「リベラルアーツ」という言葉をご存知でしょうか? 実はリベラルアーツは、日本人には馴染みのない言葉なのです。しかしその一方、リベラルアーツは現代の管理職に求められてきているスキルでもあります。そこで今回は、リベラルアーツがどんなものなのか、また、リベラルアーツを勉強するのにおすすめの本について解説していきます。
そもそもリベラルアーツとは?
リベラルアーツは、知識ではなくスキルを学ぶ実践的な学問です。もっと詳しく言うと、「制限されない多様な価値観を選択していく」スキルを習得する学問と言えます。まさに名前のリベラル=自由 アーツ=芸術・人の創造物の通りです。
より具体的に、実例を伴って見ていきましょう。
- 会社のルールのせいで良いアイデアもがあっても実行しにくい
- 海外で取引をしたが相手と折り合いがつかない
- 上司からの評価が気になって意見が出せない
このような経験はないでしょうか。
これは、リベラルアーツでいうところの「偏見や固定観念による不自由な状態」にあたります。そんな状態から自身や企業が成長しようとしたとき、固定観念が間違いなく障害になるでしょう。リベラルアーツでは、その制限を取り払い自由に思考することで、本当にやりたいことを具現化していくことを目的にしているのです。
リベラルアーツの学習方法
リベラルアーツを学ぶための方法は2つあります。まずは、仕事という実践の場で学ぶ方法。もう一つは、本から知識を得る方法です。
リベラルアーツには、正確な情報収集が欠かせません。なぜなら、「ルールや規則をそのまま受け入れる」と、自由な発想ができないからです。もちろん、ルールや規則というのは理由があってできたもの。それを改正して、より良いものにするためには、ルールができた背景や歴史、その分野に対する中立的な知識が欠かせないのです。実際に働くなか、また、学びによってそのような情報を得たら、そこから「自分なりの規準」を作っていきます。集めた情報の精度が高ければ高いほど、規準を作るアイデアも増え、より実用的な規準を得ることができるでしょう。基準によって「柔軟な思考」が得られるのです。
これにより、リベラルアーツ的な思考(制限されない多様な価値観)を得られるのです。
リベラルアーツの本によって学ぶ
実際に行動しにくい立場(管理者ではなかったり、事前に知っておきたかったりする)の場合、まずは知識として本から学ぶ方法もあります。最近では多くのリベラルアーツ関連の本が出版されており、書店や図書館でも見かけることが増えました。ここからは、おすすめしたいリベラルアーツを取り扱った本について紹介します。
『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 西洋美術』
「ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 西洋美術」は、ルネサンスなどのメジャーな作品から難解と思われがちな現代美術まで、初心者にもわかりやすい切り口で、作品の見方を紹介した本です。ビジネスの切り口とは違いますが、美術史からリベラルアーツについて詳しく解説されているので、面白く学ぶことができるでしょう。
『リベラルアーツの学び方』
『リベラルアーツの学び方』は、独学でリベラルアーツを身につけるための学習の初歩や、体系立てて学びたい人におすすめの書籍です。 戦略的かつ具体的な方法が書かれています。自分の頭で考え、主体的に行動していきたい人におすすめの本です。
「なぜリベラルアーツを学ぶ必要があるのか」という基本の問いから、「リベラルアーツを身につけるための基本的な方法と戦略」「実践リベラルアーツ──何からどのように学ぶのか?」まで、日常で教養を身につけるための方法論まで豊富に展開しています。
『経営者のためのリベラルアーツ入門』
「経営者のためのリベラルアーツ入門」は、人間力の次元を高めるのに不可欠なリベラルアーツ(教養)について書かれた本。
経営者・リーダーに求められる究極の資質は1決断の質が高い 2人間への理解が深い 3本質をとらえる力がある事など、リベラルアーツについて詳しく解説されています。
三つの資質を養うのに不可欠な「哲学」と「文学」に絞って紹介してるので、忙しいビジネスパーソンの様な人におすすめの本です。
『池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇』
「池上彰の教養のススメ東京工業大学リベラルアーツセンター篇」は、コメンテーターで有名な池上彰が贈る、「日本に足りない教養(リベラルアーツ)」の重要性を説いた本です。
実学一辺倒にした結果、日本から生まれなくなったクリエイティブな商品や新しいサービスを打破する力が教養。教養はすぐには役には立たないことも多いですが、一度学んでしまえば一生使えるクリエイティブな道具になるという思いが詰まっています。
『経営者のためのリベラルアーツ入門』
「経営者のためのリベラルアーツ入門」は、忙しい経営者やリーダーの方に向けて、三つの資質を養うのに不可欠な「哲学」と「文学」に絞って紹介した本です。
リベラルアーツがどのように身につくものなのか、身に付けるために何をしたらいいかわからないといった疑問に対し、この本では「どのような環境の人でも教養を身につけることができる」「どうやったら社会的に認められる教養が身につけられるか」ということを教えてくれます。
構成も工夫され、文章も非常にわかりやすく、具体的に教えてくれます。経営者のみならず、社会人、大人であれば、自分への投資の入り口として読むのもおすすめです。
まとめ
現代の社会では「問い」さえも自ら見つける必要があります。明確な答えや解決策がない難問を前に必要となるのは、幅広い知識を持ち、それを柔軟に組み合わせたり、多様な観点で物事を判断・評価したりできる人材です。リベラルアーツは、急速に変化する時代に対応していくという意味でも、とても重要になるでしょう。今回紹介した方法や、本などをぜひ参考にして、リベラルアーツを学んでいきましょう。