ブルーオーシャンという言葉と対をなすとして知られている「レッドオーシャン」。言葉の響きから何となくの意味は類推できるものの、正確な意味を理解していないと大変なことになるかもしれませんよ!
今回は、レッドオーシャンの由来から意味、さらには使う際の例文まで紹介していきます。
レッドオーシャンの意味とは
「レッドオーシャン」(Red Ocean)は、『血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場のこと(デジタル大辞泉より)』です。
血で血を争うなんて、怖そうな言葉ですよね。ですが、これも立派な経営学の用語で、ビジネス用語なのです。市場が成熟し、競争相手が多数いる史上のことで、この市場にある商品や企画は価格競争やサービスレベルの競争が起こっていることがほとんどです。
このレッドオーシャンに対をなすのが、ブルーオーシャンです。新規開拓した市場でビジネスを展開していくブルーオーシャンは、ライバルが少ない分事業が成功しやすく得策だと考えられています。
ですが、ブルーオーシャンは時とともに徐々にライバル会社がマーケットに参入してくるため、すぐにレッドオーシャンになってしまう可能性も秘めています。せっかく資金を使って新規開拓しても、生き残れないことがあるのです。
そのため、資金力やブランドネームがある企業は、むやみやたらにブルーオーシャンに手を出さず、レッドオーシャンで「同質的差別化」をはかり、生き残る戦略を立てて確固たる地位を確立している傾向にあります。
「レッドオーシャン」の由来は?
2005年にフランスINSEADの教授であるW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が発表した「ブルーオーシャン理論」で提唱されたのが始まりです。
もともとは経営学の分野の言葉でしたが、今では一般企業も使うビジネス用語となっています。
「レッドオーシャン」に似ている言葉「ブラックオーシャン」
レッドオーシャンとブルーオーシャンが海上にあるのに対し、深海のイメージが強い「ブラックオーシャン」というものもあります。これは、いわゆる競合ができにくい【ニッチ市場・独占市場】を指しています。
今や携帯電話はレッドオーシャン化しましたが、一昔前は大手3社が独占状態にありましたよね。参入障壁が高く、ライバルと争うことなく独占できていたあの時期の携帯電話業界をイメージしてもらえばわかりやすいと思います。
「レッドオーシャン」の例文
ここからは、実際にレッドオーシャンと言う言葉を使った例文を紹介していきます。使用する機会があったり、耳にする機会があれば思い出してくださいね。
【例文1】
「これ以上レッドオーシャンで戦うことはできない」
最初のうちはよかったけれど、だんだんレッドオーシャン化してきてしまった市場の生き残り競争に勝てないと判断したときに使われます。
特に中小・零細企業に多い判断で、次々と海を渡り歩かなくてはならず、苦しい経営を強いられることが多いのです。
【例文2】
「我が社なら、レッドオーシャンでも十分に戦っていけるはずだ」
こちらは例文1とは逆で、企画力や資金面がしっかりしているので、レッドオーシャンの中で生き残り戦略を立てようという企業です。
レッドオーシャンは、確かに大変な市場ではありますが、そこで商売ができないわけではありません。何か新たな価値を見出せたら、そこからブルーオーシャン化する可能性も大いに秘めているのです。
つまり、自社が置かれている立場によって、レッドオーシャンの扱いが変わる、ということなのです。
まとめ
今回はレッドオーシャンという言葉について見てきました。ブルーオーシャンやブラックオーシャンと合わせて覚えておくことで、より仕事に役立てやすいかと思います。
特に企画営業のビジネスマンや、今後何らかの事業を動かす方は、必須で知っておくべき言葉です。是非覚えて活用してくださいね!