転職活動において、必須ともいえる「面接」のプロセス。しかし、転職を検討する大半の方が、面接を苦手としている状況です。日常生活の中では投げかけられることのない質問の数々に戸惑うのは当然のことでしょう。
しかし、面接はあらかじめ「どんな質問に対してどう答えればいいのか」を準備しておくことで、スムーズかつリラックスして臨みやすくなります。
そこで、今回は面接に不安を感じている女性に向けて、質問の例題や模範回答、短所を聞かれた場合に使える「長所への言い換え術」について解説します。
面接の重要性について
必ずしも面接だけで採用・不採用が決まってしまうわけではないものの、面接の際の受け答えの内容は、採用を検討する際の大きなヒントとなります。
もちろん、面接官の印象を良くするために、嘘をつく必要はありません。とはいえ、社会人として不適切な回答をしたり、あまり自社で活躍してもらえなさそうといった想像につながるような回答は避けたほうが無難です。
また、面接ではコミュニケーションスキルや、論理的に話すスキル、言葉遣いなどもチェックしています。業種によっては、取引先やお客様と話す機会があるため、失礼なくコミュニケーションが交わせるかを面接を通して確認していることも多いです。
そのため、面接では社会人としてふさわしいふるまいを心がけ、質問に対する返答も印象が悪くなるような内容は避けましょう。
面接での質問の例題と模範回答
ここからは、面接でよくある質問の例題と、模範回答についてご紹介します。
「こんな質問がきたらどう回答すればいいの?」と不安に感じている方は、ぜひ以下の質問・回答の例文を参考にしてみてください。
なお、以下の内容はあくまでも例なので、自分なりにアレンジしたり、より自分の良さが伝わるように付け加えたりして活用してみましょう。
自己紹介について
面接の序盤では、まず「自己紹介」に関する質問を促されます。自分がどのような人物であるのかを簡潔に説明することが求められるため、だらだらと話しすぎないよう、長くても1~2分程度で話しましょう。
【質問例】
- 自己紹介をお願いできますか?
- 職務経歴についてお話ください
- 前職の退職理由についてお聞かせください
【模範回答】
「○○ △△と申します。前職では、web制作会社でwebマーケターとして従事しておりました。おもに、企業のコーポレートサイトや、オウンドメディアなどのディレクションやアクセス解析などに携わり、日々クライアントのために「どうしたらユーザーを増やせるか」を考えて業務を行ってきました。
昨年は、自分がチームリーダーとして手掛けたサイトが、1年で〇%成長し、クライアントの売り上げが〇万円プラスになりました。
しかし、前職の企業は、美容メーカーのクライアントが多く、ほかの業界の案件に携わることが少ないことから、自分の成長には限界があるのではと考え、転職を検討することといたしました」
簡潔に話すことが大切ではあるものの、「自己紹介できるような内容がない」と、短すぎてしまうのもNGです。
仮に、実績や功績がなかったとしても、過去にどのような経験を積んできたのか、回りとどのように協力して業務を行ってきたのか、等をアピールしましょう。
自己PRについて
自己紹介などの、序盤の質問が終わると次に「自分の強みや弱み」などについて話すよう促されることが多いです。質問の例としては、以下のような内容が多いでしょう。
【質問例】
- あなたの長所・短所は何ですか?
- 将来的にはどのような働き方・ビジョンをイメージしていますか?
- 当社があなたを採用する場合どのようなメリットがあると考えますか?
【模範回答】
「私の長所は、任された業務を最後まで遂行できる粘り強さと、諦めない精神力です。責任感も強いため、途中で投げ出したり、他人に任せて押し付けるようなこともありません。
実際、前職ではクライアント指定の納期が短いうえに、チームが結成間もない頃で、当時ディレクターをしていた私は日々大変な時期を送っていました。
しかし、投げ出すことなく、目の前だけではなく全体を俯瞰して見ながら、何とか納品にまで漕ぎつけた経験があります。
一方で、心配性な部分が短所ではあるものの、慎重に物事を進めていけるため、ミスを軽減できる性格であると考えています。
もし、御社が私を採用してくださった場合、ほかのチームメンバーと協力しながら、私が前職で培ってきた知見を共有し、よりクライアントの要望に応えられるような制作物の制作サポートを実現したいと思います」
長所や短所のアピールについては、具体的な過去のエピソードと絡めることで、より説得力が増します。
過去に勤務していた会社で、面接で使えそうな体験がないかを思い出してみましょう。
逆質問について
逆質問とは、面接官が「応募者側から何か質問はあるか?」といった、質問をすることです。応募者としては、自分が疑問に感じていることを質問して解消できるシーンであるため、貴重な時間です。
しかし、一方で「応募先企業に対して何も質問が思い浮かばない」といったケースも少なくありません。
逆質問を促されて「特にありません」と応えてしまうと、応募への熱意が足りないといった思わぬ誤解を招くことになるため、以下を参考にしながら対策をしておきましょう。
【質問例】
- 最後に、何か質問はありますか?
- 入社にあたって疑問点などはありますか?
- 当社について何か質問はありますか?
【模範回答】
- 「もし入社に至った場合、○○部に所属されたらどのような仕事を任せていただけますか?」
- 「入社に向けておさえておくべき情報や、業務のスキル・知識などはありますか?」
- 「御社で活躍するために必要なスキルや知識について教えていただけますか?」
逆質問では、応募への熱意が感じられる内容が望ましいとされています。そのため、入社に向けた質問や、入社後の疑問などに触れておくといいでしょう。
面接で使える「短所」の言い換え術
面接では「短所」に関する質問をされることが多いです。しかし、短所を伝えただけで終わってしまうと、あまり良い印象にはなりません。
一般的な短所は以下のように言い換えることができるため、短所を伝えつつも、その短所がメリットにもなりうることをアピールしましょう。
- せっかち → 行動が早い
- マイペース → おおらか
- 協調性がない → 主体性がある
- 人見知り → 時間をかけてしっかりと人間関係を築ける
- 飽きっぽい → トレンドに敏感
- 緊張しやすい → 事前の用意が万全にできる
- ネガティブな性格 → 物事を慎重に考える
- 人前で話すことが苦手 → よく考えたうえで発言ができる(失言しにくい)
ほかにも、上記の短所をもとに長所に言い換えられるものは多いです。自分にはどのような短所があるのかを見極め、長所に言い換えるとしたらどのような表現がマッチするのかを考えてみましょう。
まとめ
本ページでは、転職で必須ともいえる「面接」の質問の例題や模範回答についてご紹介しました。
面接は緊張する場面であり、気が重い工程ではありますが、唯一自分をしっかりとアピールできる場面でもあります。
しっかりと対策をして「自社で働いてほしい」と感じてもらえるような対応ができるように準備しておきましょう。
粕谷麻衣
ライター・キャリアコンサルタント。「子育てと仕事を両立したい」「自分らしく働きたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」など、今どきの働き方にフォーカスした情報を発信。取材やインタビューを通して、リアルな声を追求していくことが好き。
自身は一児の子どもを持つシングルマザー。ワーキングマザーとしての人生を楽しく謳歌中。