部下を「指導する」のは何もしていないのと同じです【ライター/トイアンナ】

指導

こんにちは、トイアンナです。まずは想像してみてください。あなたの部下や後輩が、とんでもない失敗をしました。

取引先に謝りはしたものの、長年培った信頼にヒビが入るような事故になりました。事態が落ち着いてから、あなたはどうしますか? おそらく最もありふれた対応は「二度と再発しないよう、厳しく口頭で指導する」のではないでしょうか。

その際、こんな言葉を発すると思います。

「何でこんなことが起きたの。二度と同じミスをしないよう気を付けて」と。残念ですがこういった指導は、この世で最も意味のないコーチングの一つです。

ミスは原因を「個人の責任」以外に見つけるまで終わらない

そもそも、人間が仕事をしている限りは必ずどこかでミスが発生します。それでも現代は、限りなくミスが減少した社会とも言えます。複雑な計算は手作業の代わりにExcelがやってくれますし、マニュアルが充実した職場も少なくありません。Amazon.co.jpを覗けば、どうやってミスを減らせばいいか経営論の教科書も簡単に手に入ります。

そんな現代でもミスが起きるということは、まだ業務システムに改善の余地があるということです。たとえばこの原稿ひとつとっても「努力して誤字を減らす」よりも「2名で誤字チェックをする」方が確実に誤字・脱字が減りそうだと思いませんか? 仕事のミスは、属人的に責めるよりも進め方から見直したほうが効果を発揮するものです。

真面目な人ほど、部下を責めてしまう

しかし、「部下を一人前にしなくては」と気負うまじめな方ほど「もっと厳しく指導しなくては」と口を酸っぱくして指導に力を入れてしまいます。しかし故意にミスを起こしているなら効果もありますが「うっかり」はどうしようもありません。

ハインリッヒの法則によれば「重大事故の陰には29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」そうです。部下が仕事で大きな失敗をしたなら、その前には300回もニアミスが起きたはず。そんな回数のニアミスを努力でどうかしようという考え方こそ、非現実的でしょう。たとえあなたが努力してミスを減らした人間であっても、部下に同じ努力を強いる必要はありません。システムを見直して、ミスが生まれる原因を取り除いてしまえばいいのです。

もしあなたが部下や後輩のミスに悩まされているのなら……。少なくとも悩むくらいミスが起きている時点で、業務プロセスを見直す時期に来ているサインです。その部下が去ったところで、次の人材がさらなるミスをしないとは限りません。「最近の新人ってほんと使えない!」と思ってしまう前に、業務の進め方を見直してみませんか?

トイアンナ

トイアンナ

ライター。新卒で外資系企業に勤めて以来、数百名の消費者ヒアリングを重ねました。その経験から恋愛・キャリアを主なテーマに執筆しています。

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