幼稚園教諭は、子供の成長を間近で見られるやりがいのある仕事です。また、幼稚園教諭になるには国家資格が必要ですが、国家試験や実務経験が必要ありません。そのため、キャリアチェンジしたい社会人や社会復帰したい主婦の人にもチャレンジしやすいのも魅力です。
そこで今回は、幼稚園教諭の仕事内容や年収、将来性について徹底解説します。
幼稚園教諭とはどんな仕事?
「幼稚園の先生」と呼ばれる幼稚園教諭は、子供の成長を間近で見られるやりがいのある仕事です。
幼稚園教諭の仕事内容や、保育士との違い、働いている場所について紹介します。また、幼稚園教諭に向いている人や向いていない人、大変なことについても紹介するので参考にしましょう。
幼稚園教諭とは?
幼稚園は、文部科学省幼児教育課が管轄で、学校教育法で規定されている「学校」の一種です。そのため、幼稚園教諭は「教育者」という立場になります。
つまり幼稚園教諭は、幼稚園に通う満3歳から小学校入学までの未就学児を教育する人のことです。
幼稚園教諭と保育士の違い
幼稚園教諭と保育士は、同じだと思っている人もいると思いますが、実際には違う点が多々あります。
幼稚園は、文部科学省が管轄している「学校」の一種です。保育園は、厚生労働省が管轄しており「福祉施設」の一種になります。幼稚園は教育をする場で、保育園は保育をする場です。つまり、幼稚園は教育が目的で、保育園は教育が目的ではないというが大きく異なる点です。
また上記の通り、幼稚園教諭と保育士では根本的な目的が異なるため、取得する資格も異なります。
幼稚園教諭の仕事内容
幼稚園教諭が1日に行う仕事は多岐に渡りますが、大きく分けると次の4つになります。
- 園児の教育
- 保護者とのコミュニケーション
- 片付けや翌日の準備
- 行事の企画や準備
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
■園児の教育
幼稚園教諭は「教育者」のため、メインの仕事は幼稚園に通う園児の教育です。園児1人1人の個性や成長スピードに合わせて楽しみながら学べるようにし、さまざまな可能性を引き出す手助けをします。
また、小学校入学前に必要な集団生活や生活習慣を身に着けさせるのも、幼稚園教諭の大切な仕事です。
■保護者とのコミュニケーション
幼稚園教諭の仕事は、園児と向き合うだけでなく、保護者と円滑なコミュニケーションを取ることも含まれています。園児の登園時やお迎え時に、家庭や幼稚園での様子など情報交換をしながら、園児1人1人に合う教育をしていく必要があります。
また、幼稚園教諭は、担当する園児の体調も把握する必要があります。持病やケガ、アレルギーなどをしっかり把握しなければなりません。そのため、保護者との密なコミュニケーションが必須なのです。
■片付けや翌日の準備
幼稚園教諭の仕事は、園児が園内にいるときだけではありません。園児が帰宅したら、まず教室内を片付け、翌日の準備などに取り掛かります。
準備は広範囲に渡り、季節に合わせて壁に飾りつけをして園児が楽しく過ごせる空間を作るといったことも含まれています。
■行事の企画や準備
幼稚園では遠足をはじめ、運動会、お遊戯会など季節のイベントが数多く実施されています。幼稚園教諭は、それぞれの行事に合わせて企画や準備をする必要があります。
お遊戯会では、舞台を飾り付けたり、小道具を手作りしたりと、忙しくなることもあります。
幼稚園教諭が働いている場所
ほとんどの幼稚園教諭は、公立・私立・国立のいずれかの幼稚園で働いています。
近年は、子育て支援の一環として設立された「認定こども園」で働く幼稚園教諭もいます。こども園は、幼稚園と保育園の両方の機能を備えており、教育と保育のどちらも行うのが特徴です。
こども園で働くには、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持っているのが望ましいとされています。しかし現状は、どちらかの資格を持っている人がほとんどのようです。
また、幼稚園よりも専門性に特化したプログラムを提供する「幼児教室」で働いている幼稚園教諭もいます。知能開発や小学校受験対策など、さまざまな幼児教育が提供されています。
幼稚園教諭に向いている人・向いていない人
■幼稚園教諭に向いている人は、どんな人?
①子供好き
幼稚園教諭は、多くの時間を子供と過ごすため、まず子供好きでないと務まらない仕事です。子供の成長を側で見守れることに生きがいを感じる人は、幼稚園教諭に向いています。
また、子供は自分に愛情を注いでくれる人を自然と見抜くものです。「子供が何故か寄ってくる…」というように、甥っ子や姪っ子、近所の子供に好かれている人も適性があるでしょう
②心身共にタフである
子育て経験がある多くの人が感じることが、子供と向き合うのは体力的に精神的にも消耗するということですよね。「1日の終わりにはグッタリ…」という経験があるママも多いのではないでしょうか?
幼稚園教諭は、園児と接している時間は短くても、1日に何十人もの園児と向き合う必要があります。未熟な園児を1人1人の個性や成長速度に合わせて教育するには、心身共にタフな人でないと務まりません。
③忍耐力があり面倒見が良い人
園児の多くは、幼稚園が初めて親と離れて過ごす場所であることが珍しくありません。そのため、ぐずって泣いたり、不機嫌になったりすることも多いです。幼稚園教諭は、どんな状況でも園児達を温かく見守れる忍耐力のある人が向いています。
また、園児は食事や着替え、トイレなど自分一人ではできないことも多いです。幼稚園教諭は、そういった身の回りの世話をする必要があるため、面倒見が良い人が向いています。
④まめで手先が器用な人
幼稚園の教室は、季節に合わせた飾りなどで園児たちが楽しく過ごせる空間作りがされています。その多くが幼稚園教諭の手作りによるものです。
また、お遊戯会などでは舞台に飾りつけや小道具の作成することも珍しくありません。そのため、工作や裁縫が得意など手先の器用な人は向いているでしょう。
■幼稚園教諭に向いていない人は、どんな人?
①子供が苦手な人
「子供は、かわいい」と思っても、どうしても苦手という人もいるでしょう。幼稚園教諭の仕事は子供に関わる仕事のため、苦手意識がある人は向いていません。
②忍耐力がない人
子供は大人が思うように行動してくれないことが、多々ありますよね。ぐずったり、言うことを聞かなかったりすることも多々あります。幼稚園教諭は何十人という子供を担当するため、「こっちでは泣いている」「あっちではケンカしている」という状況も日常的に起こります。
そういう状況で、イライラしてしまったり、つい声を荒立ててしまったり、忍耐力に欠ける人は向いていません。子供は大人の反応に敏感なため、子供の方から離れていってしまうこともあるでしょう。
幼稚園教諭の大変なこと
幼稚園教諭が憧れの職業だったとしても、大変だと感じることはあります。どのような点が大変なのかまとめました。
①教育の難しさ
幼稚園教諭は、未就学児の教育が主な役割です。「未就学児だから簡単」と思う人もいるかもしれませんが、実際には「未就学児だからこそ難しい」ということもあります。
子供の心理や行動について勉強しても、実際には教科書通りにいかないことが多々あります。また、未就学児は集団生活に慣れていないため、自由気ままに行動することも多く、クラスをまとめるのに苦労する幼稚園教諭もいます。
いずれも経験を積むことで解消される悩みですが、慣れるまでは落ち込んでしまう幼稚園教諭も多いようです。
②保護者との関係
幼稚園教諭は、登園時やお迎えのときに園児の保護者とコミュニケーションを取ることが多いです。「モンスターペアレンツ」という言葉が定着していることからも分かる通り、モンスターペアレンツは一定数いるというのが現状です。
特に幼稚園は、子供にとって初めての学校になるため、神経質になる保護者もいます。運悪くモンスターペアレンツにあたってしまうと、たとえ子供が好きでも仕事自体が苦になり、退職する人もいます。
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