ツアーコンダクターになるには
ツアーコンダクターの仕事は確かにハードですが、日本各地や海外の国々を訪れることができることや、お客さまの快適な旅のお手伝いをできるということなど、魅力も多いものです。ツアーコンダクターになる方法や、必要な資格などをご紹介します。
ツアーコンダクターになるためのルート・やること
高校時代からツアーコンダクターになることを決めているのであれば、専門学校に通って知識を身につけておくのが良いでしょう。ツアーコンダクターになって一人で添乗するには資格が必要ですが、専門学校在学中に資格を取得できます。
また、観光系や語学系など、ツアーコンダクターになるための学部・学科がある大学に進学する方法もあります。もし在学中に進路が変わったとしても、大学に進学していれば幅広い選択肢から就職先を選択できるでしょう。
ただし大学のカリキュラムでは、ツアーコンダクターに必要な資格「旅程管理主任者」を取得できない学校が多いので、ツアーコンダクターになるには専門学校の方が有利かもしれません。
ツアーコンダクターになるために卒業しておかなくてはいけない学校はありませんが、知識を身につけておくことで、観光業界への就職が有利になるでしょう。
最短でツアーコンダクターになる方法
ツアーコンダクターの大半は派遣社員なので、最短でツアーコンダクターになるには、派遣会社への登録が早道です。登録後は説明会、面接、採用という流れになり、その後は座学と実地研修を経て先輩に同乗し、見学しながらスキルを学びます。
それからいよいよツアーコンダクターデビューを果たすことになります。最速で1ヵ月程度です。
どんな試験や資格が必要か
ツアーコンダクターになるために旅行会社に入社したり、派遣会社に登録したりするときは、無資格でも構いません。多くの人は、入社や登録後にツアーコンダクターに必要となる「国内旅程管理主任者」や「総合旅程管理主任者」を取得します。
この2つの資格は「国内旅程管理主任者」が国内のみの添乗、「総合旅程管理主任者」が国内・海外両方の添乗業務が可能になるという違いがあります。資格を持っていなければ、一人で添乗業務をおこなえません。
どのくらいお金がかかるか
基礎添乗業務研修が9,800円、国内旅程管理主任者研修の受験料は26,000円、総合旅程管理主任者研修の受験料は36,000円です。観光系専門学校に通った場合の学費は年間100〜130万円ほどかかります。
ツアーコンダクターの資格について
ツアーコンダクターに必須の資格と持っていたら役立つ資格をご紹介します。
必須の資格
ツアーコンダクターになるためには、「国内旅程管理主任者」や「総合旅程管理主任者」の資格が必要です。「国内旅程管理主任者」は国内のみの添乗、「総合旅程管理主任者」は国内・海外両方の添乗業務が可能になるという違いがあります。
どちらの資格も観光庁長官の登録を受けた機関で研修を受け、添乗実務を経験する必要があります。在学中に国内旅程管理主任者の資格が取得できる専門学校もありますが、就職してから取得する人も多いです。
その場合は次のような流れで資格を取得します。
1.添乗員派遣会社に登録または旅行会社に入社
2.基礎添乗業務研修を受講
添乗業務の基礎を学べる研修で、eラーニングでも受講できます。
3.国内旅程管理主任者研修または総合旅程管理主任者研修を受講
講義とテストがおこなわれます。
4.添乗実務を経験する
国内旅程管理主任者研修は国内ツアーに、総合旅程管理主任者研修は海外ツアーに参加し、有資格者の添乗員に指導を受ける必要があります。旅程管理研修終了日の前後1年以内に1回以上、または3年以内に2回以上の実務経験が必要です。
合格率や難易度
国内旅程管理主任者研修の合格率は98%です。受験者のほとんどが合格しますので、試験の難易度は決して高くありません。
また、総合旅程管理主任者研修の合格率は70〜80%なので、国内旅程管理主任者研修に比べると合格率は下がりますが、それでも難易度はやや低めといったところでしょう。しっかり勉強してから試験に臨めば、資格取得は難しくありません。
その他の持っていると役立つ資格
ツアーコンダクターになるため必要な資格は先ほどご紹介しました「国内旅程管理主任者研修」や「総合旅程管理主任者研修」です。国内旅行専門のツアーコンダクターになりたいのか、海外旅行の添乗もしたいのかによって取得すべき資格が異なります。
これらの資格があればツアーコンダクターとして1人で添乗することができるのですが、この他にも持っておくと役立つ資格がありますのでご紹介します。
- 旅行業務取扱管理者
旅行会社に就職を希望している人は、国家資格の旅行業務取扱管理者資格を持っていると有利になるかもしれません。旅行業務取扱管理者の資格試験は旅行業法に基づいて実施されるもので、旅行パッケージを販売する旅行業者は、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を1名以上選任し、一定の管理及び監督業務を行わせることが義務付けられています。
資格を持っていれば、旅行に関する知識を身につけている証明になりますので、旅行会社への就職を希望する場合は持っておくことで知識をアピールできるでしょう。
旅行業務取扱管理者の資格は、国内旅行のみ取り扱える「国内旅行業務取扱管理者資格」と国内旅行も海外旅行も取り扱える「総合旅行業務取扱管理者資格」があります。
【国内旅行業務取扱管理者】
毎年1回9月頃に試験が実施されます。年齢などの受験資格はなく、試験内容は3科目でマークシート形式です。受験料は5,800円で合格率は40.5%(2019年)です。
【総合旅行業務取扱管理者】
毎年1回10月頃に試験が実施されます。年齢などの受験資格はなく、試験内容は4科目でマークシート形式です。受験料は6,500円で合格率は29.9%(2019年)です。
- 観光英語検定
海外旅行のツアーコンダクターを目指す人は、英語に関する資格を持っておくと役に立つでしょう。就職で有利になるだけでなく、実際に添乗業務をこなす際にも役立つはずです。
英語に関する資格はいくつかありますが、旅行や観光に必要な英語能力を証明できるのが「観光英語検定」です。
2・3級の試験は年に2回、1級の試験は年に1回実施されます。受験料は3級が3,800円、2級が4,800円、1級が10,000円です。2・3級の試験は筆記とリスニングですが、1級の試験は筆記とネイティブとの面接があります。
各級のレベルは3級がTOEICのDレベル(220ー470点)、英検3級程度。2級はTOEICのCレベル(470ー600点)、英検2級程度。1級はTOEICのB・Cレベル(600ー860点)、英検準1級・1級程度です。
2019年に実施された第41回試験の合格率は3級が49.5%、2級が51.5%、1級が7%です。例年2・3級は合格率が50〜60%なのですが、1級は5%程度の狭き門となっています。
*このページは、情報量が多いため3ページ構成となっています。
最後のページでは、
- ツアーコンダクターの年収・給料
- ツアーコンダクターの将来性について
をご紹介しております!