます。
ケルン大聖堂、ミラノ大聖堂など
「ガーゴイル」は、ヨーロッパのそれぞれの都市に作られたケルン大聖堂やミラノ大聖堂などのゴシック建築の大聖堂の壁面にあります。
12世紀~16世紀にかけて、ゴシック様式の聖堂は建てられました。
また、「ガーゴイル」は大聖堂以外にも、ヨーロッパの古い一般建築の大きな建物に取り付けられているときがあります。
「ガーゴイル」と「グロテスク」の違いとは?
水を屋根から運ぶ注ぎ口のある彫刻された石の「グロテスク」が、「ガーゴイル」です。
つまり、「ガーゴイル」は彫刻された人物で、普通、水が口から芽生えている醜い奇妙な生物の頭が含まれています。
普通、「ガーゴイル」は細長い動物の頭です。
頭の長さが、水を壁から投げる距離を決めます。
さらに、「ガーゴイル」という言葉は、「食道」あるいは「喉」という意味のフランス語の「ガーゴイル」に由来します。
「ガーゴイル」はグラファイトで普通できており、ゴシック様式の建物や古い教会に見られます。
過去には、人々は「ガーゴイル」を多くの目的で使っていました。
「ガーゴイル」は、有害な霊、悪霊、あるいは望まない霊から守ると信じられていました。
さらに、装飾としても「グロテスク」は機能しました。
しかし、主な「ガーゴイル」の目的は、損傷を建物に与えることがある雨水の排水でした。
ラテン語の洞窟に、「グロテスク」という言葉は由来します。
「グロテスク」の意味は、小さい洞窟、くぼみです。
形容詞としての意味は、それは醜い、幻想的な、不快な、あるいは嫌なことです。
「グロテスク」は、歪んだ形や形を表現するときによく使います。
「グロテスク」は、建築では古い様式の建物や古い教会で見られる石の彫刻です。
さらに、「グロテスク」は幻想的あるいは神話的な生物です。
このようないくつかの彫刻には、ドラゴン、悪魔の像、動物と人のハイブリッドが含まれます。
「グロテスク」の別名が「ギンザメ」です。
「ガーゴイル」のように、「ギンザメ」は装飾と保護のために使われました。
「ガーゴイル」は、普通は醜い奇妙な生物の頭のような形で、古い建物の石の装飾的な彫刻です。
一方、「グロテスク」は、建物から雨水を投げ出す動物あるいは人の形の注ぎ口で、屋根の側溝から突き出ています。
主な「ガーゴイル」と「グロテスク」の違いは、「ガーゴイル」は芽が口から出ますが、「グロテスク」には含まれていないことです。
「ガーゴイル」は、雨水を排水し、悪霊から守るのに役に立ちます。
一方、「グロテスク」は、装飾と保護のアイテムとして主に機能します。
「ガーゴイル」の英語表現とは?
「gargoyle」が「ガーゴイル」の英語表現になります。
「gargoyle」の意味は、雨樋の機能がある怪物などの形の彫刻です。
なお、フランス語では「gargouille(ガルグイユ)」、イタリア語では「doccione(ドッチオーネ)」、ドイツ語では「Ausguss(アウスグス)」、中国語では「石像鬼(シィーシャングイ)」になります。