リーダーになるなら不可欠!ファシリテーションスキルってどんな能力?

ファシリテーションスキル




職場のリーダーにはいろいろなスキルが求められます。その中の1つがファシリテーションスキルです。特に担当する会議やプロジェクトを円滑に進めるためには、このファシリテーションスキルが欠かせないと言われています。

リーダーに求められるファシリテーションスキルとは何?

ダラダラと長いだけの会議はそこで働くメンバー全員のモチベーションを下げてしまうものです。長い上に結論が出ないともなれば、一体何のために時間を使ったのか分からなくなってしまいます。

そこで登場するのがファシリテーションスキルです。リーダーに求められる資質は数多くありますが、特に求められている能力と言っても過言ではありません。ファシリテーションスキルは、簡単に言うと会議やプロジェクトをスムーズに進行させる能力のことです。会議を上手く進行するためのスキルだと言われることも多いですが、それだけではありません。論点を整理したり合意をまとめたりするだけではなく、参加者のモチベーションを上げて発言を促したり、アイディアが出しやすい環境を作ることも、リーダーとしては重要です。ディレクターやキャプテンの役割を果たすためのスキルと言い換えてもいいかもしれません。

ファシリテーションはなぜ求められるの?

ファシリテーションスキルが求められるようになったのは、社会がより複雑化したからです。

社会のグローバル化が進んだことで、多種多様な意見を持った人が集まり、仕事をする機会が増えてきました。組織内に生まれた多様性を活かし、柔軟なアイディアや革新的なサービスを生み出すには、多様な意見を最大限に活かす役割が必要です。会議やプロジェクトに参加しているメンバーに平等に発言の機会を与え、かつそこから出てきた多種多様な意見を集約していく役割が求められるようになったことが、ファシリテーションスキルが注目されるようになった理由です。

現代では、現場の社員一人一人が自ら考え行動する組織がつよく求められています。従来の上から言われてから動く組織では、スピード感のある課題解決に限界が生じるからです。ファシリテーションスキルはメンバーの自主性を促すため、人材育成方法としても注目を集めています。

ファシリテーターリーダーシップの違いは?

ファシリテーションスキルを用いて場をまとめる人のことをファシリテーターと言います。

しばしばファシリテーターはリーダーと混同されます。明確な定義の違いはなく、担う役割を見ても重複する部分が大きいのですが、両者には明確な違いがあります。

リーダーは会社やプロジェクトが掲げる目標やミッションを示し、チームを牽引する役割です。指導的な立場になるため、情報をリーダーに集め、その指示でメンバーが動くという形になりがちです。

対してファシリテーターの役割は、メンバーを支援することです。目標に向けて動く点は同じですが、チーム全員がよいパフォーマンスを実現できるように、プロジェクトの途中で課題や経過を確認します。チームを牽引すると言うより、チーム全員の参加を促し目標に向かいやすい形を整えることを目指します。

最近では、リーダーシップにおいてもファシリテーターのような支援スキルが求められる場面が増えてきています。

ファシリテーションの基本スキルは?

ファシリテーションスキルには、基本的な4つのスキルがあります。「場をデザインするスキル」「対人関係のスキル」「構造化のスキル」「合意形成のスキル」です。

場をデザインするスキルとは、会議やプロジェクトの場を作り、メンバー間をつなぐための力です。対話を促進するための雰囲気を作ったり、議論を活性化させるための配慮が必要です。

対人関係のスキルは、相手の意見を受け止めたり、アイディアを引き出すための力です。単にコミュニケーション能力を高めるだけではなく、傾聴を重視して相手に適切な質問を投げかけたり、意見を要約してアウトプットすることも必要になります。

構造化のスキルは、異なる意見をかみ合わせたり、出てきた意見を整理する力です。議題にそって集まったアイディアを整理しながら、どれを採用するのか絞り込んでいきます。整理するメソッドを事前に頭に入れておくと、よりスムーズに対応することが可能です。

合意形成のスキルは、参加者みんなが納得する形で意見をまとめるスキルです。どのアイディアを採用するのか決めることはもちろんですが、参加者全員が納得しているのか見極めることも求められます。懸念や疑問を持っているメンバーがいるなら、いち早く気付いてフォローすることも重要です。

ファシリテーションスキルを向上させるためには?

ファシリテーションの基本スキルについてご紹介しましたが、具体的にファシリテーションスキルを向上させるにはどのようなことを意識すれば良いのでしょうか?

ここからは、ファシリテーションスキルの向上のために意識すべき5つのことをご紹介いたします。

①目的をしっかりと共有する

ファシリテーションにおいて重要になることの一つとして、「目的の共有」があります。
目的をしっかり共有することにより、参加メンバー全員が共通の認識を持ち、生産的なミーティングを行ったり効率的に業務を進めることができます。

ミーティングやプロジェクトの開始時に明確に口頭で共有するのも大事ですが、文書やメールなども活用すると参加メンバーがより目的を把握しやすくなります。

目的がわかっていれば、意見が食い違うことも少なくなります。プロジェクトのメンバー全員で同じ目的に向かって行動することができるようになるでしょう。

②どんな意見であっても提示してもらう

会議をスムーズに行えるよう場の空気を作るのも、ファシリテーターにとって重要ですが、隠れている反対意見や問題にしっかりと目を向けることも重要です。

メンバーには、どんな意見でも全て提示してもらうことが重要です。
メンバー全員が持つ問題点をすべて洗い出して、その上で皆が納得するような進行を行うよう心がけましょう。

意見がぶつかることもあるかもしれませんが、常に問題に着目し、より良いゴールへ向かうよう心がけましょう。

③常に公平を心がける

ミーティングなどでは、メンバー全員の意見を洗い出す必要があります。

それぞれの考えを意見として提示しやすい雰囲気を作り、また公平にそれらの意見をまとめることが重要です。

公平性を保つためには、自分の主張を一回抑えて聞くことに徹することが大切です。
賛成、反対ではなくまず全員の意見を出すこと。その後に、全員でそれぞれの意見に対して議論することが効果的でしょう。

④意見を深堀りする

それぞれの意見を深堀りして正確に把握するのも重要です。

意見の食い違いがないよう、メンバーの言葉を「◯◯ということですね?」と他の言葉に言い換えるなどして全員がわかりやすいようにしていくのもファシリテーターの役割です。

発言に対してどうしてそう思ったのかなど、根幹の部分を掘り下げて聞くことで違った見え方になることもあります。

⑤混乱や脱線を修正する

ミーティング中やプロジェクトの進捗の確認中などに、混乱が起こったり白熱してしまいもとの目的を見失ってしまうことがあります。

こうした際に軌道修正を行うのもファシリテーターの役割です。

目的から論点がずれそうになっている際には修正を図ったり、あらためて目的事項を確認することで脱線を回避することができます。

ファシリテーションスキルは個々の力をチームの力にできる力

一見すると難しそうですが、ファシリテーションスキルは普段の会話の中でも多少なりとも行われていることです。無意識にやっていることを、意識的に行って上手くいくよう持っていく、そう考えればハードルも低く感じられることでしょう。

ファシリテーションスキルを持っている人がいると、会議やプロジェクトといった組織の力が高まるだけではなく、メンバー個々もそれぞれに力を発揮することができるようになります。会議の効率を上げることで、会議の回数を減らしたり時間を短くしつつ、生産性を上げてメンバーのモチベーションを高めることも可能です。

ファシリテーションスキルは、これからのビジネスシーンに不可欠な能力と言えるでしょう。




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RUN-WAY編集部

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