「ご愛嬌(ごあいきょう)」の意味とは?
「ご愛嬌」の意味は、ちょっとしたミスや非礼、ちょっとのサービスです。
「愛嬌」の意味としては、大きく分類すると次のようなものがあります。
- 言動や表情が可愛らしく、人に好かれること
- 喜ばせたり、笑いを誘ったりするような振る舞いや言動
- ちょっとした顧客の気を引くためのサービス
接頭語の「ご」あるいは「御」をプラスした「ご愛嬌」あるいは「御愛嬌」の形で使うときの意味は、先にご紹介した「愛嬌」の意味の2つ目と3つ目をいいます。
ちょっとしたミスや非礼をしても許しを請う「笑って憎まないで見逃してね」というような言葉として、「ミスはご愛嬌で」などのように使います。
「ご愛嬌」の語源とは?
仏教用語が、「ご愛嬌」の語源です。
「ご愛嬌」は、「愛敬(あいぎょう)」ともともと表現し、仏教用語として「愛し好む」「いつくしみ敬う」という意味で使われていました。
この後、「敬う」という意味が仏教用語としての意味から薄れ、「思いやり」や「かわいらしい」という意味でも使われるようになりました。
さらに、「ご愛嬌」は、意味として「ちょっとしたサービス」なども含まれるようになって、現在のような使い方になりました。
ビジネスでの「ご愛嬌」の使い方とは?
ここでは、ビジネスでの「ご愛嬌」の使い方についてご紹介します。
「ご愛嬌に〜」
「ご愛嬌」は、「ご愛嬌に〜」のように使います。
「ご愛嬌に〜」の意味は、客を楽しませるサービスということです。
接客業やビジネスシーンで、「ご愛嬌に○○をします」などと相手を楽しませるサービスをするときにいったりします。
「ご愛嬌に~」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「それではご愛嬌にカラオケを歌います。」
- 「私のピアノなんて、ほんのご愛嬌です。」
「間違いはご愛嬌」
「間違いはご愛嬌」などは、間接的なお詫びとして間違ったときに使われます。
「可愛げがあるということで許してね」という意味合いで、婉曲的に自分のミスや無礼を許してもらうためにお願いする表現です。
ビジネスシーンで使うのは適切ではありませんが、親しい間柄であれば使うことができます。
「ご愛嬌いただき、~」「ご愛嬌のほどよろしく」は間違い
「ご愛嬌いただき、~」「ご愛嬌のほどよろしく〜」は、間違いであり、「ご愛顧(ごあいこ)」が正しいものです。
「ご愛顧」の意味は、ひいき、目をかけて引き立てることです。
「贔屓(ひいき)してください」と会社や法人側に伝えるときに、「ご愛顧願います」「ご愛顧のほどよろしく」などと使います。
感謝の気持ちを贔屓にいつもしてもらっていることについて述べるときには、「ご愛顧いただき、ありがとうございます。」などといいます。
「ご愛敬」の類義語とは?
ここでは、「ご愛敬」の類義語についてご紹介します。
「敬愛」
「敬愛」は、親しみの心を尊敬して持つことです。
また、逆に「愛敬」の漢字をしたのみであるため、簡単に記憶できるでしょう。
「敬愛」を 使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「私が敬愛しているビジネスの師がビジネスパートナーを募集していた。」
「愛想」
「愛想」の意味は、相手の機嫌を取るための言い回しや振る舞い、人に対する信頼感や好意です。
「愛想」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「窓口の女性は、愛想が非常にいい人である。」
「可愛らしさ」
「可愛らしさ」は、子供のような無邪気さなどで他の人を微笑ましくさせることです。
使い方によっては、「ご愛敬」と言い換えても問題ないくらい意味が近いものです。
「可愛らしさ」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「自分の娘の可愛らしさは日本一でしょう。」
「愛らしさ」
「愛らしさ」の意味は、愛すべき様子だ、いとおしさと可愛らしさが感じられる様子だということです。
非常に「可愛らしさ」と似ていますが、意味合いが微妙に違うことを把握しておきましょう。
「愛らしさ」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「近くに捨てられていた犬の愛らしさにつられて、自宅に連れ帰った。」
「キュートさ」
「キュート」は、由来が「cute」という英語単語で、可愛らしくて活発な様を表現します。
特に、若い女性に対して「キュートさ」は使います。
「キュートさ」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼女のキュートさは抜群である。」
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の違いとは?
ここでは、「ご愛敬」と「ご愛嬌」の違いについてご紹介します。
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の違い
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の違いとしては、一般的「ご愛敬」は使われていない、一般的に「ご愛嬌」は使われているということです。
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の使い方の違い
「ご愛敬」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「それはご愛敬だろう。」
- 「それもまぁご愛敬だろう。」
- 「今回のミスはご愛敬です。」
- 「お客さんみんなに舞台から手を振ってくれるのもご愛敬であった。」
「ご愛嬌」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼女はご愛嬌たっぷりで話しました。」
- 「彼はご愛嬌でしくじってみせました。」
- 「ちょっとした間違いであればご愛嬌だろう。」
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の使い分け方
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の意味はいずれも相手を喜ばせるような振る舞いや言葉で、違いはそれほどありません。
違いをあえて挙げると、一般的「ご愛敬」は使われていませんが、一般的に「ご愛嬌」は使われていることです。
しかし、いずれも日本語として正しいものであり、全く意味も同じであるため、好きな方を使っても問題ないでしょう。
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の英語表現の違い
「ご愛敬」と「ご愛嬌」の英語表現は、「charming」「just to please」「pardonable」です。
「charming」の意味は愛らしい、「just to please」の意味はただ喜ばせるために、「pardonable」の意味は許せるです。
例えば、「彼はご愛嬌でしくじってみせました。」の英語表現は、「He feigned a blunder just to please the audience.」です。