実は意外と多い、日本のハラスメントまとめ【ライター/粕谷麻衣】




「ハラスメント」といった言葉が社会的に認知されるようになり、多くの企業でコンプライアンスの見直しや、社内の意識改革に臨むケースが見られるようになりました。

しかし、まだまだハラスメントを根絶できているとは言い難いのが事実。本ページをご覧の方の中にも、ハラスメントを受けたことがある、もしくはハラスメント行為であると指摘されたことのある方もいるのではないでしょうか。

また、日本のハラスメントは実にさまざまなものがあり、「これもハラスメントになるの?」といった事例もあります。

そこで、今回はよく知られているハラスメントから、あまり知られていないハラスメントまで幅広くご紹介します。

そもそもハラスメントとは

ハラスメントについて、なんとなくイメージはできるけれど、具体的にどのような定義があるのかは知らない…といった方は多いのではないでしょうか。

ハラスメントとは、相手が不快な気持ちになるような行為をしたり、相手の尊厳を傷つけたりすることです。場合によっては、立場を利用した脅し行為もハラスメントに該当します。

いやがらせやいじめといったニュアンスもあり、基本的には相手が不快であると捉えれば、その行為はハラスメントに該当することが多いです。

実はアレも!日本のハラスメントまとめ

日本にはさまざまなハラスメントが存在しますが、まだまだ知られていないものも少なくありません。

ここからは、よく知られているハラスメントについて改めて理解を深めつつ、認知されていないハラスメントも見ていきましょう。

セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメント(セクハラ)は、性的な言動・行動でのハラスメント行為です。

異性に対して、不用意に体に触れたり、性的な言葉を浴びせたりするほか、性的な接触を強要することも挙げられます。

一般的には、男性から女性に対してセクシャルハラスメントが成立するイメージがありますが、女性から男性に対する性的な言動・行動のハラスメントもセクシャルハラスメントに該当します。

セクシャルハラスメントに性別の差はないので、女性側も男性に対する接し方には配慮が必要です。

パワーハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)は、職場で自分の地位や立場、人間関係の優位性を利用したハラスメント行為です。具体的には「上司が部下に対して精神的な苦痛を与える」「特定の業務を命令し、指示に従わなければ減給すると脅す」などが挙げられます。精神的な苦痛だけではなく、身体的な苦痛もパワハラに該当するため、地位や立場を利用した暴力行為もパワーハラスメントとして認められます。

マタニティハラスメント

近年話題になることが増えたハラスメントでもあるのが、マタニティハラスメント(マタハラ)です。マタニティハラスメントとは、妊娠や出産、育児のために制度を利用することを理由に解雇や減給などを行うことです。また、同僚などが従業員の妊娠・出産・育児をきっかけに嫌がらせをすることも、マタニティハラスメントに該当します。

モラルハラスメント

モラルハラスメント(モラハラ)とは、倫理や道徳観から外れた言動・行動のことを指します。具体的には、人格を否定するような言動や意図的に相手を無視するような行動など、主に精神的な暴力のことです。

職場だけではなく、一般的な家庭でも見られることがあり、家庭に悪影響を及ぼす例も多いことが話題になっています。

パタニティハラスメント

パタニティハラスメントは、妻が妊娠や出産したこと、もしくは育児休暇などを取得することを理由としたハラスメント行為です。マタハラとは異なり、男性に向けられたハラスメントであり、実際に「男のくせに育児休暇なんて取得するのか」といった言動を受けたといったケースもあります。

時代の変化に伴い、徐々に「育児は女性がするもの」といったイメージは減少しつつありますが、職場によっては男性の育児参加を快く捉えることができないところもあるのが現状です。

アルコールハラスメント

アルコールハラスメント(アルハラ)は、お酒を飲む場での迷惑行為のことです。一般的に知られているのは、お酒を飲むように強要することであり、上司・部下の関係性で見られることがあります。「お酒を飲まないというと上司が不機嫌そうな態度になる」「飲めないと言ってもお酒を注いでくる」など、アルコールハラスメントで悩む方は少なくありません。

また、アルコールハラスメントは、お酒の強要だけではなく、酔っぱらって周囲や他の来店客などに迷惑をかけることも挙げられます。

スメルハラスメント

気がつかないうちに加害者となってしまっている場合も多いスメルハラスメント。

スメルハラスメント(スメハラ)とは、「ニオイ」で周囲を不快にさせるハラスメントのことです。たとえば、周囲が不快になるようなキツイ香りの香水をつけているもしくは、つけすぎていたり、体臭で周囲に迷惑をかけていたりすることがあります。

ただ、スメルハラスメントは、周囲が指摘しにくい部分でもあるため、一人ひとりが周囲に配慮するような心がけが重要です。

ハラスメントハラスメント

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)とは、部下から上司に対する、一般的に知られているハラスメントとは逆の立場からの迷惑行為です。主に、上司からの指導や指摘に対して、それが一般常識の範疇であっても「それ、ハラスメントです」と訴えるような行為を指します。

遅刻した部下に注意をしたり、仕事のやり方についてアドバイスをするだけでも、ハラスメントと声を上げる事例が増えていて、多くの企業でも問題になっている状況です。

終われハラスメント

終われハラスメント(オワハラ)は、就職活動中の学生に対する企業のハラスメント行為です。

顔を合わせている場面で「内定を出すから他企業へすぐに辞退の連絡をしてほしい」といった行動のことで、企業の独断でその学生の就職活動を終わらせようとします。

オワハラが起きる理由は、入社予定だった学生の内定辞退にあり、学生を悩ませるハラスメントの一つとなっています。

ブラッドハラスメント

ブラッドハラスメント(ブラハラ)は、血液型診断や誕生日など、曖昧な基準で相手の性格を決めつける行為です。「血液型がO型なら、あなたは仕事を適当にこなすタイプだよね」といった発言はまさにブラッドハラスメントであり、相手を不快にさせてしまいます。

また、逆に「この時期に生まれた人は優秀って言われているし、あなたに期待してるから」といった相手に期待を寄せる発言もブラッドハラスメントに該当する場合があるので注意してください。

まとめ

本ページでは、ハラスメントについてご紹介しました。

ご紹介した通り、さまざまな種類のハラスメントであり、いずれも相手や周囲を不快にさせるものです。知らないうちにハラスメントの加害者になっていることもありますし、不愉快な気分になりながらも、ハラスメントと知らずに我慢している方も少なくありません。

ぜひ、今回触れた内容を参考にしながら、ハラスメントについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

粕谷麻衣

ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。




RUN-WAY編集部

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