退職時には、職場との間で様々な書類をやり取りをしなくてはなりません。このような書類のやり取りをスムーズに行い、できるだけ後に残さないことは、次の職場で集中して仕事に取り組める環境を作るためにも重要です。
今回は、退職時に書く書類、貰う書類、返却する書類、転職先に提出する書類の概要をまとめてご紹介します。
重要になる退職時の書類確認はトラブル回避のために大切
退職が決まると、仕事の引継ぎや挨拶回りなどでバタバタと忙しくなってきます。
ですが、それにあくせくして退職に向けてやるべきことを後回しにしていると、書類制作が滞ってしまいます。その影響でその後の転職活動で書類が足りないなんてことになったら、次の職場に迷惑をかけますよね。また、元いた会社とやり取りをしなければならなくなるかもしれません。
そのような事態に陥らないように、退職前には事前の準備が大切!
退職時に書く書類2種
①職場へ退職の意向を伝える書類、退職届・退職願・辞表
退職の意向を伝える際には、法的には口頭だけでもよいとされていますが、会社から求められる場合もありますし、「退職届を出しました」というしっかりとした証明にもなりますので、時間に余裕があるときには書いておきましょう。
ちなみに、「退職届」と「退職願」、そして「辞表」は厳密には意味合いが異なるものですので、書く際には書き方を調べ、適切なものを書きましょうね。
②情報漏えいを防ぐ誓約書
会社にとって重要な情報を流出させないようにするため、「業務で使用した情報を漏洩しない」などといったことを誓約する「誓約書」を書いてから退職するというパターンが最近多くなっています。
誓約書は大抵、上司の立会いの下、その場で書くことが多いので、特別自分で準備する必要はありません。要請されたら書くようにしましょう。
退職後に貰う書類4種
①離職票
退職時には必ず発行されます。次の職場が決まっていないときには、これを使用して、退職後にハローワークで失業保険給付手続きをします。離職票は、退職後に郵送される場合がほとんどでともすれば忘れがち。しっかり受け取りましょう。
②雇用保険被保険者証
雇用保険に加入していることを証明する書類です。次の職場で提出を求められることもありますので、退職時に直接手渡されたら保管を忘れずに。
③健康保険被保険者資格喪失証明書
退職後、社会保険の被保険者資格を喪失したことを証明する書類です。健康保険の再加入手続きの際には、雇用先から受け取ったこの証明書が必要になります。会社に申請しないと発行してもらえないこともあるので、気を付けてください。
④退職証明書
退職証明書は、離職票とも似ていますが、会社から退職したことを証明するための書類です。離職票とは違って、必ず発行されるものではありません。会社に申請できるのは2年以内になります。役所の手続きで必要な場合は事前に申請しておきましょう。
退職時に会社に返却する書類3種
①身分証明書、社員章、入館証、名刺
社員章など、会社に所属していることを証明する書類はすべて返却します。また、入館証がある場合は併せて返却しなくてはいけません。
②健康保険被保険者証
健康保険被保険者証は加入者が退職した時点で脱退する決まりです。新しい会社で健康保険に加入すれば、健康保険被保険者証が交付されます。
③通勤定期券
通勤定期券を会社から支給されていた場合は返却する必要があります。個人で購入した場合はその必要はありません。
転職先に提出する書類6種+4種
①雇用保険被保険者証
退職時に前職の企業から受け取った雇用保険被保険者証を提出します。雇用保険に入るために必要な書類です。
②源泉徴収票
退職する時に前職の企業からもらいます。年内に転職した場合は転職先の企業に提出すr必要があります。年内に転職しなかった場合は確定申告に使います。
③年金手帳
退職時に前職の企業から受け取った年金手帳を提出します。
④扶養控除等(異動)申告書
税金や社会保険の手続きに必要な書類です。企業から決まった用紙が渡されて記入・提出します。扶養家族がいない人も必要なので注意しましょう。
⑤健康保険被扶養者(異動)届
社会保険の手続きに必要な書類です。企業から決まった用紙が渡されて記入・提出します。必要なのは扶養家族がいる人だけです。
⑥給与振込先届書
給与を振り込んでもらう口座を申告する書類です。転職先の企業から書類を渡されて、記入・提出します。
企業によっては提出が必要な書類
企業によっては以下の書類の提出を求められることがあります。
- 健康診断書
- 入社承諾書・入社誓約書
- 身元保証書
- 免許や資格の証明書
おわりに
いろいろな書類がありますよね。退職に際して書かなければならないものから、保険や税金などお金に関する大切な書類まで……。
次の職場で気持ち良く、集中して仕事に取り組むためにも、退職に関する書類についての知識を頭の片隅に入れておいてください!