どんな企業の面接でも必ず聞かれるのが、志望動機です。「その企業を志望する理由」を伝えることは、転職面接では非常に重要なことです。そこで今回は、転職面接での「志望動機」の回答事例と注意点について、それぞれご紹介します。
転職面接で印象の良い志望動機とは?
転職面接において、志望動機は面接官の印象を左右するものです。あなたの経験してきたこと、これまで身につけたスキルをどのように企業で生かせるかをまとめることが重要です。入社後の活躍イメージを考えて回答すると、面接官に対して企業にどれくらい貢献できるか伝えやすくなりますよ。
志望動機は年齢によって回答のポイントが異なる
志望動機は、実は年齢によっても回答のコツがあります。20代であれば、経験職種の転職ではなく未経験職種転職も珍しくありません。大学の履修科目や経験した知識のアレンジを行いつつ、しっかりした将来の姿を描いてアピールポイントにしましょう。
逆に、40代であれば未経験職種への転職はかなりハードルが高くなります。現在まで取り組んできた仕事や資格でアピールしてください。どうしても未経験職種への転職がしたい場合は、その職種への動機を具体的で強いものにして伝えてください。
志望動機を求められる理由1 志望度の強さを知りたい
もし自分が面接官だったらと考えてみましょう。同じくらいの能力値の志望者が二人いたとして、どちらを採用にするか悩みますよね。そんなとき、判断基準として見たいのは、「どちらのほうが企業のことをより愛しているか」ではないでしょうか。
転職活動は、会社と候補者の恋愛と似ています。面接官は、多くの同じくらいのスキルを持つ志望者の中から、入社後に長く活躍してくれそうな熱意や意欲のある人を探しているのです。
志望動機を求められる理由2 会社のビジョンと合うか知りたい
志望動機は、どれだけ素晴らしくても、企業の目指す所とミスマッチな内容であれば意味がありません。いくら自信がある内容の志望動機でもNGです。面接官には、自分が入社後、会社の一員として同じ方向を向いて一緒に頑張れることを伝えなければいけません。
面接官が「聞きたい」「知りたい」と思うことを、自分の言葉で伝える。それが志望動機を作るうえで、何よりも大事なことなのです。
志望動機を求められたときの回答のポイント
ここからは、志望動機を求められたときの回答のポイントを説明していきます。パターン別に解説しますので、自分に適した内容の志望動機を選んで確認してください。
「未経験での応募」の志望動機回答のポイント・注意点
未経験職種への応募の場合は、未経験で挑戦してみようと思ったきっかけを志望動機に入れ込みましょう。過去の経験や現在取り組んでいること、身につけたスキルを踏まえて、志望動機を語ってください。
よくあるパターンで未経験職種への転職でやりがちなのが、会社頼みの内容です。たしかに、「学びたい」「成長したい」という積極的な姿勢はプラスです。ポジティブな意味で使っているかもしれませんが、これは面接官が非常に嫌う回答と言えます。
ただ、それを受け身として、教育制度が整っているから、仕事を早く覚えたいなどは志望動機に入れるのは控えてください。「自分で勉強する気はないのか」とネガティブなイメージを与えてしまいます。
「入社後に学びたいと思います」も同様にNG。これも会社はすぐに活躍してほしいと思っているので、受動的な人よりも、能動的な人を取りたいと思うはず。企業は学校ではありません。未経験ながら、この志望者なら自社で成長してくれるだろうと感じさせることが大事です。
「サービス・商品の知識」を志望動機にする場合のポイント・注意点
サービス業や、商品販売の仕事に応募するときは、その企業の提供するサービスや商品を志望動機にする方もいるでしょう。志望動機にしなくとも、原則として入社希望の企業のサービスを「知らない」というのはNGです。必ず下調べしてください。
企業のサービスには、独自性や強みを持っている“その会社ならではのもの”がほとんどです。システム開発をする会社の場合は、その独自性のあるサービスにフォーカスして志望動機にできます。
ただ、商品やサービスをなんでも褒めちぎるのも印象が悪いです。逆に、上から目線で欠点や課題を取り上げるのも好ましくありません。素直さが大事なので、応募の際に調べて初めて商品やサービスを知ったなら、それを伝えることも忘れないようにしましょう。
「御社を志望する理由」を回答するときのポイント・注意点
「給料が良いため」「福利厚生が充実していた」といった理由は、立派な志望動機です。志望動機が仮に「給与が高い、休日が多い、会社の将来性がある」という理由の場合でも、そのまま伝えるのはN Gです。
なぜなら、志望動機のなかであなたのアピールができず、希望を言っているだけのものになってしまっているからです。面接官からすれば、どこでも良い・他にもっといい会社を見つけたら退職しそうと思う条件でもあります。
志望動機を作るときは、応募者目線ではなく、会社から見た目線で「この人なら採用したい」と思えるか回答しましょう。活躍・貢献できるスキルとやりがいは、希望ではないのでOKです。
今までの経験を活かしてどこに貢献できるかをアピールする
志望動機をアピールする方法として大事なのが、今までどんな仕事に関わり、どんな経験を積んできたか、そしてそれを転職後の仕事にどう活かせるのか伝えることです。今までの経験を具体的に伝えつつ、転職後の働き方も伝えることができます。
仕事に対するモチベーションや意欲もあわせて伝わるため、“意欲の高い人物”という印象を伝えることができるでしょう。
なぜ応募先企業を志望しているのかをアピールする
同じような業種に転職する場合、他にもたくさんある候補の中で、なぜその企業でなければだめなのかを明確に伝えてください。具体的に伝えると良いでしょう。
企業HPや求人広告などを見て、企業が大事にしている理念・サービスなどをキッカケにして志望動機を考えるようにしてください。
「入社後、どんな仕事をしていきたいか」をアピールする
志望動機をアピールするポイントとして、企業の目指す方向性と自分の実現したいキャリアの方向性が合致していることも重要です。あなたのことを今後活躍してくれそうな有力そうな人材だということが伝えられれば好印象です。
自社の未来と応募者の未来が合致していることは、企業にとってだけでなく、あなたのキャリアビジョンにとっても利益になります。そのための企業研究は欠かさないようにしましょう。
志望動機で「他にどのような会社を~」と聞かれた時のポイント・注意点
ここからは、志望動機を言った後に面接官から言われるかもしれない質問の回答事例を見ておきましょう。志望動機を言った後、「他にどのような会社を受けていますか?」と聞かれた時、どう答えればよいのでしょうか。
複数受けていて面接を受けている企業が第一志望ならば、そのまま伝えてOKです。加えて、どうしてその企業が第一志望なのか、理由は明確にしてください。もし第一希望でなくとも、基本的には第一志望と伝えるのがいいでしょう。
1社しか受けていない場合は、「現在受けているのは御社だけです」と回答します。
「転職先を選ぶ基準は?」と聞かれた時の回答の注意点
志望動機を伝えた後、「転職先を選ぶ基準は?」と聞かれた時の注意点を紹介します。待遇や福利厚生、待遇面ばかりを基準として選ばないほうが無難です。ほかに良い求人があればすぐに辞めそうだと思われてしまいます。
年収額やワークライフバランスで選ぶのも、あまり印象が良くありません。仕事に対しての熱意も忘れず伝えましょう。
志望動機を伝える際のNG例
ここまでは、志望動機の事例について見てきました。ここからは、志望理由のNG事例を紹介します。どんなことを言うと、マイナスのイメージにつながってしまうのでしょうか。
プラスの印象になる志望動機に加えて、マイナスの印象をつくってしまう志望動機も合わせて確認することで、正しい受け答えができるようになります。
前職の不満を志望動機として言ってしまう
人間関係が悪くて転職を志望した、残業が多すぎて退職したなど、ネガティブな気持ちを志望動機として伝えてしまうことはNGです。福利厚生や給与の件と同じで、なんでも素直に伝えればいいわけではありません。
ネガティブな理由で企業を選ぶより、ポジティブな理由の志望動機のほうが当然好印象です。仮にそれだけが志望動機でも、ポジティブに言い換えて伝えるのがベターです。
志望動機がありがち
志望動機は、企業によって必ず変えなければいけません。転職活動では多くの面接を行いますから、たしかにテンプレートを準備しておくのは重要です。いくつかのパターンを準備しておくのもおすすめです。
しかしそれをそのまま使うのは基本的にNGです。よくある内容で具体性がない志望動機は、何百人と面接をしている採用担当者には届きません。かならず、応募先の会社に併せてカスタムしてください。
「頑張ります」の一点張りで具体性がない
初めての面接でやってしまいがちなNG回答です。気持ちは確かに大事ですし、やる気は評価に値します。しかし、それだけでは志望動機にはなれません。
面接においては、根性論は意味がありません。あなたがなぜ、どうしてこの企業を志望したのか。その動機を知ることができないからです。そして、そこからどのように企業に貢献していくのかを具体性をもって伝えることが大事です。
まとめ
面接は、何度回を重ねても緊張するものです。志望動機はこれまで身につけたスキルやあなたの経験してきたことをもとにして、今回紹介したポイントに気をつけて回答しましょう。あらかじめ志望動機の準備をして面接に臨めば、通過率も格段に上がるはずです。
繰り返しになりますが、志望動機は自分のためでなく、企業のためのものです。企業にとってのメリットを意識してアピールしていきましょう。あなたにとって納得いく転職活動ができるよう、ぜひじっくり面接に臨んでください。