「責了」の意味とは?
「責任校了」ということが、「責了」の意味です。
発注した人に修正や編集した内容の「校正」を出してチェックするのでなく、訂正・編集した人の責任において訂正・編集した内容をチェックして「校了」することです。
そのため、「校正」の変更や修正を行った後、発注した人には返さなくて、最終的な確認やチェックなどを編集した人や印刷業者が責任を持って、「校了」、つまり「校正」を完了して、次のプロセスに進めます。
一般的に、「責了」になるケースとしては、文字の簡単な修正や再版するときの印行の変更などになります。
「責了」は、あまり納期がないときなどにも行うことがあります。
しかし、多く修正する箇所があるときや、直しが大幅にあるときなどは、「責了」にしないで「校正」を再度出してチェックするのがおすすめです。
「責了」を使うときに注意することとは?
ここでは、「責了」を使うときに注意することについてご紹介します。
修正した箇所のチェックが「責了」ではできない
「責了」を使うときに実際に注意する必要があることは、「責了」した後に発注した人が修正した個所のチェックできないことです。
最終の「校正」のときに修正した箇所を印刷業者に最終的なチェックを任せて「責了」にすると、原稿は再度出力されません。
そのため、どのように修正した箇所がなっているかは、発注した人はチェックができません。
納期の都合で「責了」になるときもある
修正した箇所を実際にはチェックしたいが納期の都合で間に合わないときは、「責了」にする必要があることもあります。
しかし、色の変更やレイアウトなどのようなときは、思っていた通りの仕上がりにならいこともあるので、修正は三校程度までに終わって「責了」にしないようにしましょう。
「責了」は慎重に判断する
「責了」にしないで修正した後の原稿を再度チェックしたいときは、「校正」を再度頼むようになります。
なお、「校正」は一般的に最高で3回までであり、印刷業者の見積りでも3回までになっていることが多くあるようです。
そのため、「校正」を何回も頼むと料金が別にかかるので、「責了」にしたくなるでしょう。
しかし、修正漏れが万一あったときのことを考えれば、原稿を再度チェックしてから「責了」にする方がいいでしょう。
「責了」は、印刷業者に修正や最終のチェックを任せるようになるため、わずかな修正であったり、印刷業者が信頼できるところであったりするときだけ行うのがおすすめです。
「校了」「再校」と「責了」の違いとは?
原稿を ウエブ広告 などでやり取りするときは、「責了でいいですか?」といわれることもあるのではないでしょうか。
印刷業界においては、「責了」「再校」「校了」というような言葉は当たり前でしょう。
しかし、別の業界においては、「耳にしたことが無い」「よくわからない」というような人も多くいるでしょう。
一旦できた原稿を出力し、ここに表記や文言の間違いを書いて、修正を指示することを、「校正」といいます。
例えば、色で出力してチェックするときは、「色校正」になります。
そして、「校正」が終了した段階で、次の作業が「責了」「再校」「校了」になります。
「校正」した結果、修正する箇所があったため再度修正した後の原稿を出力してチェックするときは再校依頼、修正がちょっとであるため最終チェックを印刷業者が行って原稿を再度出力する必要がないときは「責了」、「校正」しても修正が無いときは「校了」になります。
印刷のプロセスでは、費用が校正紙を出力するごとにかかります。
そのため、見積もりをするときに、「校正」する回数が決まっており、これをオーバーして「校正」すると料金が追加されます。
「責了」の意味としては、再校出しを少なくすることがあります。
一方、Webのときは、 画面上で「校正」チェックができるため費用が物理的にかからないので、再校出しの回数によって料金が違うことは多くありません。
しかし、Web でも手間が修正作業にはかかります。
実際に、修正指示がダラダラ続いたり、大幅な修正が土壇場であったりするために、苦労した経験がある人も多くいるでしょう。
また、Web で公開してからも修正はできますが、公開すると多くの人が見て拡散するため、間違った情報を載せたときは、考えている以上にトラブルが大きくなることがあります。
そのため、十分に注意して、「校正」を念入りに行いましょう。
「念校」「再校」と「下版」「責了」の違いとは?
ここでは、「念校」「再校」「下版」と「責了」の違いについてご紹介します。
「念校」
「念のための校正」という意味で、「校了」のすぐ前に念のためもう一度行う「校正」やこの校正刷りのことです。
初校の修正した箇所を直して出力した用紙が二校で、二校の後に「校正」して出力したものが三校で、「念校」は二校で「校了」するときの三校のことをいいます。
これ以外に、「責了」にしてもトラブルにならないような修正がわずかのときの「校正」を「念校」というときもあります。
「念校」にはいくつかのニュアンスがあるので、どの段階のことかをチェックしておく必要があります。
「再校」
二校という意味ですが、「責了」や「校了」の後から再度「校正」するときもいいます。
普通は「責了」した後に印刷のプロセスにそのまま進みますが、印刷業者がこのときに見本的なニュアンスで出力することを「念校」といいます。
一方、発注した人が「責了」した後に印刷業者に「念校」を頼むと「再校」になります。
「念校」と出力されるものは同じようになりますが、「再校」のときは料金が追加されます。
なお、「責了」などの「校了」の後にミスがわかっても、印刷のプロセスがすでにスタートしているので一般的に修正はできません。
修正が「念校」の後にはできない
普通の「校正」のときは、初めの「校正」の「初校」に始まって、2回目からの二校、三校になります。
いい加減に済ませてもいいということではありませんが、初校や二校であればミスを万一見逃しても修正が後からでもできます。
しかし、「念校」のときは「責了」や「校了」前に実施されるものを除いて、ミスがわかっても修正ができません。
そのため、「念校」の時期が「責了」や「校了」の前か後ろかで、全く意味合いが違ってきます。
「下版」
「校正」が終了して出来上がった版を、次の製版にまわすことをいいます。
印刷するプロセスで使われる用語であるため、社内報の担当者などはそれほど使わないかもしれません。
「下版」が終わってからの変更や訂正は費用がかかるときもあるため、最終段階においては十分にチェックしましょう。