「お目にかかる」の意味とは?
「お目にかかる」という言葉は、謙譲語で「会う」という意味です。
そのため、目上の方に対して、例えば、「鈴木様にお目にかかりましたか」と聞くようなときには使いません。
目上の方に使うときは、「鈴木様にお会いになりましたか」というような表現になります。
ビジネスシーンなどで、自分は課長より地位が下で、「課長は鈴木様にお目にかかりましたか」というように課長に自分から聞くのは、「お目にかかる」の使い方としては間違っています。
課長が怒ってしまうようになるため注意しましょう。
「お目にかかる」は「会う」の謙譲語になりますが、「他人の目」の尊敬語が「お目」で、「かかる」の意味は「他人から見られる」「他人の目にとまる」になります。
「他人の目」の尊敬語が「お目」であるため、「お目にかかる」という言葉は尊敬語であると間違って使用している方がいますが、注意しましょう。
「お目にかかる」は、謙譲語になるため尊敬語と間違えないようにしましょう。
謙譲語は、自分の方がへりくだって、自分の方が下の身分であることを相手に対して示すもので、相手に対する敬意を表現しています。
「お目にかかる」は謙譲語であるため、当然ですが、自分が主語になります。
「お目にかかる」の使い方とは?
「お目にかかる」は、相手を持ち上げて自分を下げる謙譲語であるため、「お目にかかる」を相手に会うときに使えば失礼になります。
例えば、「課長はお目にかかりましたか」といえば、自分を持ち上げて相手を下げるようになります。
そのため、このときは「課長はお会いになりましたか」という表現の方が正しくなります。
「お目にかかることができず」
「お目にかかることができず」の意味は、「会えない」になります。
例えば、相手の企業に自分が訪問したときに相手が不在で会えなかったり、あるいは自分の企業に相手が訪問してくれたときに自分が不在であったりしたケースで使います。
また、お互いに参加する予定であった会議やイベントなどで、いずれかが参加できなくなったときなどに使います。
「お目にかかることができず」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「せっかく訪問してくださったのに、お目にかかることができず心残りです。」
「昨日はお目にかかることができず心残りでした。」
「お目にかかりたい」
「お目にかかりたい」は、よくビジネスシーンで使われており、「会いたい」ことを表現しています。
目上の相手に対して使うときは、「お目にかかりたいと存じます」「お目にかかりたく存じます」などになります。
「お目にかかりたい」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「プロジェクトがスタートする前にぜひお目にかかりたく存じます。」
「お目にかかれるのを楽しみにしております」
会いたいということを相手に伝えるときには、「お目にかかれるのを楽しみにしております」を使います。
また、同じ会議に参加するときや同じイベントに参加するときなどのように、相手と会うことがはっきりしているときにも使います。
ビジネスシーンにおいては、会議をするときでも、相手に「会えると嬉しい」と伝えることによってその日をいい感じで迎えることができます。
「お目にかかれるのを楽しみにしております」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「社員一同、鈴木様にお目にかかれるのを楽しみにしております。」
「お目にかかることがございましたら」
「お目にかかることがございましたら」の意味は、「どこかでいつか会えたら」になります。
この表現は、会ったことがある相手でも、一回もまだ会っていない相手でも使えます。
しかし、意味合いとしては「もし会えたら」というようなものであるため、約束をして会うようになっている相手には使わないようにしましょう。
「お目にかかることがございましたら」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「お目にかかることがございましたら、よろしくお願いいたします。」
「お目にかかれて光栄です」
相手と会ったときには、「お目にかかれて光栄です」という言葉を使います。
「お目にかかれて光栄です」の意味は、「お会いできて嬉しいです」になります。
「光栄です」の意味は、「誇りに思います」などということであり、敬意を相手に対して表現することができます。
「お目にかかれて光栄です」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「お越しいただきありがとうございます。お目にかかれて光栄です。」
「お目にかかりました」
誰かに会ったときに「お目にかかる」は使いますが、直接相手と会ったとき以外に、自分が一方的に相手を見かけたときにも使えます。
「お目にかかりました」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「昨日お目にかかりましたが、バスに遅れそうであったため、お声がけできませんでした。」
「お目にかかることができ嬉しかったです」
相手と会った後に、「お目にかかることができ嬉しかったです」は使います。
会えた喜びを相手に伝えることができます。
「お目にかかることができ嬉しかったです」の例文としては、次のようなものなどがあります。
「先日はお目にかかることができ嬉しかったです。チャンスがまたありましたら、よろしくお願いいたします。」
「お目にかかる」の類義語とは?
ここでは、「お目にかかる」の類義語についてご紹介します。
「お会いできる」
「お会いできる」は、謙譲語であるため、自分が「会う」ことをいいます。
「お会いする」という謙譲語に「できる」をつけることによって、柔らかいイメージにして、相手が目上の方のときに自分が会えるどうかということを聞くこともできます。
「お会いする」より「お会いできる」は丁寧な表現になりますが、言葉の意味が「お目にかかる」よりは狭いので完全に言い換えることはできません。
「顔を合わせる」
「顔を合わせる」は一般的な表現で敬語ではないので、「お目にかかる」という謙譲語より、普通の言葉の「会う」と言い換えることができます。
「お目にかかる」のようにビジネスシーンにおいて大切な人と会うというニュアンスはなく、地位に関係なく、「人同士が会う」ことをいいます。
そのため、「顔を合わせる」は、目上の方に使うのは適切ではないため注意しましょう。
「お目にかかる」の英語表現とは?
「会う」という意味の「see」や「meet」が、「お目にかかる」の英語表現です。
英語では、敬語表現が一つひとつの単語にはなく、質問するときに「Would you~?」「Could you~?」を使えば丁寧であるといわれています。