【よく分かる解説】育児休業給付金って何?給付条件や申請方法を解説




働く女性にとって、子どもが生まれた場合お金に関しても心配ごとが多いと思います。
そんなときに欠かせないのが「育児休業給付金」。

育児休業給付金について名前は聞いたことがあっても細かいことはわからない方も多いかもしれません。

今回は、そんな方のために、育児休業給付金について、分かりやすく・詳しくご紹介します。
会社の総務部などを通して手続きすることも多いですが、頭に入れておいた方がスムーズで安心です。

育児休業給付金とは?

育児休業給付金というのは、簡単に言えば「育休中に国からもらえるお金」のことです。
育児のために仕事を休業する場合は、収入が減ってしまいお金がどうしても必要になります。
育児休業給費金は、その間の家計を支えるために国が給付しているお金ということですね。

ちなみに、この給付金は非課税となっています。
また、育児休業給付金は、父親・母親に関わらず、条件に当てはまればもらうことができます。

育児休業給付金がもらえる条件は?

育児休業給付金をもらうためには、いくつかの条件を満たさなければいけません。
給付金を受け取る前の条件・給付期間中の条件に分けて、ご紹介します。

給付を受け取る前の条件

給付を受け取る前の条件は、以下の4つです。

  1. 子どもの年齢が満1歳未満
  2. 雇用保険に加入している
  3. 育休を開始した日までの2年間で11日以上働いた月が12ヵ月以上ある
  4. 育休後に退職予定がない

子どもの年齢が満1歳未満

育児休業給付金は、基本的に子どもが1歳になる前日まで支給されます。
なので、子どもが満1歳未満であることが前提です。

ちなみに、夫婦共働きで育休を取得した場合は、子どもが1歳2ヶ月になる日の前日まで育児休業給付金を支給してもらえる「パパママ育休プラス制度」というものもあります。

支給期間の延長については、後ほど詳しくご紹介します。

雇用保険に加入している

育児休業給付金のが支給されるためには、雇用保険に加入している必要があります。
なので、雇用保険に加入していれば正社員でくパートで働いていても、給付金が受けられることになりますね。

こういった条件があるため、自営業者や雇用をされていない経営者の方は対象外になってしまいます。

育休を開始した日までの2年間で11日以上働いた月が12ヵ月以上ある

また、育休を開始した日までの2年間で「11日以上働いた月」が「12ヶ月以上」なければいけないといった条件もあります。

ただし、その期間中に病気などで働けなかったり、転職などで会社が変わっている場合は、条件が緩和されるなどして給付金を申請することができるケースもあるので、しっかり確認することをおすすめします。

育休後に退職予定がない

育休期間が終わったら、職場復帰をするのが原則なので、育休後に退職することが決まっている場合は給付金をもらうことができません。

育休期間中に退職が決まった場合、それまでにもらった給付金を返金する必要はありません。
ただし、育児休業給付金は1ヶ月ごとに区切られた期間(支給単位期間といいいます)ごとに給付されるため、退職する場合は退職日が含まれる支給単位期間からは給付金が受け取れなくなります。

給付期間中の条件

給付期間中の条件は、以下の2つです。

  1. 育休期間中に会社からもらっている賃金が休業開始前の8割未満になっている
  2. 育休中の1ヶ月ごとの就業日数が10日を超えていない

育休期間中に会社からもらっている賃金が休業開始前の8割未満になっている

育休中でも会社から賃金が支払われているケースの場合は、この条件がつきます。
育休中に会社から支払われた賃金が8割以上の場合は、育児休業給付金をもらうことはできません。

育休中の1ヶ月ごとの就業日数が10日を超えていない

育休を開始してからの1ヶ月ごとの支給単位期間の間で、就業している日が10日を超えてしまうと、育児休業給付金をもらうことはできません。

ただし、10日を超えている場合でも、就業時間が月80時間以下であれば支給されるので大丈夫です。

育児休業給付金の支給期間

育児休業給付金をもらえる期間は、どのようになっているのでしょうか?
女性の場合は出産の翌日から8週間は産後休業になります。
その産後休業が終了してから、育児休業を開始することができます。

基本的には育児休業開始から、子どもが1歳になる前日まで、育児休業給付金が支給されます。

ちなみに、男性の場合は出産予定日から育児休業を開始できるので、その期間から子どもが1歳になる前日まで育児休業給付金が支給されます。

支給期間を延長することもできる

育児休業給付金をもらえる期間は、基本的には子どもが1歳になる前日までですが、この期間延長できるケースはあるのでしょうか?

実は、条件を満たせば、最大2歳になるまで伸ばすことができます。
ただし、一気に2歳まで延長することはできません。
まずは1歳6ヶ月まで延長して、その後条件を満たしていれば2歳まで延長することができます。

延長する条件

育児休業給付金を延長する条件は、2つあります。
1つ目は、「パパママ育休プラス制度」を利用した場合です。
パパママ育休プラス制度とは、父親・母親の両方が育休を取得する場合に利用できる制度のこと。
この制度を利用すれば、1歳2ヶ月までが支給対象になります。

2つ目は、子どもが1歳になっても受け入れ先の保育所が決まっていない場合です。
この場合は、支給期間を最大2歳まで延長することが可能です。

延長方法については、次の「育児休業給付金の手続きの流れ」にて、まとめてご紹介いたします。

育児休業給付金支給の手続きの流れ

育児休業給付金がもらえる条件についてや、支給期間の延長についてご紹介しましたが、実際にはどのような流れで手続きするのでしょうか?

ここからは、育児休業給付金支給に必要な書類や申請方法をご紹介いたします。

必要な書類

育児休業給付金支給のために必要な書類は、以下の通りです。

  1. 育児休業給付支給申請書
  2. 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  3. 育児休業給付受給資格確認票(初回のみ)
  4. 支給申請書の内容が確認できる書類(賃金台帳、出勤簿 など)
  5. 育児を行っている事実が確認できる書類(母子健康手帳 など)
  6. マイナンバーカード、もしくはマイナンバーカードの通知書

こうして見ると多く感じますが、⑤、⑥以外は会社が用意してくれる場合がほとんどです。
続いて、申請の方法についてご紹介します。

申請の方法

育児休業給付金を申請するためには、会社に申請手続きをしてもらう場合と、会社が用意した書類を使って自分で申請手続きをする場合の2パターンがあります。
どちらの場合も最終的には、勤務先所在地管轄のハローワークに提出する形になります。

会社に申請手続きをしてもらう場合は、「育児休業給付金支給申請書」「育児休業給付受給資格確認票」を勤務先から受け取って記入すれば、勤務先が申請を行ってくれます。
この2つと、マイナンバーカードのコピーなどの添付書類をすべて勤務先に提出すれば大丈夫です。

自分で申請手続きを行う場合は、「育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票」を最寄りのハローワークで自分で入手するか、インターネットでダウンロードする必要があります。
ハローワークに実際に行く場合は書き方などをその場で教わることも可能です。

基本的には会社が申請手続きを行ってくれるのが普通ですが、勤務先で育休取得の前例がない場合自分で行わなければならないケースもあります。

またどちらの場合も、2ヶ月ごとの申請が必要です。
会社が申請手続きをしてくれる場合、2回目以降の支給申請では「育児休業給付金支給申請書」のみ用意すれば大丈夫です。

延長の方法

延長する条件を満たしている場合、育児休業終了予定日(子どもの1歳の誕生日前日)の2週間前までに申請をすれば、支給期間を延長をすることができます。

延長を行う場合、2ヶ月ごとの申請の際の「育児休業給付金支給申請書」とあわせて、延長の必要があるかを証明する書類を勤務先に提出する必要があります。

延長の必要があるか証明する書類というのは、保育所への入所保留を証明する書類などがそれに当たります。

こうした書類をハローワークがチェックした上で、延長されるかどうかが決められます。

また、「パパママ育休プラス制度」を利用する場合は、育休自体が始まる1ヶ月前までに書面での申し出が必要です。

この場合は、育休を申請する際に先ほどの書類に加えて

  • 世帯全員分の住民票のコピー
  • 配偶者の育児休業取扱通知書の写し

を会社に提出しましょう。

支給額について

育児休業給付金の申請方法までをご紹介しましたが、具体的にはいくらぐらいもらえるのでしょうか?

ここからは、支給額についてご説明いたします。

計算方法

育児休業給付金の1ヶ月当たりの支給額は、以下のように計算されます。

【育休開始から180日】
休業開始時賃金日額×支給日数(通常は30日)×67%

【育休開始から181日目以降】
休業開始時賃金日額×支給日数(通常は30日)×50%

分かりにくいかもしれませんが、例えば休業開始前の6ヶ月で合計180万円の賃金が入っているとします。

180万円を180で割った額10,000円が1日あたりの賃金。
上の計算式に当てはめて、10,000×30×0.67になるので、201,000円の給付金をもらえる計算になります。
これは、育休開始から180日までなので、181日目以降は50%になります。

また、この計算の「賃金」とは手取り額ではなく給与額面になるので、注意しましょう。

2020年12月1日現在の支給額の上限と下限は?

育児休業給付金の支給額には上限と下限があります。

【育休開始から180日】
305,721円

【育休開始から181日目以降】
228,150円

支給上限額を超えていると、上限額までの支給になります。
下限額を満たしていない場合は下限額まで引き上げられます。

これらの上限額や下限額は、毎年8月1日に変更される場合があります。

育児中にもらえる給付金は他にもある?

育児休業給付金について詳しくご紹介しましたが、実はこれ以外にも育児中にもらえる支援金があります。

これからご紹介する支援金は、育児休業給付金と両方受け取ることも可能です。

ここからは、その他の支援金をご紹介しましょう。

児童手当

児童手当は、0歳から中学校を卒業するまでの児童がいる人が国からもらえる支援金です。
支給額は毎月10,000~15,000円です。

児童手当を受け取るためには、「現況届け」という書類を、1年に1度役所に提出する必要があります。
こういった書類は市区町村によって内容が違うので、お住まいの自治体に確認するようにしましょう。

出産手当金

出産手当金は、会社で加入する健康保険からもらえる手当金です。
産休中に給料をもらえなかった場合受け取ることが可能です。

申請時には会社に「健康保険出産手当金支給申請書」を用意してもらい、提出する必要があります。
申請期間は産休に入った日から2年以内となっていますが、忘れてしまわないように早めに提出するようにしましょう。

出産育児一時金

先ほどの出産手当金と名前が似ているため混同しやすいのが「出産育児一時金」です。
名前が似ていますが、こちらは出産そのものにかかる費用を助成してくれるための制度で、もらえる額も大きく異なります。

出産後協会けんぽへ2年以内に届け出をすれば、1児につき42万円が支給されます。

まとめ

育児休業給付金について、申請の条件や支給期間・申請の方法をご紹介いたしました。
ややこしいように感じる部分もあったかもしれませんが、育児休業給付金は育児や生活の支えとなる大事な給付金です。

この記事でわからなかった部分は会社への相談を行うのもおすすめです。
育児休業給付金について正しく理解して、休業期間に役立てましょう!




RUN-WAY編集部

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