パガニーニの超絶技巧練習曲「24のカプリス」その4【ヴァイオリニスト/月元ハルカさん】

月元悠




15番 Posato



前々回でご紹介した舟曲風の7番と雰囲気が少し似ています。冒頭は舟曲のようなテーマの変奏で展開していきます。音階風になったと思ったら、スタッカートをスラーで一気に弾き上げ、その間に重音が出てきて…と、まるで様々な登場人物が出てくるようです。

16番 Presto



これまでのカプリスと比べて、重音は見受けられませんが、これは弓の練習です。流れるような旋律の中の音を際立たせるかのように、楽譜にはフォルテを意味するアクセントがちりばめられています。

いかがだったでしょうか?16曲ご紹介してきましたが、折り返し地点を過ぎました。どの曲にも高度なテクニックがいくつも入っていて、1曲弾くにも大変な曲ばかりですが、パガニーニはヴァイオリンという楽器の可能性を広げてきたことがよくわかりますよね。

次回もお楽しみに!

<プロフィール>
月元 ハルカ
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。




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