「ピーターの法則」とは?「ピーターの法則」を避けるため方法などを解説




「ピーターの法則」の意味とは?

「ピーターの法則」というのは、アメリカの南カリフォルニア大学のローレンス・J.・ピーターという教授が提唱したものです。

会社などの組織の構成員の能力や労働についての「階層社会学」の実態について説明し、自分の能力が進歩しないと、最終的に会社や組織が無能化するという考え方です。

順調に有能な社員は昇格しますが、能力がこの後に進歩しないと地位は止まったままになり、無能な社員は昇格しないままになります。

そのため、会社や組織で仕事をする人は、それぞれの階層における地位が無能レベルで最終的に止まるので、無能な人であふれるというものです。

日本においては、現場での叩き上げが出世するためにまだ多くあります。

このような人は厳しい現場における状況を克服して管理職にやっとなったが、管理職になった安心感から力がとうとう尽きてしまいます。

普通であれば現場を熟知しているプロとして、きめ細かく部下にアドバイスをすべきでしょうが、能力を極めたので、最終的に無能化するケースです。

しかし、全ての人の能力が全く無いというと、表現としては適切ではないでしょう。

むしろ、能力を究極まで使い果たしたので、進歩すべき能力がないという方がいいかもしれません。

「ピーターの法則」が会社内で成り立つ背景とは?

では、会社において無能な社員がどのようにして発生するのでしょうか?

ここでは、「ピーターの法則」が会社内で成り立つ背景についてご紹介します。

人事システムにおける課題

外資系の会社などのように厳格に成果主義を採用しているところ以外は、昇進の目安はあっても人事システム上、具体的な降格の条件が決まっている会社は非常に少ないでしょう。

このようなときは、一旦昇格すると降格は発生しにくいため、「ピーターの法則」がよく適用されるようになります。

会社では、階層ごとに評価して昇進します。

現在の地位で評価が有能になった人は、上の階層に昇進します。

昇進した地位として必要な職務を遂行する能力ないときは、無能化して昇格はそれ以上なく、その地位のままになります。

そのため、それぞれの地位を無能な管理職が占めるようになって、だんだんと全体の組織が無能化してきます。

人事評価システムにおける課題

どのような業種・業界においても、適切に人材を評価するのは困難なものです。

特に、客観的な数値などでの評価がしにくいシーンでは、評価が管理職の主観で行われるようになるでしょう。

人材の評価を無能な管理職が行うときは、有能さが正しく評価されるとは必ずしも限りません。

評価が管理職の主観的なものでは、個人的な上長と部下の関係などによって、評価がバイアスがかかったままで行われるときも多くあります。

このようなときは、部下は上長が思うように行動するなど、器用に組織内で立ち振る舞うようになりがちです。

無能な管理職がいるため、無能な社員がさらに多くなってくるといえるでしょう。

「ピーターの法則」を避けるため方法とは?

組織の階層の人材が「ピーターの法則」の通りに動けば、無能化した組織になります。

では、これを避ける方法としてはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、「ピーターの法則」を避けるため方法についてご紹介します。

昇給して昇進させない

「ピーターの法則」を避けるため方法としては、現在の地位にある人材は昇進させないものがあります。

しかし、昇進させなくて給料が同じであれば、人材のモチベーションは非常にダウンするでしょう。

そのため、組織の無能化を避けるために、昇給して昇進させない方法が考えられました。

昇進する前にトレーニングする

昇進した後の新しい地位が要求するレベルになるように、前もって十分にトレーニングして、一定のレベルになったときだけ昇進させるものです。

管理能力が昇進する前に無いことが見つかることもあります。

昇進した後に無能になったときは一旦降格させる

昇進した後に「ピーターの法則」を避けるためには、一旦降格させる方法があります。

無能な地位とは、自分の能力が発揮できないことです。

その地位のままであれば、苦痛に本人はなって、他の人にも良くない影響を与えるリスクがあります。

思い切って降格させることは、有効なリスクを避ける一つの方法といえるでしょう。

「ピーターの法則」を把握すると対策が最良になる

職能主義による日本の人事考課は、終身雇用の影響から続いており、「ピーターの法則」に陥りやすいので、前もって対策することが非常に大切になります。

個人でできる対策を社員に対して説明して理解してもらって、管理職になることが必ずしも最もいい選択肢ではないことを納得してもらうことが必要です。

さらに、成果に見合う報酬を役職に関係なく示すなど、組織の不公平感をわかりやすい方針で無くしていきましょう。

実際に行動するのは困難なときも多くありますが、ハンゲーム・ジャパン(LINE株式会社の前身)などでは、人材の適材適所を行うために、一旦肩書や給料を白紙に戻して、査定を再度行うことによって「ピーターの法則」を避けたなどというようないい事例もあります。

まず、しっかりと「ピーターの法則」の内容を把握した上で、全体の組織を見直しすることからスタートしてみましょう。

「ピーターの法則」の特徴とは?

「ピーターの法則」は、いかに昇格・昇進しても、その人にとってある一定のポジションが限界になっているときは、いかに優れた人でも「無能化してその地位のままである」ということが特徴です。

このことについてびっくりする人がいる一方、無能な上長のもとで仕事をしているときに普段から不平や不満を抱いている人には、納得・理解できるでしょう。

階層社会においては、優れた人材は現在の地位から昇格・昇進していきます。

そして、昇格した後にその地位で職務を遂行する能力がないときは、昇格はそれ以上できなく、その地位で頭打ちになって、無能化してきます。

全ての階層においてこれは発生することであり、全ての人材は昇進が「無能レベル」で止まって、無能な部下、無能な管理職で組織は溢れるというように、困った状態に会社がなるということが「ピーターの法則」です。

日本のような雇用システムにおいては、このような「ピーターの法則」は起きやすくなっています。

しかし、欧米のような雇用システムにおいては、第一に「労働の対価が賃金である」ということが考えられています。

MBAを取得した人を経営陣に据えて、はっきりと現場との役目を切り分けているようなときは、「ピーターの法則」は起きにくいといわれています。




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RUN-WAY編集部

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