「餃子の王将」と「大阪王将」って、まったく別の会社が運営しているって知っていましたか? まったく違う会社なんですよ!
今回のインタビューは、「大阪王将」の広報を担当している鳥羽由利子さん。大阪王将を広く知ってもらうために広報としてやっている工夫や、テレビのロケでの失敗談など、興味深いお話をしてくれました。
広報とIRのバランスを取りながら
広報とIRに携わっていて、広報ではプレスリリースの作成・配信や、主に食品・外食の業態PRを担当しています。IRでは、東証一部上場企業なので、投資家向けの情報配信をメインに、決算ごとの資料作成、株主様の対応などをやっています。
少数精鋭でやっているので、取材のオファーが集中したり、さらにそれが年に4回の決算期にかぶるとどちらの仕事も疎かにできないので、広報とIRの仕事のバランスを取りながら仕事をするのは難しいなと思うこともあります。
テレビのロケで、思わず言っちゃった一言が・・・!
昔は広報の部署自体がなくて、媒体に取り上げられることは少なかったですが、私が入社したときに広報IRグループができて、数か月後にテレビ番組に取り上げていただいたんです。しかも簡単な撮影ではなくてメインブランドの大阪王将の商品を知り尽くすような番組だったので、毎日遅くまでテレビ局の人とやり取りさせていただきました。
全国放送だったんですが、放映された時にすごくインパクトがあって、全国的にお店にお客様がどっと押し寄せたんです。そのころ、2番手商品だった水餃子はお店ではあまり知られていなかったんですが、番組で評価をいただいたこともあり会社の主力商品になるまで成長ました。広報としてすごく嬉しかったですね。
一方で失敗したこともあって。私はテレビのロケに立ち会うことが多いのですが、ある関西の番組で収録の最中に急にタレントさんに名前を呼ばれて「商品をアレンジしたものを売ってくれないか」と聞かれたんです。私は「やりましょう!」とその場のノリと勢いでお答えしたのですが、後ですごく会社に怒られました。
お客様にご迷惑をおかけするわけにはいかないので、上の者が加盟店のオーナー様にお願いして実施してくれたおかげで結果的にお客様には喜んでいただけたのですが、加盟店のオーナー様には、私の一言でかなりご迷惑をおかけしました。
ライブドアに転職して4ヶ月であの事件が!
大学では法学部の政治学科で法律と政治を勉強していましたが、教養の科目で勉強した経済の科目がわからなかったんです。でも、わからないのが嫌で、自分にとって難しい領域に挑戦するという意味合いで、証券会社に入社しました。
営業だったのでノルマはあるし、がむしゃらに働きましたね。毎日早く帰りたくて仕方がなくて、同期と飲みに行くのが唯一の楽しみでした。2年働きましたが、私は男の人並みに働きたかった反面、女性としては結婚しても続けられる仕事をしたいなと思ったんです。それで事務方の業務をやってみたくて、アシスタントを募集していたライブドアの金融部門に転職しました。
その頃のライブドアはまさにイケイケドンドン、テレビ局の株を買う買わないという時期だったのですが、入社して4ヶ月でライブドアショックが起きてしまいました。せっかく入ったのに大変なことになりましたが、分社化して独立した金融部門のホールディングスに転籍して、金融部門の広報をやらせていただいていました。
メディアに加え、ブログやSNSも効果的に宣伝に活用!
今の会社に転職したのは、形の見えない金融という商品ではなく、形ある商品を世の中に広めていく業界で広報の仕事をしたいなと思ったからです。ちょうど大阪王将が東京に進出してきて、これから出店を強化していこうとしていたところだったので、ここでなら商品をもっともっと広げていくという仕事ができるんじゃないかと思って入社しました。
最初は自分からメディアや広報の人たちの集まりに飛び込んでいきましたね。そこから大阪王将を認知してもらえた部分もあると思いますし、よく「餃子の王将と大阪王将の違いは?」とか聞かれるんですが、違いを説明すればするほど周囲の方々に認識していただいたと感じています。
当社は食品も外食も最終地点はお客様なので、お客様に届けていくためにブロガーさんやインフルエンサーの方々ともよいお付き合いをさせていただいています。CMなどのメディアと、ブロガーさんやSNS系と、2本の柱をうまく活用して拡散することで、隙間なく商品を露出させるようにしています。
そして、私がFacebookで発信することをメディアの方が読んでくれて取材にきてくれたり、友だちが「ギョウザ買ってるよ」とか「大阪王将が近くにできたよ」とか声をかけてくれると、すごくうれしいですね。
広報の経験をほかの部署でも生かしたい
今はマネージメントの職についていて、若手が育ってくるといいなと思う反面、自分のキャリアを考えたときには広報で終わろうとは思っていなくて。部署の異動もできるので、営業だったり店舗で働いたりすることがあれば、広報の経験があるからこそ見えてくるものを生かしていきたいなと思っています。
在宅勤務の制度もありますし、育児休暇も3年に延長になりました。。せっかくの制度を活用させていただき、プライベートとのバランスを取りながら、今後もこの会社で働いていきたいなと思っています。
やりたい仕事があったら、自分から会社に問い合わせるのもアリ!
やりたい仕事があったら、とにかくトライしてみてほしいなと思います。あえて求人広告は出していないけれど、人はほしいなと思っている会社はあると思うんです。なので、こういう仕事をやりたいんだけどここで働けないかな、良かったらお話聞かせてください、とか積極的に会社に問い合わせるのもいいと思います。意欲的な方にはぜひ、当社にもきてほしいですね。
当社は女性が働ける環境づくりを推進している会社ですので、若い方にはどんどんチャレンジしてほしいです。育休を取っている方も多いです。育休中は、育休中の人たちに集まっていただいて、最近の会社の動きを共有する機会もつくっています。
ワクワクして入社してもらって、プライベートで休暇を取ることになっても、また戻って来ていただけたら素敵だなと思います。
プロフィール
鳥羽由利子さん
大学卒業後、証券会社、ライブドアなど金融系を経て、大阪王将を運営するイートアンド株式会社に入社。広報とIRを担当。趣味は海外旅行。「海外旅行は現地での発見が沢山あって最高ですね。最近では香港や台湾、そして新婚旅行でメキシコのカンクンに行ってきました」