「先輩。実はわたし、退職しようと思っているんです」。これは、人の上に立つものとして避けられない申し出の一つかもしれません。退職というのは、部下にとって人生に大きくかかわる決断ですが、上司にとっても、大きな出来事であることは間違いありません。
部下から「退職したい」という申し出を受けた時、どんな意識を持ち、どんな対処をするのが上司としてしなくてはならないことなのか、考察していこうと思います。
まずは部下の退職理由の本音を聞き出す
上司としてまずすべきなのが、退職理由の丁寧なヒアリング。
仕事を辞めたいと思う理由がポジティブな場合、例えば「成長のために別のステージでチャレンジしてみたい」、「本当にやりたい仕事が見つかった」というような場合は、気持ちよく送り出してあげるのが、上司としての務めでしょう。
しかし、職場の人間関係などに問題を抱えていたり、仕事に嫌気がさしたりと、ネガティブな理由での退職が圧倒的に多いのが実情。部下の心理を考えても、その場合は正直に理由を口にはしません。じっくりとヒアリングを行い、本当の退職理由をしっかり聞き出しましょう。