「正論なんて言わないでよ!」「正論は分かってる!」
こんなふうに、言っている内容は決して間違ってはいないはずなのに、なぜか正論は否定的なイメージを持たれるものになってしまいます。今回は、この「正論」について見ていきましょう。正論の本当の使い方が分かるかもしれません。
正論を言う人はどうして嫌われるの?
そもそも「正論」とはどんなもの?
よく聞く「正論」。読んで字のごとく、「正しい論」のことです。「道理にかなった正しい意見や議論」と、大辞泉にはあります。
そして「道理にかなう」とは「自分自身で納得できる」ことを指します。つまり、正論を受け入れられない人と言うのは、言われたことに対して納得はしているが、しかし受け入れることができていないのです。
ではなぜ嫌われる?
正しいことを言われていて、それに対して納得はできるけれど、それを感覚的に受け入れることができないのが、正論が嫌われる大きな理由です。
つまり、「そんなこと、言われなくてもわかってる。でも、そんな風に言わなくてもいいでしょう!」こういうことなのです。
嫌われないための「正論」の使い方
正論を使うには「正論」の本質を見よう
もちろん正論というのは、道理の通った正しいことを言っています。あなたは間違えたことは言っていないのです。それが人の感情をあおっているだけなのです。正論は時に、人を傷つけることすらあります。でも、しっかり真実を伝えなくてはならない。
正論は、相手の間違いに対して頭から「否定する」ことです。否定はともすると、自分の意思とは関係なく「攻撃」の意志だと取られてしまいます。
そんなときは、言い方を変えてみましょう。
相手が受け取りやすいボールを投げよう
上から目線の正論を投げつけると、どうしても攻撃的な言い方になってしまい、それがどれだけ正しいことを言っていたとしたって、絶対に受け入れてもらえることはありません。
ですから、あくまで高圧的にならないように気を付けながら、たくさんの人の前で正論をぶつけないようにします。あくまで個人的に、そっと教えてあげましょう。
そして、アドバイスをするときは「自分が正しくて、あなたが間違っている」という感情は絶対に出してはいけません。「こういうやり方もあるよ」「こんな考え方はどうかな?」というように、提案したり質問したり、断定的な言い方を割けます。
それだけでその正論が「ああ、自分のことを思ってくれているんだ」「自分のために、あえて苦言を呈してくれるんだ」と思ってもらえるようになるはず。そうすれば正論だって、格段に相手も受け取りやすくなります。
まとめ
いかがでしたか? 「言葉」というのは、一度外に出てしまったら回収することはできません。言い直すこともできません。正論を上から目線でむやみに振り回せば、相手を傷つけるだけではなく、自分自身の立ち位置すら危うくしてしまいます。相手が受けとりやすい言い方をしないと、誰も納得してくれないのです。
言葉のトゲを抜いて、断定的な言い方を避けることによって、正論だって受け入れてくれやすくなります。ぜひ試してみてください。